狂戦士の魂(バーサーカー・ソウル)とは、アニメ「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」162話に登場した速攻魔法である。
概要
「手札を全て捨て、効果発動。このカードはモンスターカード以外のカードが出るまで何枚でもドローし、墓地に捨てるカード。そしてその数だけ、攻撃力1500以下のモンスターは追加攻撃ができる。」
遊戯の怒りを買ったインセクター羽蛾はこのカードの効果により、ライフポイントが0になった後も遊戯が杏子に制止されるまで攻撃をされていた。
…片方のプレイヤーのライフがゼロになっても動作を続けるとは…デュエルディスクも空気を読んだようである。
このとき使用されたBGM「クリティウスの牙」もニコニコ内では有名である。
カード名としては「狂戦士の魂」表記だが、ニコニコでは「バーサーカーソウル」表記のほうが優勢。
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ついでの知識
アニメの補足
ドーマ編で濫造されたとんでもない効果のカードの1枚。
アニメテキストの全文は読めないため断言はできないが、OCG風に書けば以下のようになろうか。
速攻魔法
手札を全て捨て、攻撃力1500以下のモンスター1体を指定して発動する。
モンスターカード以外のカードが出るまで、自分のデッキの上からカードをめくり墓地に送る。
指定したモンスターの攻撃回数は、この効果で墓地に送ったモンスターカードの枚数だけ増える。
上記162話においてカード効果の説明をそのままに受け取ると、「モンスターカード以外が出るまでドローをした後にその数だけ追加攻撃できる」ということになるが、作中では「モンスターカードをドローするたびに追加攻撃」をしている。おそらく演出上の問題であろう。
ちなみに、「狂戦士の魂」と同時に使用されたモンスター「魔導戦士 ブレイカー」はカードとして実在している。
「魔導戦士 ブレイカー」はその便利さにより、現実世界の公式戦では禁止カードになっていたこともある。
(2008年9月1日に1枚制限、2009年9月1日で無制限まで緩和される。)
魔導戦士 ブレイカーの攻撃力は1600で、さらに効果で1900まで上昇する。羽蛾が「むしばみ」(フィールド上のモンスターの攻撃力を100下げる)を使ったことで,皮肉にもバーサーカーソウルの発動を可能にしてしまった。
そしてゲームに
PSP用ソフト「タッグフォース3」では、ゲーム内のオリジナルカードとしてまさかの収録。
遊戯王GXを題材としているはずのこのゲームに、なぜ今さらバサカが?と、色々と波紋を呼んだ。
タッグフォース、タッグフォース2との連動特典として入手可能。
禁止カードに設定されているため、ゲームをある程度進めないとデッキに入れることができない。
カードテキストは以下の通り。
速攻魔法
自分のバトルフェイズ時に自分フィールド上に存在するこのターン直接攻撃を行った攻撃力1500以下のモンスター1体を選択し、手札を全て捨てて発動する。
自分のデッキからカードを1枚ドローして、お互いに確認しモンスターカードだった場合、そのカードを墓地へ送り相手ライフに選択したモンスターの攻撃力分のダメージを与える。
モンスター以外のカードをドローするまでこの効果を繰り返す。
発動条件が直接攻撃限定と指定され、さらに、「追加攻撃」ではなく「効果ダメージ」を与えるようになっている。
アニメのように8枚連続でモンスターカードを引くのは稀であろうし、手札全部というコストと発動条件の微妙な厳しさもあり、かなりの玄人向けカードであるといえる。
カードテキストに「相手のライフが0になった場合、処理を中断する。」といったことが書かれていないため、たとえ相手のライフが尽きても、モンスターカード以外をドローするまでカード効果の処理は続く(一つのカードの効果処理中に勝敗は確定しないということは、現実のOCGでは「天使の施し」と「封印されしエクゾディア」で説明できる)。
すなわち、アニメのようなオーバーキルも可能……というか、ルール上しなければならないのである。
一見非道に見えた遊戯の行為も、実はルールに忠実なプレイをしていただけだったんですね!
