概要
何らかのハードで出た作品を明らかにスペック的に無理がある別のハードに移植すること、あるいはしたものを指す。
最も多いのはアーケードゲームの家庭用ゲーム機への移植で、そもそもアーケードゲームは巨大なサイズと専用の基盤を持っているため(同時期では)最高性能である事が多いが、業務用であるため私有するのは難しい。
その一方、家庭用(コンシューマー)ゲーム機はスペックが一定である上、新型が登場するまでスペックが更新されない。それを何とか創意工夫とごり押しで移植を行い、発売されるソフトが多く存在する。
理由としては、性能が劣っていても普及したハードへの販売を行う事で得られるメリットを狙ったものが多く、古くはファミコンに移植されたインベーダーゲームやゼビウスなども存在したが、当時は数が少なくそこまで問題ではなかった。しかし、80年代が後半に差し掛かり基盤の高性能化によりアーケードと家庭用ハードのスペック差が顕著になった事によって、アーケード筐体の持つスペックで制作されたゲームの再現をコンシューマー機で行う、本格的な挑戦が始まったのである。
ゲームハードのスペックのみならず、メーカーの技術力の差によって「よくここまで再現したな…」という感動を生むものから、「何故作った」と呼ばれるものまでその成果は大幅に異なる。ごく稀にだが、アーケードで邪魔になっていた要素が削られてアーケードより良くなる場合もあったりする。
また、音源やグラフィックが機種依存のものになるため、ハードごとの特徴を比べると言う楽しみもある(特に音楽)。
最近は家庭用ゲーム機の高性能化に伴いハードの性能限界の制約が大きく減り、元のグラフィックや音がそのまま使えるようになり完全移植も昔より難しくなくなってきているためこの楽しみは減少傾向にある。
ここまでは低性能機への移植の話であるが、「無茶移植」とまで言う場合は技術力でどうこうとかいう次元ではなく誰がどう見ても明らかに不可能なものに移植するような場合に使用される場合が多い。先述のインベーダーなどは恐ろしく多様な機種で発表されており、ファミコンなどはまあ移植できるだろうと言う話になるが、ファミコンより低スペックな機種に移植されていたりするというからシャレにならない。この傾向は海外では特に強く、国内ユーザーからすれば予想外のソフトが、旧世代ハードに移植されているパターンなども見られる。
HDゲームが基本になった近年,無茶移植はあまりみられないがHDゲーム黎明期に家庭用ゲーム機で「真・三國無双5」がPS3,xbox360で発売されたが、何故かその後下位機種のps2に追加要素を入れてSP版を販売するというものすごい無茶移植をした。
おそらくは当時PS3等が販売されたばかりで新機種移行をしていないユーザー向けに作ったと思われるが、調整不足orグラ重視orスペック不足なのか、処理落ちステルス兵無双が過去最高レベルのものに仕上がってしまい無双とは呼べない別ゲーになり、せっかくの追加要素や不満点を修正したSPの良さをほぼ殺してしまった。
流石に不味いと思ったのか、その後の無双を携帯機に劣化移植するがこちらは処理落ちやステルスはあまりせず、グラ劣化と敵表示数さえ我慢すれば1000人切りが普通に可能な携帯無双ゲームとして成立している。
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