猛暑とは、もうしょうがない暑さのことである。
…失礼しました
概要
猛烈な暑さと書いて猛暑。かれこれ数年の暑さと比べても暑く熱中症などに気を遣うような暑さのことで、一般的に日本国内で35度以上の日を指す、特に湿度が高くなると熱中症になる率が高くなるため、多少の塩分の入った水をとることが必須となる。なお、非常に暑い夏の熟語で猛暑のほか、大暑、厳暑、酷暑、炎暑、極暑、激暑などがあるが、それぞれの度合いに序列はない。ただ、ここ数年の傾向では酷暑という表現が多く、日本気象協会(tenki.jp)が酷暑日と定義しているほか、気象庁やNHKなども40度以上のことを酷暑日と呼んだりしている。
猛暑日
猛暑日という言葉は数年前まで気象用語ではなく単に報道表現であったが、世界各地の気象条件やヒートアイランド現象などにより各地の気象台では真夏の気温が35度を超えることが多くなった。それまでこの暑さは真夏日(30度以上)と表現されていたが、あまりにも35度を超す日付が多く発生したため新聞などはこの「猛烈な暑さ」を「猛暑」と表現して掲載していた、しかしこの用語はそれまで「表現」であり気象庁が定める「気象用語」ではなかった。
2007年4月に気象庁が近年の気象事例などから用語などを11年ぶりに改正し、それまでのニュースなどにより一般的にも聞き慣れていた「猛暑」という表現を用いて、「35度以上の気温を記録した日」を「猛暑日」と定義した。ほかの気象用語では、夏日(25度)、真夏日(30度)がある。
また、2009年より従来の10分データから10秒更新データを採用するようになり、その間に一度でも最高気温が観測されたらそれは採用となる。つまり、1978年や1994年、2007年の猛暑を今の基準に当てはめると、もっと記録的なことになっていた可能性があるわけである。
猛暑がいわれ始めた頃は、冒頭の文のように「猛暑ばっかりでもうしょうがないな~」といった親父ギャグで周りを寒くするネタがはやるものの、後に連発され単にうざったいだけのため余計に暑くなるとといった逆効果がある
…え?真面目な解説はいいから、ニコニコ大百科らしくさっさとダジャレを言えって?
じゃぁ…
涼しくなりました?…あ、やっぱりならない?大変、失礼しました
歴代の”もうしょ”うがない日
ちなみに気象庁は37℃以上をスーパー猛暑と呼んでいるらしいが、「37℃って実は涼しいんじゃね?」と錯乱しそうな日々の記録である。しかし、他の災害と違って、いつまでも爪痕が残らないので、「喉元すぎれば熱さ忘れる」との諺通り、あまり記憶にとどめていない人も多かったりする。
- 1978年8月3日(主に東北日本海側・道東)
フェーン現象の悪戯。1970年代で唯一、40℃を超えた記録が山形県酒田市であり、この日に40.1℃を記録した。それだけでなく、鶴岡市で39.9℃、秋田県能代市(秋田の最北端)で39.1℃という北東北歴代最高気温を観測(なお、能代市の平均最高気温は32℃ぐらい)、毎年真夏でも平均31℃ぐらいの秋田市でさえ38.2℃、夏でも比較的涼しいことで知られる青森県深浦町で青森県始まって以来の37.9℃、そして北海道まで影響が及び滝上町で37.7℃などを記録した。残念なのは(?)中条など一部の観測所の値が無効化していることである。 - 1990年7月19日
山梨県大月で39.9℃、館林で39.7℃、秩父で39℃などこの年随一のスーパー猛暑。
1994年
- 1994年7月16日
1994年も記録的な猛暑として知られている。佐賀市で39.6℃という当時の九州歴代最高気温を更新。また、熊本市でも38.8℃、福岡県黒木でも39.2℃を記録した。 - 1994年8月4日
