特別競走とは、
- 競馬において、特別登録を必要とするレースのことである。現在のJRAのレースでは、全ての特別競走にレース名がついている。重賞・リステッド競走も特別競走であるが、普通「特別競走」と呼ぶ場合、重賞・リステッド双方の格が付けられていない競走に対して使われる。本記事にて解説する。
- 競輪において、2001年のグレード制施行以前の、通常のレースの枠組みに入らないレースのうち一発勝負で行われるものの総称。KEIRINグランプリ、ヤンググランプリ、ルーキーチャンピオンレース、ルビーカップレース(現・GⅡ共同通信社杯)など。
- 競艇(ボートレース)において、1998年度のグレード制施行以前の、鳳凰賞(総理大臣杯、クラシック)、全日本選手権(ダービー)、笹川賞(オールスター)、モーターボート記念(メモリアル)の4競走を「四大特別競走」と、これに賞金王決定戦(グランプリ)を入れて「五大特別競走」と呼んだ。笹川賞の開設以前は全国地区対抗競走を四大特別競走に数えた。今日のグレード制においては「SG」に格付けされている。
- オートレースにおいて、1995年度のグレード制施行以前のオールスター、日本選手権、スーパースター王座決定戦、全日本選抜の4競走。「特別企画競走」ともいった。今日のグレード制においては「SG」に格付けされている。
競馬のみ特別競走の語は他競技と比して格下に扱われるが、これは日本ダービーや天皇賞などの大レースが戦前「特別競走」と呼ばれており、それを戦後に誕生した他競技が踏襲した後、国営競馬が日本中央競馬会に改組する際、競馬で元々あった「重賞」という語を特にレベルの高い特別競走(=他競技におけるG1やSG、周年記念格の競走)に使うようになり、結果として重賞とならなかった競走が「特別競走」の名で残ったことに由来する。
なお、重賞の語が生まれた後も、中央競馬では1990年代まで「4歳牝馬特別」や「京都牝馬特別」などが重賞ながら「特別」の名がついていた他、地方競馬では現在でも「特別」の名が付く重賞が存在しているところがある。
概要
以後、週は開催が終わった翌日を始まりとする。
通常の競走(一般競走という)の場合、以下の流れで出馬投票を行い、出馬できる馬となったら、実際に出馬を行う。
当該週の木曜日 正午から15時まで | 出馬投票 |
当該週の木曜日 16時すぎ | 出馬できる馬の発表 |
当該競走の前日 10時すぎ | 馬番号・枠番号の発表 |
当該競走の時刻 | 出走 |
これに対し、特別競走の場合、以下の流れになる(一部例外あり)。特別登録には、特別登録料が必要となる。
前週日曜日(GIの場合は前々週日曜日) | 特別登録1回目 |
当該週の木曜日 正午から15時まで(GIの場合は14時まで) | 特別登録2回目=出馬投票 |
当該週の木曜日 16時すぎ(GIの場合14時すぎ) | 出走できる馬の発表 |
当該競走の前日 10時すぎ(GIは当該週の金曜日 9時すぎなど例外あり) | 馬番号・枠番号の発表 |
当該競走の時刻 | 出走 |
特別登録料は、レースによって異なる(単位:万円)。額については、以下の通りである(参考文献: JRA公式)。
レース名 | 1回目 | 2回目 |
---|---|---|
通常の特別競走 | 1 | 2 |
GIII、2歳GII及びJ・GIII、J・GII、J・GI | 1 | 4 |
GII(2歳のものを除く)及び2歳GI | 2 | 8 |
GI(3歳クラシック競走及び2歳のものを除く) | 6 | 24 |
JpnIについては、GIと同様に扱うようだ(2018年JBCが該当。JBCは本来地方競馬場の持ち回りだが、2018年はJRAの京都競馬場で実施された)。
さらに、3歳クラシック競走(桜花賞・皐月賞・優駿牝馬・東京優駿・菊花賞)の場合、3段階の登録が必要になる。
この3歳クラシック競走に出走するための事前の特別登録はクラシック登録とも呼ばれている。
前年10月第4金曜日 | 特別登録1回目 |
当年1月第4金曜日 | 特別登録2回目 |
前々週日曜日 | 特別登録3回目=出馬投票 |
2021年の場合、特別登録1回目は1万円、2回目3万円、3回目36万円必要である。なお、オグリキャップの時の教訓から、1992年以降は追加登録料(2021年の場合200万円)を支払うことで、2回目までの特別登録を行なっていなくても参加できるようになっている。
