概要
『ひきこもりが高じて大学を中退し、輝かしい青春のひとときをフルスイングでドブに投げ捨てる』(作者プロフィールより)
そんな作家。
作家デビューまで
1978年9月20日生まれ。北海道檜山郡上ノ国町出身。函館東高校(現 市立函館高校)卒業後、専修大学入学のため上京。大学生活半ばにして、引きこもりとなる。以降、ネットでエロ画像を収集するか、食うか、寝るといった感じで無為に日々を過ごす。外に出るのは食料を買い出しに近所のコンビニへ出る時だけ。
鬱な時期は起きているとネガティブなことばかり考えてしまう為、それから逃れる為によく眠ったりもした。最大で19時間連続睡眠を体験する。(これだけ寝てしまうと、それ以上は何をやっても眠れないとの事)
そんな怠惰な生活を送りつつも、小説家になる意欲だけはかろうじてあり、日本でも希有な『作家のための著作権エージェント』であるボイルドエッグスに小説原稿を送る。その原稿は本人が引きこもりゆえ、ネットを通じて送信したものである。
送った原稿はエージェントの求めるクオリティーに達せず出版社への売込みを断られるが、即座に書きためていた別の作品を提示。幸いにしてそれが認められ、後のデビュー作「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」の原型となる。但し、出版社への売込みをするにあたって、エージェント側は滝本に対し、最初の章を除いた部分全ての書き直しを指示している。
この長編書き下ろし作品「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」は第五回角川学園小説大賞特別賞を受賞し、2001年末に角川書店より単行本として刊行された。こうして、滝本は「引きこもり世代のトップランナー」という、前向きなのか後ろ向きなのかよく解らないキャッチコピーと共に念願の作家デビューを果たす。
デビュー作は2002年にNHK-FMの番組「青春アドベンチャー」にてラジオドラマ化、2007年に漫画化、2008年に実写映画化されている。
小説「NHKにようこそ!」とNHKへの出演
自らの引きこもり体験を基にした小説で、丁度「引きこもり」が社会問題としてクローズアップされた頃と重なった為、注目を浴びる。また、タイトルにNHK(日本ひきこもり協会の略)と付いていた事もあり、NHK(日本放送協会)関係者の目にも留まり、同局の引きこもり問題に関する番組に出演するきっかけともなる。
更に当人が自他共に認めるエヴァンゲリオンマニアであり極度の綾波レイ・フリークということもあり、NHK-BSの番組、BSアニメ夜話「新世紀エヴァンゲリオン」の回にゲスト出演を果たす。
しかしながら、一般視聴者にとって滝本のあまりにも挙動不審な言動を受け入れられるほど、引きこもりに対して寛容ではなく、当時の2ちゃんねるNHK実況板やエヴァ板はスレッドがあっという間に消費されるほどの大騒ぎとなる。それら書き込みの半分以上は「キモい」等、ネガティブなものであった。が、滝本に対して肯定的なコメントもあったのもまた事実である。当人の名誉の為に付け加えておくと、どちらかというとイケメン寄りの顔立ちである。
またこの時、自らの持論を熱っぽく主張した直後、自信のなさの余り、自らの存在までをも打ち消すが如く即座にそれまでの論調を全否定する芸風を身につける。
余談ではあるが、BSアニメ夜話の出演者達の滝本への接し方や眼差しは、まるで「か弱き生き物」に接するが如く、あるいは腫れ物にでも触るかのような、限りなく温かく優しいものであった。これは、出演者達にはあらかじめ番組スタッフから滝本竜彦が精神面・心理面に於いて極めて脆弱な人間である、ということをレクチャーされていた為といわれている。
なお、「NHKにようこそ!」は2004年に漫画化、2006年にアニメ化された。
※アニメ版のタイトルは「N・H・Kにようこそ!」と微妙に変えている。
超人への道
三作目は「超人計画」(角川書店・刊)。
初のエッセイ。自ら歩んできた「クズ人間ロード」を修正すべく、「超人」になる事を自らに科し、その過程を書き綴った随筆である。ここで言う「超人」とは、世間一般に言う「まっとうな人間」の事であり、いわゆる「普通の人間」を意味する。彼にとってはそれが「超人」なのだ。
エッセイであるが、案内・進行役として脳内彼女の「レイちゃん」(キャラクターのモデルはもちろん、綾波レイである)が登場し、滝本本人との脳内会話を延々交わしたりと、どこまでが「フィクション」で、どこまでが「ノンフィクション」なのかよく解らない。しかしながら、自らの様々なルサンチマンを痛々しくも滑稽にしたためた作品といえる。
その他の著作
エピソード
- 帽子がトレードマーク。というか、外出する時は必ず帽子を被っている。
- 作家デビュー当初、頭髪の薄さに悩まされていたが、心機一転、楽天市場にて購入したバリカン、ナショナルスキカルで頭を刈り、ジレット・マッハシンスリーで剃りあげ、晴れてスキンヘッドとなる。
- 母の日には郷土の母にカーネーションを贈る心優しい子である。
- アニメ版「N・H・Kにようこそ!」のEDテーマ「踊る赤ちゃん人間」マキシシングルの収録曲として「日本引きこもり協会のテーマ」の作詞を担当。滝本から作曲の大槻ケンヂの元へ詞のFAXが送られた。
但し、内容は「リストカット、練炭、自殺、suicide」みたいな単語が大量に書き込まれていたシロモノ。大槻は「これはさすがに通らないだろう」と思ったが、プロデューサーは「これこそロックだ!!」と絶賛。しかし、案の定、その詞にはNGがかかり、余儀なく修正することとなった。
関連動画
関連チャンネル
『ニコニコチャンネルGTV』の生放送にたまに出演
関連項目
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