特捜ロボジャンパーソンとは、1993年1月~1994年1月までテレビ朝日系で放映された特撮テレビ番組、及びその劇中に登場する主役ヒーローの名称である。
2013年3月1日より、東映特撮ニコニコおふぃしゃるにて劇場版が配信。その9年後、2022年5月18日よりTVシリーズも配信開始。後者は毎週水曜日8:00より配信、無料視聴期間は72時間(土曜日の8:00まで)となる。
概要
「特警ウインスペクター」から「特捜エクシードラフト」に至るレスキューポリスシリーズの3年間を終えて、新たに放送されたメタルヒーローシリーズ第12作目。
メタルヒーローシリーズでは『超人機メタルダー』に次ぐロボットヒーロー作品となるが、メタルダーと違い主人公ジャンパーソン(以下・JP)は人間の姿にならない。これは特撮作品全体で見ても極めて珍しい例であり、東映作品では『ロボット刑事』ぐらいである。そのためか一部のファンから「ロボット刑事のオマージュ作品」といわれることも多いが、むしろJPの外見や挙動は『機動刑事ジバン』と同様に『ロボコップ』の影響を受けた部分が強い。
またJPは当初その出自が明らかにされておらず、謎の多いヒーローであることも視聴者の関心を引く要素となり前半の山場を形成することとなる。
前2作(『特救指令ソルブレイン』『特捜エクシードラフト』)が視聴率・玩具の売上共に不振であったことから、「勧善懲悪」「強いヒーロー」といった部分が強烈なまでにアピールされており、「全身が武器のロボットヒーロー」は当時の子供たちにも受け入れられ、視聴率も前作を上回った。
また本作品の特徴として「敵組織が複数かつ並行して存在している」というものがある。これも特撮作品としては極めて珍しい事例といえる。この「複数の敵組織が並立する」という要素は、後に『轟轟戦隊ボウケンジャー』にて再び使用されているほか、偶然ではあるが同年放送されたロボットアニメ『勇者特急マイトガイン』でも使われている。
ストーリー
人間とロボットの共存が実現するその裏で、高度な科学技術を悪用した犯罪が横行する近未来。警察ですら対抗できないこれらの犯罪組織に立ち向かう謎のロボットがいた。
その言葉と共に彼は現れ、そして去ってゆく。謎多きヒーロー、その名はジャンパーソン。
彼は何処から来て、そしてどこへ行くのか。かくして、今日もまた悪の組織とジャンパーソンとの戦いが幕を開けるのであった。
登場人物
- ジャンパーソン(声:小峰裕一、スーツアクター:横山一敏)
- 本作の主人公で、紫色のボディを持つロボット。ジャンプ力は20mで、走力は100mを6.5秒で走る。
- 強固なボディを持ち全身に多数の武器を内蔵する強力な戦闘ロボットである反面、人の痛みや悲しみを理解し受け止める事が出来る優しさも併せ持つ。
- AIは人間とのコミュニケーションに特化したものであるが、その奥底にはかつてMX-A1だった頃の戦闘AIが抑制されつつも残っている。
- 人間の姿を持たず、名前通りにジャンパーを着ていることも。初期では戦闘時にそのジャンパーを脱ぎ捨て、ゴーグルをはめて戦闘形態(アクションモード)を起動していた。
- 決め台詞は「Janperson, For Justice!」。
- ・MX-A1
- かつて警視庁が開発していた犯罪ロボットの重武装化に対抗するための高火力型戦闘ロボットで、ジャンパーソンの前身。ボディカラーは緑色で、右目にスコープ、背中にはバックパックを搭載している。
- その攻撃性の高さと常軌を逸した勧善懲悪のプログラミング行動のため初回の試験で暴走し、プロジェクトごと闇に葬られた。
- 小森好次郎(演:太田貴彦)
- 初期のレギュラーで、「桜田門のバットマン」を自称する刑事(階級は警部)。カッコつけたがりだがドジな性格で、よくゴミバケツに頭から突っ込んでいた(初期のある意味『お約束』な展開でもある)。ジャンパーソンの存在については否定的な立場を取る。彼を「コウモリ警部」と呼ぶのは禁句(言われると激怒して暴れだし、手がつけられなくなるため)。
- 若林アキ(演:観崎美和)
- 小森警部同様、初期のレギュラーの一人。テレビ局「JBC」の女性記者で、ジャンパーソンの存在については肯定的な立場を取るため、小森警部と衝突が絶えない。
- 三枝かおる(演:川嶋朋子)
- 中盤以降のレギュラーの一人で、若きロボット工学の天才。もとは警視庁で特殊装備開発班のメンバーを務めており、MX-A1の開発プロジェクトにも携わった。プロジェクトが凍結され廃棄されたMX-A1の処遇に嘆き、密かに改修してジャンパーソンへと生まれ変わらせた。その後、警察を退職し国連の仕事に就いていたが、ジャンパーソンの内なる声を調べるため帰国。