特別登録料は、原則として返還されないが、以下の場合は返還される。
- その競走が行われなかった時(例えば4頭以下しか2回目の特別登録を行わなかったなど)
- その特別競走に出る馬とならなかった時(非抽選馬・非当選馬)
- 競走が不成立になった時(災害・投石などにより重大な支障が発生したり、所定の走路と異なる走路で行われるなどした場合)
- 出走権が様々な原因でなくなった時(レース後の失格・降着、及びそれに伴うもの)
- 特別登録をやり直す時(レースの延期など)。この場合、やり直しになる部分のみ返還となる
また、徴収された特別登録料は、1着7割、2着2割、3着1割の割合で付加賞として分配される(2着までしかいなかった場合は1着8割、2着2割で、1着しかいなかった場合はその総額を1着が得る)。
なお、2021年時点では、平地競走については、オープン競走は全て特別競走である(障害競走においては一般競走のオープンも存在)。3勝クラスに関しても原則として特別競走である。逆に新馬戦・未勝利戦には特別競走がない。
特別競走においては、見習騎手・女性騎手による負担重量の減量は適用されない。
特別登録を行うと、このような書類が交付されるようである。
ポストを読み込み中です
https://twitter.com/Hiromaru0621/status/1525807884541763584
上記はアスクビクターモアについて東京優駿に3回目の特別登録を行った時に交付された書類である。
大百科に記事のあるJRAの特別競走
2歳限定
- コスモス賞(オープン、札幌競馬場、8月開催)
- ひまわり賞(オープン、小倉競馬場、8月開催)
- フェニックス賞(オープン、小倉競馬場、8月開催)
- クローバー賞(オープン、札幌競馬場、8月開催)
- 野路菊ステークス(オープン、阪神競馬場、9月開催)
- もみじステークス(オープン、京都競馬場、10月開催)
- 中京2歳ステークス(オープン、中京競馬場、12月開催)
- 百日草特別(1勝クラス、東京競馬場、11月開催
- 黄菊賞(1勝クラス、京都競馬場、11月開催)
- 赤松賞(1勝クラス、牝馬限定、東京競馬場、11月開催)
- ひいらぎ賞(1勝クラス、中山競馬場、12月開催)
- 葉牡丹賞(1勝クラス、中山競馬場、12月開催)
- エリカ賞(1勝クラス、阪神競馬場、12月開催)
3歳限定
- 昇竜ステークス(オープン、中京競馬場、3月開催)
- 伏竜ステークス(オープン、中山競馬場、3月末~4月頭開催)
- バイオレットステークス(オープン、阪神競馬場、3月末~4月頭開催)
- 端午ステークス(オープン、京都競馬場、4月末~5月頭開催)
- 青竜ステークス(オープン、東京競馬場、5月開催)
- ゆきやなぎ賞(1勝クラス、阪神競馬場、3月開催
3(4)歳以上
- 万葉ステークス(オープン、京都競馬場、1月開催)
- バレンタインステークス(東京競馬場、2月開催)
- 欅ステークス(オープン、東京競馬場、5月開催)
- マリーンステークス(オープン、函館競馬場、7月開催)
- 丹頂ステークス(オープン、札幌競馬場、9月開催)
- フリーウェイステークス(3勝クラス、東京競馬場、5月開催)
- 青嵐賞(2勝クラス、東京競馬場、5月開催)
- 開成山特別(1勝クラス、福島競馬場、7月開催
- 阿寒湖特別(2勝クラス、札幌競馬場、7月開催)
- 尾張特別(2勝クラス、中京競馬場、12月開催)
- ファイナルステークス(3勝クラス、中山競馬場、12月開催)
廃止・休止
関連項目
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- アメリカンオークス
- NHK杯
- 各内国抽籤濠州産馬混合競走
- コリアカップ
- コリアスプリント
- 重賞
- 条件戦
- 特ハン
- トラヴァーズステークス
- ドバイワールドカップミーティング
- バレンタインステークス
- ひまわり賞(オークス)
- ひまわり賞
- 福永洋一記念
- ブリーダーズカップ
- 香港国際競走
- 優勝内国産馬連合競走
- ヨーロッパ競馬の平地G1のレース体系
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