爆雷とは
本記事では1.について記述する
概要
水中にいる潜水艦を攻撃するための爆弾。基本的に艦船で運用されるが航空機でも運用される。
構造
軍艦、特に駆逐艦が潜水艦に対峙した際に水中へ艦尾からやみくもに投下する『ドラム缶状の爆弾』というイメージが順当だが、厳密には時代が下がるにつれて航空爆弾の様な形状へと変化している。また、起爆方式も当初時限式だったが深度に伴って上下する水圧に反応する方式に変更された。
運用
目視(潜望鏡を含む)で発見するよりかはソナーで探知した水中の潜水艦が居るであろう位置に艦尾付近から投下し船体に影響がない程度まで離れてから複数の爆雷が潜水艦を四方から囲む形で起爆し爆発により生じる水圧で潜水艦を破壊するのが理想だが実際は狙った位置、深度に潜水艦がいない為に理想通りにいかない事が多かった為対空砲火の弾幕と同様に非効率な攻撃ではあったが潜水艦は水上艦と比べて防御力が低く潜水能力を奪えれば上出来な方であった。
また、投下手段も艦尾に備えた投下台(ラック)や大量に連続投下が出来る『爆雷投下軌条』(レール)から離れた位置、双方向から投下できる『爆雷投射機』も登場した。
進化と衰退
前述の通り爆雷はドラム缶型から航空爆弾状に変化した。
これは潜水艦の潜航速度が向上したためで水の抵抗を少なくし潜水艦に追い付かせるためであったが爆雷を炸裂させる場合、直前にソナーと聴音兵を保護する為に機能停止をする必要があった事から的中率が低く効率が悪い事に変わりはなかった。
そうした中、第1次世界大戦からUボートに苦しめられて爆雷を実戦投入したイギリスが『ヘッジホッグ』を実戦投入する。これはスピガット・モーター式の迫撃砲式爆雷投射機、それも24発の小型爆雷を一度に艦首側から前方に叩き込む方式で起爆方式は触発信管である。
既存の爆雷なら一旦爆発するとその音響の影響で何分もの間ソナーは使用不能になり、命中したのかどうかの判定もできないが、ヘッジホッグの場合命中しなければ爆発しない(音を出さない)ためソナーは捜索を続行できるというメリットがあった。
一方でより大威力の対潜水艦用迫撃砲もイギリスを含む各国で開発され次第に従来の爆雷は影が薄くなっていくも迫撃砲でダメージを受けた敵潜水艦に止めを刺す、弾頭に核弾頭を使うなどで存命を続けたが誘導式短魚雷の登場により大洋で使用される海戦兵器としての使命を終えた。
それでも航空機や艦船からの警告用、機雷除去用として細々と運用は続いている。
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