- ある意味でジャンパーソンの生みの親といえるため、さまざまな組織から狙われることに。そしてダミーロボットで自らの死を偽装し、ジャンパーソンのサポートにつく。
- ガンギブソン(声:鳥居賞也(現・鳥井林太朗)、スーツアクター:前田浩)
- 中盤から登場した新戦士で、名前の通り銃の名手(早撃ちのスピードは0.05秒)。もともとはネオギルド製の暗殺ロボットだったが、ジャンパーソン抹殺にこだわるあまり組織に逆らうようになり恋人のキャロル(もちろん彼女もロボットである)共々組織から狙われる羽目になる。その中でキャロルを失い、復讐のため組織から離反。別行動の末にジャンパーソンと共闘することに。陽気かつ情に厚く義理堅い性格ではあるが、反面物事を深く考えずに行動してしまうなど甘いところがある。ネオギルドの攻撃により一度は機能停止するが、スペアの記憶チップ(ロボット修理屋のオヤジが持っていた)で復活する。『重甲ビーファイター』の最終回スペシャルにてジャンパーソン共々登場する(声は松本大氏が担当。これは鳥居賞也氏がフランスに留学していたため)。
- アールジーコ(声:石川秀樹)
- 国連のPKO活動を監視するため設計された小型の偵察ロボット。一度ビルゴルディに破壊されるが自力で修理及び改造を行い、ジャンデジックと合体してジャンパーソンの最強武器「ジックキャノン」へと変形する能力を得た。
- 声や精神年齢が子供っぽく、ジャンパーソンを「ジャンパーちゃん」、かおるを「マミー」、ガンギブソンに至っては「がんもどき」呼ばわりしていた。そのせいかガンギブソンとは口ゲンカが絶えないが、仲が悪い訳ではない(むしろ「ケンカする程仲が良い」といった関係に近い)。
敵組織
本作では敵組織が複数存在し、並行して活動している。
ギルド
人間への復讐を目的とする武装ロボットマフィアで、一番最初に登場した組織。しかしその全貌が明らかにされないままジャンパーソンの手によって壊滅した。
ネオギルド
ギルドの後継組織といえる武装ロボットマフィア。構成員はほとんどがロボットだが、人間の科学者も少数在籍している。ガンギブソンも元はネオギルドのメンバーである。配下を送り込むことでロボット刑務所を事実上掌握しており、他にも多数の施設を有する。
- ジョージ真壁(演:高橋和興(現・和興))
- ネオギルドのボスでベン藤波の兄(苗字が違うのは本人曰く「腹違いだから」)。弟と違い、実は生身の人間で、影武者ロボットを仕立てて最強ロボットを装っていた。
- 組織を結成した理由は、弟と同様にかつて自分たち兄弟を世話していた執事ロボット・ボニーが無実の罪で解体処分されてしまった事に対する復讐である。最後は本拠地であるブラボータウンもろとも自爆して果てた。
スーパーサイエンスネットワーク
通称はSS-N。綾小路麗子率いる過激派科学研究団体。ジャンパーソンの捕獲を目的としている。メンバーは麗子に心酔しており、どんな理不尽な命令にも従う。彼らの最終目的は地球環境を再建することである。
- 綾小路麗子/超獣神(演:高畑淳子、スーツアクター:橋本恵子)
- SS-Nのボスで、博士号を持つ科学者。初登場時はメガネをかけ白衣を着た普通の科学者といった風貌だったが、その後顔を白塗りにし奇抜な衣装を身にまとった、いかにも「悪の組織の女幹部」といった風貌に変わった。
- 元は宇宙ステーションで暮らしていたが地球への帰還時に起きた事故で家族を失い、そのトラウマが人間への憎しみに変わっていき、SS-Nを組織した。最後は自らを超獣神へと改造し、全人類を地球環境再生のため肥料化しようとするが、ジャンパーソンによって倒される。
帯刀コンツェルン
世界を表だけでなく裏からも支配しようとする大財閥で、最初は傘下の企業や他の組織を動かして行動していたが、後に帯刀自らが指揮を執るようになる。また、本作で一番最後まで残った組織でもある。
装備
ジャンパーソン
- カード
- ジャンパーソンが登場する際に投げるカード。手裏剣代わりに、また目くらまし用に使ったりする。
- JPカード(名刺代わり)・ウォーニングカード(警告用)・デストロイカード(破壊宣告用)・ギルティカード(殺人兵器の排除通告用)・コンタクトカード(連絡用)のといった種類がある。
- バックレットコントローラー
- 左腕に装着されているコントロールデバイス。各種メカの遠隔操作が可能。
- ビルゴルディにも『バックレットジャマー』として装備されている。
- ジャンデジック
