無双竜機ボルバルザークとは、TCG「デュエル・マスターズ」に登場するカードである。
能力
マナコスト7 火/自然文明 クリーチャー パワー6000
アーマード・ドラゴン/アース・ドラゴン
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、他のパワー6000のクリーチャーをすべて破壊する。その後、このターンの後にもう一度自分のターンを行う。そのターンの終わりに、自分はゲームに負ける。
■スピードアタッカー(このクリーチャーは召喚酔いしない)
■W・ブレイカー
概要
初出は第10弾「聖拳編(エターナル・アームズ)」。レアリティはベリーレア。俗称は「ボルバル」。
デュエル・マスターズ史上初のプレミアム殿堂入りカード(禁止カード)である。
スピードアタッカーや他のパワー6000のクリーチャーを破壊する能力は言うまでもなく強力だが、このカードの最大の特徴はエクストラターンと特殊敗北条件にある。自分のターンがもう一度行えるということは、
- 自分のクリーチャーの攻撃回数が増える
- もう一度ドロー、マナチャージができる
- 自分のマナがアンタップされるため、もう一度クリーチャーの召喚や呪文を唱えることができる
- 相手はマナやクリーチャーをアンタップできず、クリーチャーや呪文を使うこともできないので、防御が非常に難しい
ということになる。
これにより、自分が負けそうな展開においてもこのクリーチャーを場に出して逆転を図ったり、ゲームが自分に傾いているときに最後の一押しとして使うことで確実に相手を仕留めることもできる。
ただしその代償として、そのエクストラターンで勝てなければ無条件で自分の負けとなる。よってこのカードを出した瞬間、そのゲームはラスト2ターンで勝敗が決まるという、極端な流れをすることとなる。
そしてそのあまりの強さ故に、デュエル・マスターズというTCGそのものを壊しかねないほどに暴れまわることになった。
ボルバルの歴史
- 聖拳編1弾
- このパックでボルバルは初登場となる。
発売された当初はデメリットばかりが目について強カードとしては思われておらず、同じ弾の強力なコスト踏み倒し呪文「母なる大地」や相手のS・トリガーを使うことができる「陽炎の守護者 ブルー・メルキス」に注目が集まっていた。また、多色カードの登場によって「アクアン」が更に使いやすくなったため、そちらをメインに据えたデッキが流行ると思われていた。
しかし2004年の公式(地区)大会では、大方の予想に反してボルバルを使った火・自然「ボルバルステロイド」なるデッキが実績を残した。そしてそれに影響されてか、他の大会でも徐々に使用者が増加した。
更に大会が後半に差し掛かると、このデッキに水文明を加えた「ボルバルブルー」が登場。このデッキは水文明を使うことでステロイドよりも安定感があり、徐々にこちらへとデッキが変わりだす。結果的に全国大会では「ボルバルブルー」が日本一となった。 - 聖拳編2弾
- クリーチャーを1体シールドに送る「魂と記憶の盾」などの強力な多色呪文により、「アクアン」を中心としたコントロールデッキが強化。また、このパックで新たに登場した能力「ウェーブストライカー」のデッキも台頭し、結果的には均衡が取れていた。
- 聖拳編3弾
- ところが、殿堂入りルールにより「アクアン」が殿堂入り(いわゆる1枚制限カード)になり、当時大会で上位をとり続けていたコントロールやライブラリアウトデッキが弱体化。しかしボルバルには規制一つもかからず相対的に強化される。
除去サーチ手段が乏しくなりますます手が付けられなくなる。 - 聖拳編4弾
- パワー3000以下のクリーチャーを全て破壊し、その数だけドローできるという強力呪文「炎槍と水剣の裁き」が登場。しかもどういうわけかボルバルと相性が良く、デッキに多く投入されることになる。
更に「ボルバルブルー」に闇文明をプラスしコントロール力を高めた「ボルバルブラック」なるものも考案され、2005年春の大会ではそのデッキがトップメタへ踊り出る。
そのあまりのボルバルだらけの環境に対し、プレイヤーはこのTCGをボルバルマスターズと皮肉り始めた。
だが、さすがに批判が集中したせいか、殿堂入りルールによりついにこのカードが殿堂入りに。この悪夢のような環境は収束したかに思えた。 - 転生編1弾
- そんなことはなかったぜ!と言わんばかりに生き残るボルバル。前述の「炎槍と水剣の裁き」や低コストマナブースト「幻緑の双月」、新たなドローソース「トリプル・ブレイン」など何故かボルバルと相性の良いカードが登場し、ボルバルは身を潜めるどころかそれらを使用し長期戦に特化した「除去ボルバル」が完成。この弾で登場した新たなカード「クロスギア」には目もくれず、ボルバルが環境に居座り続けることに。
- 転生編2弾
- ボルバルメタに速攻が台頭し始めるが、オープンクラス優勝は「除去ボルバル」。ちなみにレギュラークラスは「赤単速攻」。