ちなみに、オーバーキル中にデッキが尽きてドローできなくなった場合は、両者が同時に敗北条件を満たすことになるため、そのデュエルは引き分けとなる。
もし杏子が遊戯を止めなかったら、羽蛾は負けていなかったかもしれない……。
それどころか、アニメの遊戯の説明をそのままに受け取るとドローの処理を終えてから攻撃することになるので、もしアニメの遊戯がドローし続けてデッキが尽きた場合、オーバーキル以前に羽蛾のライフが0にならない。
OCG化
元々ドーマ編はOCG化に恵まれない章であり、このカードも長らくOCG化されてこなかったが、「コレクターズパック-伝説の決闘者編-」(2014年5月17日発売)で、ほかの大量のドーマ編関連のカードとともにOCG化。
OCG化には11年ほどを要した。
「狂戦士の魂」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドのモンスターが直接攻撃で
相手に1500以下のダメージを与えた時、手札を全て捨てて発動できる。
自分のデッキの一番上のカードをめくり、
それがモンスターだった場合、そのモンスターを墓地へ送り、相手に500ダメージを与える。
その後、モンスター以外がめくられるまでこの効果を(最大で7回)繰り返す。
めくったカードがモンスター以外だった場合、そのカードをデッキの一番上に戻す。
効果ダメージを与えるという点ではTF版の特徴を引き継いでいるが、固定数値を指定するようになっている。連続攻撃っぽさが薄れてしまったのが少々残念か。
さらに、めくる回数が最大8回に限定された。8回連続でできる状況すら普通は珍しいのでそう気にはならないが、弱体化といえば弱体化。この8回はちょうど遊戯が連続攻撃した回数と一致する。
最大4000というとんでもないダメージを与えられるが、普通のデッキではそこまでモンスターが固まっていることはまれなので、使用するならばモンスターの量を増やしたデッキになる。【フルモンスター】(デッキのカードをモンスターだけで構築するデッキ)にこのカードを入れるにしても、2枚以上採用すると2枚目のこのカードが邪魔になる恐れがあり、かと言って1枚しか入れないとなかなか手札に来ないというジレンマ。
4000のダメージは決して軽くないが、OCGの初期ライフは8000なので、相手のライフ次第では8回成功させてもライフを削りきれないことがある。そうなると、自分の手札が残っていないため苦しい戦いを強いられる。使いどころが大事だろう。
少なくとも、容易に扱えるカードではない事だけは確かで、玄人向けといえる。
もしそんなデッキ構築の困難さを乗り越えて、あるいはとんでもない運命力で(ないしイカサマで)8回連続モンスターカードを成功させた猛者がいたならば、ぜひこう言って止めてあげよう。
「もうやめて!(プレイヤー)!とっくに(相手)のライフは0よ!もう勝負はついたのよ!」
え、ライフがまだ残っている?知らん、そんなことは俺の管轄外だ。
実戦で使うならば、適任なデッキは【森羅】だろう。
カテゴリの性質からモンスター比率が高めになりやすく、またデッキトップ操作を主軸としたテーマでもあるので、ダメージ回数を意図的に増やしやすい。
さらに「めくって墓地に送る」ことで効果を発動するカテゴリなので、このカードの発動で消費したアドをカバー可能。最も実戦的にこのカードを使えるデッキと言える。
なお、海外TCGの公式ブログでも森羅とのコンボを推奨している。
連続ダメージの途中で相手のライフポイントが0になった場合、その時点で処理を終了する。そのため、アニメのようにライフポイント0の相手にダメージを与え続けることはできない。
しかし、海外のTCGでは裁定が異なり、ライフが0になっても最大8回を終えるかモンスター以外をめくるまで処理を続けるとされている。
もっとも、「ドロー」ではなく「めくる」なので、仮に処理の途中でデッキがなくなっても、めくるカードがないということで処理を終了するだけでその場で負けとはならず、相手のライフが0になったのならば処理を続けようが続けまいが勝敗に影響はない。
関連項目
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