状態異常とは、主にゲーム等でキャラクターが正常な状態でなく、何らかの障害を受けている状態、もしくはその名称・効果の事を指す。「ステータス異常」「バッドステータス」とも呼ばれる。
概要
ゲームなどにおいて、戦闘中にHPやMPの上昇・下降の他に、相手からの攻撃によって何らかの特殊な状態になることがあり、これによって様々な影響を受けることになる。これが状態異常である。
その効果は様々であるが不利な状態になる物が多く、幾つかのパターンがある。
代表的なステータス異常に「毒」「麻痺」「眠り」「混乱」などがあり、実際の効果は作品によって異なるものの、「眠ってしまうと行動ができない」といったように大まかな傾向は共通している。
代表的なものとしては
- HPが徐々に減少する…毒、火傷、出血
- 行動が確率で不発になることがある…しびれ、麻痺(一部ゲーム)
- 取れる行動が制限される…沈黙(魔法封印)、物忘れ(スキル・アビリティ封印)、部位縛り(対応する部位を用いた技の封印)
- 一部のステータスが激減する…衰弱、暗闇、スロウ、変化(小人化や蛙化など)
- 自然治癒もしくは治療するまでは全く行動できなくなる…睡眠、凍結、気絶
- 自然治癒しないうえに治療するまでは全く行動できなくなる。全員こうなると全滅扱い…麻痺、石化
- コマンド選択を受け付けず行動する、こちらに不利な行動を取る場合もある…バーサク、混乱、魅了
- そのターン取ろうとした行動がキャンセルされる・・・ひるみ、スタン
などがある。
このような状態異常を引き起こす技は確率で判定されることが多く、相手の耐性次第では入りにくかったり全く入らなかったりと、プレイヤーの知識に依存する部分が大きい。しかし、その代わりに入った時の効果が高いことが多く、使いこなせればテクニカルに戦える。特に「レベルを上げてゴリ押し」が一切行えない低レベルクリアのやり込みプレイの際には、状態異常に関する知識は必要不可欠のものとなる。
また、確率で敵を残HPに関係なく一発で倒す(ただし、成功しなければ何も起こらない)「即死」効果のある技も状態異常技として扱われることが多い。
殆どのゲームでは、アイテムや回復魔法など状態異常を回復させる手段が用意されているが、重度の状態異常になるほど治療に高価・貴重な回復アイテムや高位回復魔法を要するといった形で必要コストが高いことが多い。
また、ステータス異常は戦闘終了時に治るものと戦闘後も継続し治らないものがある。
これらの状態異常を与える技・もしくは効果の事は「弱体」もしくは「デバフ」と呼ばれている。
後者はMMORPG『EverQuest』が発祥の言葉で、近年では国産オフラインRPGでもゲーム内で使用するケースが増えてきたため徐々に浸透しつつある。
ステータスの中にはプロテスやリジェネといった強化効果もあるが、プレイヤーの多くは「強化」もしくは「バフ(前述のデバフの対義語。語源は同じくEverQuest)」と呼ぶことが多い。なお、書籍『アルティマニア』シリーズでは、プロテスやリジェネといった強化効果を「有利ステータス異常」と呼称しているが、全くと言っていいほど浸透していない。
効果深度
例えばAという技が対象にスロウ20%、Bがスロウ30%を付与するとする。どちらか一方のみがかかっている場合は特に問題は生じないが、重ね掛けした際にはゲームの仕様によって効果が変わってくる。重ね掛けが有効ならば積極的に重ねていくべきだし、逆に後からかけた方のみ有効というルールの場合はかける順番を考え、スロウ効果の低い技で上書きして遅延効果を減衰させないようにしなければならない。
このように、同じ状態異常でも技や仕掛けてくる敵によって効果度合いが変化するRPGでは、その度合いを表す時に「効果深度」という言葉が用いられる。
システム側で行っているハメ殺し対策
難易度で耐性・効果を変化させる
『Diablo』シリーズなどでよく見られる手法。
