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猗窩座(あかざ)とは、『週刊少年ジャンプ』で連載されていた漫画『鬼滅の刃』の登場人物である。
概要
鬼の首魁・鬼舞辻無惨の直属の配下である「十二鬼月・上弦の鬼」に属する鬼。階級は「上弦の参」。いわゆる「敵組織の幹部」である。
上弦の鬼の中で最初に登場し、主人公の竈門炭治郎ら、そして読者らに上弦の鬼の強さを印象付ける役割を担う。また、章を跨いで主人公らとの再戦が用意されている唯一の敵で、無惨を除けば主人公にとって唯一の「因縁の敵」と言える立ち位置のキャラクターでもある。
名前のイントネーションは「越後」と同じ。名前の漢字表記が難しいためか、読者からはカタカナで表記されることが多い。また、作中での呼ばれ方から「アカザ殿」、原作第155話の副題から「狛犬」などと呼ばれることもある。
キャラクター設定
外見・性格
身長173cm、体重74kg。頭髪は短く、武僧のような質素な衣服に身を包み、入れ墨のような直線の文様が全身に走っている。眼球は常にひび割れたように血走り、瞳は金色に輝く。カラー絵では赤い頭髪と青白い肌のコントラストが目を引く配色となっている。
自身が強者と認める相手との戦闘を好み、逆に弱者と見なした者へは異様なまでの嫌悪感を示す。「至高の領域」を追い求めて自身に無限の鍛錬を課し、それ故に強者と認めた人間には鬼になることを勧め、自身と永遠に戦い続ける事を望む。いわゆる戦闘狂と取れるようなキャラクター造形がなされている。
強者と認めた人間に対して非常に好意的で、戦闘中も常に相手の技を称賛し、笑みすら浮かべながら戦う。一方で自身より上に座する上弦の壱や弐には敵愾心を剥き出しにしており、無惨に対しても「命令を下す者」との認識のみで敬意などは全く無い。ただ、それらの点が「高い向上心を持つ」「命令に忠実」と言った美点として見られ、上位の鬼からの評価は高い模様。
戦闘能力
素手の武術を修めており、拳打や手刀、蹴りなどの打撃による肉弾戦を得意とする。身体能力が極めて高く、拳を握り固めるだけで最高位の剣士である柱の斬撃とも打ち合う程の硬さを持ち、一撃一撃が必殺の域にある。中でも「鈴割り」という、振り下ろされる刀を素手で側面から叩き折る技を最も得意とする。
肉体の再生速度も異常であり、切断された部位が一瞬で元通りになる。つまり「肉体の一部を欠損させて動きを阻害し、隙を作る」と言った戦法が通用せず、鬼の弱点である首を切断する以外のダメージを与えることにほとんど意味がない。また、後述する血鬼術・破壊殺は近接格闘において有利に働く。
剣術での接近戦が成立する分、他の鬼に比べ理不尽さの少ない地味な技とも取れるが、それを基本的な能力の高さが難攻不落の鉄壁へと押し上げている。戦闘中に相手を称賛するのも、裏を返せばそうするだけの余裕があるということで、強者と認めた相手にも本気を出すことは滅多に無い。
血鬼術・破壊殺(はかいさつ)
「闘気」と呼ばれる、人間が持つ闘う意思のようなものを感じ取ることで、相手の攻撃の隙などを的確に見抜き、極めて正確な攻防を可能とする。この技は「破壊殺・羅針(らしん)」と呼ばれ、自身を中心に雪の結晶のような文様を展開することで闘気を感じ取る。羅針を展開せずとも視覚的に闘気を捉えることは可能なようだが、羅針を展開すれば視界外の闘気も感知できる。
また、「破壊殺・空式(くうしき)」「破壊殺・脚式 冠先割(きゃくしき かむろさきわり)」など、破壊殺の名を冠する打撃技を複数持ち、これらには羅針と同色の衝撃波(のようなもの)が伴う。これは剣士たちの技に伴って現れる水や炎とは異なり、物理的な破壊力を備える。また、単純に攻撃の威力を増すだけでなく、手足の届かない位置に衝撃波を飛ばす間接攻撃としても機能する。
以上の能力から、猗窩座に対して「隠れる・距離を取るなどして日の出までの時間を稼ぐ」戦法は一方的に感知・攻撃されるだけの悪手となり、剣士たちは猗窩座の得意な接近戦を挑まざるを得なくなる。
背景
- 物語の核心を含みます。
鬼滅の刃の鬼は悲しい過去を持っている事が少なくないが、猗窩座の過去は鬼滅の過去の中でも一際、悲惨かつ壮絶の一言。あまりの酷さに当時ネタキャラとしても親しまれていた猗窩座が、過去エピソードが語られて以降の一時期、ネタ方面で語られることが一切なくなった程である。
人間の頃の名は狛治(はくじ)。彼は婚約者の恋雪(こゆき)と、武術の師である恋雪の父・慶蔵を毒殺され、その敵討ちを終えた所で無惨と遭遇し鬼にされた。また、かつては病弱な父に薬を買い与えるために窃盗を繰り返し、それを負い目に思った父が自害したという過去も持つ。
ただ一人の家族である父を失って絶望し、恋雪と慶造に救われ、ようやく真っ当な人生を歩めるかと思った矢先にまた全てを失う、隙を生じぬ二段構え。愛する者は既に亡く、憎き仇も葬り去り、生きる意味が何一つなくなった時に鬼になった彼は、人間だった頃の記憶も失い、大切な人を守るためという強さを求める理由も忘れ、ただただ無意味な殺戮を繰り返すのみの哀しき存在である。
なお、彼が鬼と化す過去の回想が描かれる原作第155話の副題は「役立たずの狛犬」。守るべき者を守れなかった狛治を揶揄するかのようなタイトルである。ちなみに、猗窩座の「猗」には「去勢された犬」という意味があるらしい。救いはないんですか!?
退場後には「女性は決して食べなかったし殺さなかった」という事実が明かされた。また、単行本のオマケページでは
- 構えや技…慶蔵から学んだ「素流(そりゅう)」と呼ばれる武術のもの
- 技の名前…恋雪と一緒に見た花火に由来する
- 羅針の形…恋雪の髪飾り
- 体の文様…窃盗の罰として彫られた罪人の入れ墨と鬼の文様が混ざって広がったもの
と、これらが人間の頃のエピソードに由来する事が明かされた。人間の頃の記憶を一切なくしていながら、その体や行動には人間の頃の思い出がこれでもかという程反映されており、何とも切なく、読者の感情を打つキャラクターである。
余談
初登場した無限列車編エピローグにて、鬼舞辻無惨の手によって竈門炭治郎を殺せなかったことに対してパワハラを受けており、上弦ですらパワハラを受けるのか……と読者に印象付けた。また、参という中間の立ち位置から中間管理職キャラとしてネタにされることも多かった。
公式も節分の日には鬼のお面として猗窩座の顔を配ったのもネタキャラとしての立ち位置を加速させた。
しかし、前述の理由でもうそんな声は一切聞かなくなってしまった。読者がネタにする以上に酷いことを作者がした為、誰もネタに出来なくなってしまったのである。
一度ネタにされたら、ミーム汚染でずっとネタにされ続けることが多いインターネットでは珍しい例といえる。
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関連項目
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