照明とは、(建物や洞窟・夜など)暗いところを明るく照らすことである。
明るく照らすために使う道具や装置それ自体も照明と呼ぶ。
日本語では「電気」と呼ばれる場合もある。(部屋の電気をつける、など)
光を当てて照らし出すことは照射とも呼ばれる。
概要
明るく照らす行為のことを一般的には照明(Lighting)と呼ぶ。また、明るく照らすための物品も照明と呼ぶので、ランタンやろうそくなどの電気をともなわない明かりも照明の部類である。
人間は夜目が利かず、周囲や前方の状況が確認できない暗闇においては安全/容易に移動・行動できない。
人間の最古の照明は、武器にも調理にも使われる"火"である。照明の歴史は人間の歴史と同じ長さであり、夜でも外で行動したり書物が読めるなど、人間が暗い中でも行動できるようになったのは、火による照明があったことによるものである。
やがて、火を基点として道具や文化が発達するようになり、現在では屋外照明/屋内照明など空間用途で分けた照明、防犯/舞台などの作業用途で分けた照明など、多種多様な照明が存在する。また、光およびその光によって発生する影を利用しての人間のイメージづくりや空間演出、「影絵」といった文化など、照明がかつて果たしていた用途とは違う分野に枝分かれして発達している。
また、照明という言葉自体も照らすだけの意味ではなくなり、建築業界においては、人工的な配線によって電気の通った電球や蛍光灯などの類を指す。テレビ/放送業界では、役者やスタジオに光を当てるための役職も照明と呼ぶ。
- 室内だけでなく、携帯用の懐中電灯などもアウトドア・災害時に役立つ。
- 自動車・航空機・船舶にも装備され、夜間・暗所においての前方の道や障害物を照らし出す。
- 松明のような、先端の布に持続して燃える松油を染み込ませ携帯できるようにしたものもある。
- 遠距離の任意点を照射するサーチライトなどもある。一部は救難・捜索ヘリなどにも装備される。
- 電子機器を用いる照明は防水ならば大雨や水中でも問題なく使用できる。
- 焚き火など、照明がてら火種・調理など多目的に利用可能で、燃えるものさえ継ぎ足せば燃え続ける。
- 赤色の照明は暗闇に慣れた目(暗順応)を妨害しない。
- 夜間の空港滑走路やヘリポートにおいては、長距離から確実に視認できるよう誘導灯などが点灯する。
- ブラックライトなど、紫外線で不可視インクを浮かび上がらせ識別するものもある。
- 赤外線ライトも不可視であるが、暗視装置の映像を明瞭にできるため補佐として用いられる。
- 上空に発射し周囲一帯を照らす照明弾などもある。
- 広義にはライターやマッチ、スマホのライト機能なども一時的な照明として機能する。
- 小型の懐中電灯などを持ち物に忍ばせておくと災害時に役立つ。
- 特に光量のある懐中電灯など、積極的に相手に照射し視界を奪う目潰しとしても用いられる。
照明の効果
部屋の電気にエレクトリカルパレード風の電飾が設置されていたら、あなたはこの家に帰りたいとも友達を呼びたいとも思わないだろう。グラビア写真撮影の際にモデル全体を照らさずアゴから上に照らしてお化け屋敷みたいな撮影しかやらなかった場合、次の雑誌の売上は激減するだろう。舞台で表彰された俳優じゃなく誰か別の人にスポットライトが当たっていたら、観客はそっちのほうが気になるだろう。
照明には「暗いところでも見える」以外にも効果がある。俗に視覚効果と呼ばれるものである。上記の極端な例のように、対象を照らすことそれ以外にも当て方や色、角度などといった「人から見てどのように思われるか」といったイメージ分野にも注目は集まっている。
イメージが重要であるということは国家戦略で考えられている規模であり、アメリカ合衆国では大統領を撮影する際にライトの強さや色、ライトを当てる角度やそれによってテレビに影としてどう映るかといったことをメイク、カメラ、演出家なども交えてリハーサル込みで行っている。
- 焚き火のゆらめく炎など、電気照明にはない魅力や癒しがある。
- 夜景・イルミネーションなど、照明用ではないが個々の照明の集まりを楽しむ場合もある。
- 小型の懐中電灯など、あえて不十分な光量を用いることで十分な情報量を得られなくし緊張感・恐怖感を増す演出技法は、ホラー映画などでも用いられる。
- フィクションにおいては植物・物品・宝石などが発光し照明に用いられたり、暗闇で周囲の多数が発光するなど幻想的な風景などが用いられる場合もある。特定の人物や呪文に呼応して発光する場合もある。
- 炎色反応など、手間を考慮しなければ炎の照明色を変えることも一応可能。
欠点
- 夜間も視界を得やすい反面、光量的に昼間の情報量には劣る。
- 災害・攻撃・テロ等によって発電所や送電線といったインフラが破壊されると、独立した電源・バッテリーを持たないものはすべて停電し使用不能になる脆弱性も指摘されている。(→インフラ)
- 照明そのものがリスクとなる場合もある。
- 暗闇においては照明の機能停止によって視界を失い、パニックに陥る。
- 火災・誘爆
- 市街地などは光量によって星空が見えない、天体観測の邪魔、ウミガメなどの野生動物が海と陸地を誤認するといった問題もある。
(→光害) - 住宅街や田舎の街灯など、誰もいなくとも付けっぱなしであることから(安心・防犯的な意味はあるものの)、単純に電気代・税金の無駄遣いといった意見もある。
- スマホのライト機能は意外と明るいものの、バッテリー消費が激しいため常用には向かない。
- 過剰な光量のヘッドライトなど、対向車を幻惑してしまう場合もある。
関連動画
関連項目
照明・補佐 |
脚注
- *味方を敵と誤認し射撃してしまうなど。(→フレンドリーファイア)
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