例えば『Diablo2』では「ノーマル<ナイトメア<ヘル」の3段階の難易度設定が可能なのだが、上位の難易度になるほど耐性が上昇したり(物理に強固な耐性を持つ敵が難易度ヘルだと物理無効に強化されたりする)、HP/MANA吸収効果にかかるペナルティがきつくなったり、AIcurse(混乱や魅了など思考パターンに影響を与えるデバフ)の効果時間が短くなっていく、といった形で敵を手ごわくしている。
累積耐性
2000年代初頭以降、いくつかの作品で採用されているシステム。
簡単に言うと、「状態異常を入れれば入れるほど免疫のように徐々に耐性が付いていく」というもの。
狩りゲーにおける累積耐性
『モンスターハンター』に代表される「狩りゲー」の状態異常は、武器ごとに設定されている「状態異常蓄積値」が敵毎に設定された「耐性値」に達するまで攻撃を加え続けることでようやく発動する。 そして、状態異常が発動した際にその状態異常に対する耐性値が上昇するので、次に発動させるには前回よりも多くの攻撃を加えなければならない。こうすることで短時間のうちに連続して発動させることを困難にしている。
中でも睡眠や麻痺、目くらましといった「短時間ではあるが完全に行動不能になる」状態異常に関しては厳しくなっており、耐性値の上昇度が高く設定されていたり、手数の多い武器種の状態異常蓄積値が低めになっていたりとシビアに調整されている。また、作品によっては状態異常を発動させられる回数に上限が設定されているものもある(『GODEATER』のホールド5回制限など)。
余談だが、恐らくこのシステムの原型は格闘ゲームの「ピヨリ(気絶)値」であると思われる。
初代モンハンのプロデューサーの船水氏は、90年代に数多くの格闘ゲームのディレクションを担当したため格ゲーに精通しており、同様のシステムをモンハンに導入したのではないかと推測できる。
RPGにおける累積耐性
こちらは状態異常が入ると耐性が付いて『付与成功率』が落ちてゆき(『効果そのもの』は落ちないことが多い)、最終的には全くと言っていいほど入らなくなるというシステム。『FF11』『FF14新生エオルゼア』『世界樹の迷宮(3以降)』などで導入されている。
例えば相手を先制できるキャラにスタン(そのターン行動不能になる)技を使わせ続ければ完封できてしまうのだが、累積スタン耐性のある敵はいずれスタンが入らなくなるためこの戦法が通じない。
幸いにしてそういうゲームでは強力な技の発動前に前兆があったり、使用するターンが設定されていたりするので、特に強力な技に対象を絞ってスタン技を行って累積スタン耐性の上昇を抑えれば、何も考えずにスタン技を連発するよりも被害を抑えられる。
とはいえ、前述の作品群では止めるべき技が1発でパーティーを半壊せしめるほど強力であり、ハメ殺しが困難な仕様上原則的に長期戦が不利となっている。ゆえになるべく早く決着を付けなければならない。
他に挙げられる累積耐性への対抗策としては、「何らかの手段で累積耐性をリセットする」「次に使う魔法・スキルの状態異常付与成功率を大きく上昇させる(完全耐性でない限りほぼ成功する)スキルと併用する」といったものがある。ただし、それらのスキルは莫大なMPを消費したり、クールタイム(再使用可能待ち時間)が長く設定されているなどコストが非常に重く設定されているので、「ここ一番!」のタイミングで使わなければならない。
完全耐性
「あらゆる手段を尽くしても、絶対にその状態異常にさせられない完璧な耐性」を指してこう呼ぶ。
「無効」と呼ばれることも多いが、後年のRPGでは「耐性が100%以上に設定されているが、スキルなどで耐性を99%以下に引き下げることで成功するようになる」といった仕様の作品も多いため、厳密に区別する際にこちらの語句を用いる。
なお、作品によっては、確率で無効化した場合と完全耐性で無効化した場合とで表示されるメッセージが異なっている物もある(『ワイルドアームズ』シリーズ(4th以降)、『ラグランジュポイント』等)ので、いつもと違ったメッセージを見た場合は覚えておくと戦闘を有利に運べるだろう。
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関連項目
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