無罪(英:Not guilty)とは、罪のないこと。刑事訴訟法上の手続きの1つ。
法律上の無罪
近代法では、「疑わしきは被告人の利益に」(推定無罪の原則)という原則が貫かれている。これは、人類の歴史上、自白の強要や不合理な捜査によって、不当に有罪判決を受けて貶められてきた無辜の市民への反省に拠っている。
国連人権規約
日本国憲法
- 日本国憲法第39条(訴求処罰の禁止、一事不再理):何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。
- 日本国憲法第40条(刑事補償):何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる[1]。
刑事訴訟法
無罪と無実の違い
無罪とは、刑事裁判上では犯罪事実がないことによる場合と、違法性阻却自由(正当防衛・緊急避難、被害者の同意など)や責任阻却事由(責任能力のない未成年・心神喪失者)、真偽不明といった消極的理由による場合がある。
刑事裁判で無罪になっても、民法上の不法行為に問われる可能性がある場合は、犯罪事実そのものはある=無実ではないと社会的に判断されることがある。
英語でも、Not guiltyとInnocentは使い分けられる。
愛国無罪
中国の言葉に、愛国無罪と呼ばれるものがある。由来は、抗日戦争の最中にあった中国で、国民党政府に向けて抗日救国・国共合作を訴えた「全国各界救国連合会」のメンバー7人が国民党政府に逮捕された際に、抗議のために積極的に投獄されようとする運動が盛り上がった(救国入獄運動)事件[2] 。その時に掲げられたスローガンの1つが「愛国無罪」であったとされる。
最近では、2005年の小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題や2012年の野田佳彦首相の尖閣諸島国有化に反対する社会運動で、愛国無罪というスローガンが掲げられた。
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関連項目
脚注
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