無停電電源装置とは、電力停止時に一時的に機器へ電力を供給する装置である。「UPS(Uninterruptible Power Supply)」とも呼称される。
概要
主にネットワーク機器やサーバー機器などに取り付けられる装置で、平常時はコンセントから電気を蓄電する。その真価が発揮されるのは停電時などの電力供給が絶たれた時である。機器の電力供給が断になると無停電電源装置から電力を供給するようになり、急な電源オフという事故を未然に防ぐ事が出来る。
なお無停電電源装置からの電力供給は数分~30分程度であり、決して停電への完全な対策になるわけではない。あくまで急な電源オフを防ぐための保険であり、無停電電源装置が起動するような状態になった場合は接続している機器の電源を速やかに正しい手順でオフにする必要がある。要するに時間稼ぎのための機器である。
こうした用途から、主に大量のネットワーク機器やサーバー機器などが設置され、瞬断(瞬間的な停電)すらも許されない環境であるデータセンターや企業のサーバルームなどで、機器と一緒にラックにマウントされている場合が多い。値段はおおむね数万~十数万程度の物が多いが、家庭用の無停電電源装置というのも存在し、こちらは数千円程度で購入可能。
また、停電が起きるような異常事態(落雷など)の際には電源やネットワーク回線からサージ(過電圧)が生じて機器を破損することがある。「停電は防げたが、サージのために結局機器に被害が出た」という事態を避けるため、サージから接続機器を保護する機能を備えている無停電電源装置も少なくない。
ただしサージ保護は無停電電源装置の本質の機能ではなくあくまでオプション的なものなので、この機能を持たない機種もあるし、また「電源からのサージは保護するが回線からのサージまでは保護しない」機種もある。
ちなみに、ノートパソコンはバッテリー駆動に切り替わるだけなので停電には強い。
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