更にこの弾のクロスギアに、クロスし攻撃することで相手のマナを2枚破壊できる「バジュラズ・ソウル」という強力なクロスギアが登場。当然のごとくそれはボルバルに投入され、「ボルバルバジュラズ」「バジュラズブルー」が登場。
もう休めよ。 - 転生編3~4弾
- 最後までトップメタにいたボルバルだが、ついに新たなレギュレーション「プレミアム殿堂」という処置を施される。
これによりボルバルはデッキに1枚も入れることができなくなり、ボルバルデッキは消滅した。
ついにボルバルマスターズの終結であった。
2004年の登場から約2年間、ボルバルは環境に居座り続けた。TCGプレイヤーならこの状況がいかに異常かがわかるであろう。
ちなみに、転生編第4弾発売の直前に再録メインのパック「コロコロ・ドリーム・パック」が発売。そしてそのパックの目玉は新規カードの「ボルメテウス・サファイア・ドラゴン」。あとはお察しください。
どうしてこうなった
効果も効果だが、こうなった理由は以下に分けられると考えれる。
- 殿堂入りルールの穴
当時(というより一つ例外を除いて今でも)は発売されて一年も経っていないカードを殿堂入り及びプレミアム殿堂入りにすることは無かった。そのルールに則り、聖拳編2弾環境において殿堂入りされない処置をとったと思われる。
この結果が裏目に出て、大会で上位を取り続けた。 - 相性の良いカード群
前述の通り、ボルバルには相性の良いカードが多く存在した。「炎槍と水剣の裁き」や「母なる大地」の他にも、ハンデスカード「スケルトン・バイス」、S・トリガーを封じる「呪紋の化身」「無双恐皇ガラムタ」などがあった。特に「呪紋」「ガラムタ」は当時はまずS・トリガーでしか対処できないため、出して殴れば勝ちという安易なゲームになりがちだった。
派生クリーチャー
ボルバルザーク・紫電・ドラゴン
マナコスト7 火文明 クリーチャー パワー7000
アーマード・ドラゴン/サムライ
■侍流ジェネレート(このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の手札にあるクロスギアを1枚、コストを支払わずにジェネレートしてもよい)
■各ターン、このクリーチャーがはじめてタップした時、アンタップする。
■W・ブレイカー
初出は第28弾「戦国編(バトル・ギャラクシー)」。レアリティはスーパーレア。
初代ボルバルの特徴であったエクストラターンによる攻撃回数の増加を、自身のアンタップ能力によって再現している。また新能力「侍流ジェネレート」によって、クロスギアをコストを踏み倒して場に出すことができる。今までのクロスギアだけでなく、同じ28弾で登場したサムライクロスギアとも相性が良い。
他にも、名称「紫電・ドラゴン」を指定したサポートカードも数多く存在する。ただ、だからといって環境を独占するようなぶっ壊れた強さは持っていない。強すぎず弱すぎずといった丁度良いカードパワーであると言える。先代と比較するとかなり良心的。
ボルバルザーク・エクス
マナコスト7 火/自然文明 クリーチャー パワー6000
アーマード・ドラゴン/アース・ドラゴン/ハンター
■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のマナゾーンにあるカードをすべてアンタップする。
■スピードアタッカー
■W・ブレイカー
初出は「フルホイルパック リバイバル・ヒーロー ザ・ハンター」。レアリティはスーパーレア。
こちらは初代ボルバルのエクストラターンを何故か全マナのアンタップという形で再現している。
何と言ってもこの能力が非常に強力であり、極端な話「G・ゼロ」で
のクリーチャーが出てくることになる。
手札にこのカードが4枚あればそれらを全て1ターンで展開できるだけでなく、起き上がったマナで「爆竜 GENJI・XX」をはじめとするスピードアタッカーや、驚異の手札補充を行える「サイバー・N・ワールド」の召喚、更には自身を進化元としての「超竜バジュラ」をいきなり場に出すことができるなど、様々な用途で使うことができる。初代からまるで成長していない。
その異常なスペックから、情報が出てから巷で色々言われていたカード。大方の予想通りこのカードを投入したデッキがトップメタに居座ることになる。有名なものは前述の「N・ワールド」と合わせた「Nエクス」。
また、クリーチャー3体を山札からコストを踏み倒して出せる「エンペラー・キリコ」との相性は抜群であり、それとこのカードを組み合わせたデッキは凄まじい展開力と爆発力を持っていた。
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関連項目
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