- 光弾を連続発射する専用拳銃。装弾数は最大999発で、出力を調節することも可能。MX-A1時代からの装備でもある。最も使用回数の多い武器だが、その分通用しない相手には苦戦を強いられることも。
- ビルゴルディも同型の銃『ゴールドデジック』を持つ。
- ・ジックキャノン
- アールジーコとジャンデジックが合体した、二連装型の大口径ビーム砲。後半における必殺武器。
- ビルゴルディのゴールドデジックにこの機能が付いているかは不明。
- ワイヤーパンチ
- 右手をロケットパンチ(ワイヤー付き)として飛ばす。攻撃だけでなく移動手段としても使える。
- 外した部分を各種武器に換装可能。
- ニーキックミサイル
- 膝から発射するミサイル。大型のショベルカーをも一撃で吹き飛ばす程の威力を持つ。
- ジャンブレーダー
- ワイヤーパンチを外した後、右手に装着される剣。主に敵ロボットとの格闘戦で用いられる。
- デュアルレーザー
- 左の大腿部に装備されているビーム砲。小型だがロボットを数体まとめて破壊出来るだけの威力がある。
- ジャスティック
- 主に対人戦で使用する、片手持ちの特殊警棒。スタンガンの用に電気ショックを与えることも可能。
- 使用しない時は縮めた状態で左上腕部の中に収まっている。
- ジャンバルカン
- 片手持ちのガトリングガン。一瞬でロボットを跡形もなく粉砕する程の威力を持ち、前半ではこれとジャンデジックの同時発射が主にトドメとして使われていた。
- デザインは『特警ウインスペクター』に登場する「ギガストリーマー」の流用(というより100%使い回し)。
- ブレイクナックル
- ワイヤーパンチの強化版ともいえる装備で、右手を巨大な拳型のアタッチメントに換装し発射する。
- ビルゴルディに使った時は逆に撃ち返された。
- アークファイヤー
- ワイヤーパンチを外した後、入れ替えに装備する火炎放射器。
ちなみにビルゴルディにもジャンブレーダー、アークファイヤー、ジャンバルカン、ブレイクナックルを除いた武器が装備されている。またビルゴルディだけの機能として手甲や胸の部分から光線を発射する機能がある。
ガンギブソン
- GGメダル
- 表に「GG」と刻まれたメダル。主に相手へ投げつけて怯ませる、といった使い方をする。
- ガンボルバー
- ガンギブソンが装備する拳銃。実体弾を発射するが、発射した後銃身についた十字キーで弾丸の軌道を操作できる「ホーミングブリット」という機能を持つ。
- ブローソン
- もう一つ装備する拳銃。毎秒80発のスピードでビーム弾を発射可能。
- スピンドルキャノン
- 元々はジックキャノンのプロトタイプとして作られた大型砲。性能はジックキャノンに劣るものの、破壊力は抜群。
- 発射時の反動が非常に強烈なのが欠点。一度だけ弾丸に複数空いた穴にホーミングブリットを詰めることで大幅に威力を上げる事があったが、一歩間違えば暴発しかねない危険な行為であった。
メカニック
ジャンパーソン
- ダークジェイカー
- ジャンパーソンが乗るスーパーカー。ベース車はシボレー・コルベット(C3型)。最高時速700キロ。
- 運転席が小型の戦闘機「スカイジェイカー」として分離可能で、分離の際に空いたスペースから大型砲「ビッグキャノン」が展開、「ランドジェイカー」として機能する。
- ・マリンジェイカー
- スカイジェイカーの換装ユニット。潜水艇としての機能を持つ。
- ・ドリルジェイカー
- 同じくスカイジェイカーの換装ユニット。こちらはドリルのついた地中潜行艇としての機能を持つ。
- ジェイガリバー
- 中盤にて上記の換装ユニットと同時に導入された大型戦闘機。機体後部に換装ユニットを搭載し空輸する。
- またダークジェイカーを丸ごと空輸する事も可能で、この形態は「グランドジェイカー」と呼ばれる。
ガンギブソン
関連動画
公式配信
無料視聴期間は72時間(2013年3月4日15時まで)。TVシリーズも同様。
その他
関連商品
関連チャンネル
関連コミュニティ
関連項目
- 特撮
- 特撮作品一覧
- メタルヒーローシリーズ
- 重甲ビーファイター(最終回スペシャルでゲスト参加)
- 機動刑事ジバン(よく比較対象として語られる)
- ロボット刑事(オマージュ元といわれる)
- ロボコップ(デザインや挙動に類似点が多い)
- 東映特撮ニコニコおふぃしゃる
メタルヒーローシリーズ | ||
前作 | 今作 | 次作 |
特捜エクシードラフト | 特捜ロボジャンパーソン | ブルースワット |
- 8
- 0pt