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満洲とは、以下のことを表す。
- 満洲族 - 中国内の少数民族の一つ。17世紀には清朝(ダイチン・グルン)を建国した。
- 満州(地名) - 1から派生した言葉で、概ね現在の東北三省(中国)と沿海州(ロシア)をあわせた地域を指す。
- 満州国 - 満洲地方に1932年から1945年にかけて存在した国家。詳細は該当記事を参照。
- 満洲語 - 満洲族の使用する言語。モンゴル文字を改良した独自の満洲文字を持つ。
- 埼玉県を根拠を持つ中華料理チェーン、ぎょうざの満洲。
ここでは、2の満洲(地名)について解説する。
概要
「満洲」は本来民族名だったのが、満洲族が居住する地域を表す地名にも使われるようになった。民族の名称と地名を区別するため、前者を満洲、後者を満州とすることもある。
なお、よく勘違いされがちだが「満州国の範囲」=「満洲の範囲」ではない。満州国は「内満洲」+「東部内蒙古」であって、現在の行政区分でいう所の東北三省が(内)満洲の範囲である。この頃使われた「満蒙」地方という名称も「満洲」と「モンゴル」を表す名称ではなく、内満洲と東部内蒙古を併せ持つ満州国の範囲を表す名称である。
現在の中華人民共和国では満州国を傀儡国家として否定する立場から地域名としての「満州」も否定する傾向にあり、「満州地方」は全て「東北地方」に置き換えられている。
地理
「満州」の範囲は概ね北はスタノヴォイ山脈(外興安嶺)、西はヒンガン山脈(大興安嶺)、南はヤル河(鴨緑江)・トゥメン河(豆満江)に区切られる。ほぼ全域をサハリヤン河の水系が流れ、住民の生活を潤す。サハリヤン河とは満洲語であり、一般的にはアムール川(ロシア語)もしくは黒竜江(中国語)として知られる。
内満州には中華人民共和国最大の平原である東北平原が広がり、古代から高句麗・渤海といった国家が興亡した。東北平原は近代に開発が進み、現在では中国屈指の食料生産地となっている。外満州では日本海に沿ってシホテアリン山脈が連なり、東北平原には劣るものの豊かな土壌が広がる。
南部の遼東半島は満洲に含められることが多いが、春秋・戦国時代には燕が領土とするなど昔から中華王朝が進出していた。日本人にも馴染みの深い大連港などを擁する。
住民
現在の満州地方にはロシア人・漢民族・朝鮮人の入植が進み、特に漢民族が最大の人口を誇る。
しかし近代以前はトゥングース諸語を話すトゥングース系民族の天地であった。トゥングース諸語はアルタイ諸語に属し、モンゴル語・トルコ語と強い近縁性を持つ。
トゥングース系民族は古来から農耕・狩猟生活を送っており、軍事的に卓越する遊牧国家・文化的に洗練された中華王朝の中間に位置する存在として時に両者を同時に支配する国家を建設した(金・清)。
歴史
現在、かつて満洲に存在した国家(高句麗・渤海)について中韓の間で論争がある→東北工程
論争の主点は「かつて満州に存在した高句麗・渤海が中国史に属するのか、韓国史に属するのか」という点にある。
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関連項目
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