当時、日本第2位の40.6℃を静岡県天竜市(当時)で記録。また、甲府市で39.8℃を記録し、関東の人にとって「甲府は暑さの次元が違う」という新常識を与えていくことになる。 - 1994年8月5日(主に中京地方)
中京圏で初めて40℃超え。愛知県八開村(当時)で40.3℃を記録。名古屋市でも39.8℃の記録的猛暑となる。そして普段はそこまで猛暑にならないはずの三重県津市で39.5℃、鳥羽市で38.0℃などダイオウグソクムシもびっくりの記録的猛暑となっている。 - 1994年8月7日(九州以外)
おそらく、日本で最も猛暑エリアの範囲が広かった日かも知れない。北は北海道から南は四国まで37℃以上の猛暑観測地点続出。北海道では夏の観測史上タイである37.7℃を津別町で、網走で37.6℃を観測。また、札幌市で観測した36.2℃はずっと破られていない。また、岡山市でも39.3℃という常識外れの暑さとなった。ちなみにこの日を、今の観測基準に当てはめた場合、猛暑日の観測箇所は330という、2025年7月29日も上回る桁外れの値である。 - 1994年8月8日(主に近畿地方)
京阪神地方が灼熱地獄と化した日。和歌山県かつらぎ町で40.6℃という、当時日本第2位の観測記録を立ち上げ、今も近畿地方で40℃を突破したのは唯一である。それだけでなく、大阪府観測史上記録の39.9℃を豊中市で、39.6℃を枚方市で、京都市でタイ記録の39.8℃(しかも4日連続39℃以上)、奈良市で39.3℃、暑いと言われつつも39℃を超えることはまずない大阪市で39.1℃、更にもっと涼しいはずの神戸市で38.8℃という観測史上最高記録をマークした(京阪神三都の平均気温39.2℃はダントツ1位である)。そしてこんな日でも甲子園の試合が普通に行われた。
- 1997年7月5日(主に関東内陸部)
埼玉県越谷市で40.2℃と観測史上初めて関東地方で40℃以上がマークされた日であり、熊谷市と鳩山町、群馬県館林市で39.9℃、宇都宮市で38.7℃、水戸市で38.4℃など色々狂った記録が誕生した。 - 1998年7月4日
群馬県榛名町上里見(当時)で40.3℃をマークし、群馬で初めて40℃を突破した。 - 2000年9月2日
熊谷市で39.7℃を記録し、館林市で39.3℃、多治見市、愛知県東海市などで38℃以上など、史上最も暑い9月の一日であった。 - 2001年7月24日
静岡に佐久間と天竜ありと言わしめ、佐久間で40.2℃、天竜で39.9℃を記録し、前橋市でも40.0℃を記録した。それだけでなく、あの沖縄県那覇市ですら35.6℃という猛暑日になった日である。 - 2004年7月20日(主に南関東)
南関東が最も燃え上がった日といわれている。甲府市で40.4℃、千葉県市原市牛久で千葉県初の40.2℃、そして皇居近くにある東京観測地(練馬ではない)ですら39.5℃を観測している。なお、この暑さを確かめるべく、非公式に観測所のない足立区で測ったら42℃を超えてしまったといわれ、「足立は練馬より暑い」がまことしやかに囁かれるようになった。 - 2007年8月16日
2007年も記録的猛暑で知られる年であるが、中でもこの日は記念すべき、埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市が仲良く40.9℃を記録し、それまでの山形市の40.8℃を塗り替えた日である。ほかにも埼玉県越谷市で40.4℃と40.2℃の記録すら塗り替えてしまい、1日での40度以上観測地点5カ所は日本記録(あとは館林と美濃)。更にこの日の天気予報による熊谷市の予想最高気温40℃という、前代未聞の珍事があった。そして、この件で熊谷と多治見の知名度が上がったため、猛暑は観光資源という錯覚が産まれていった…。 - 2010年9月4日(主に中京地方)
史上初、9月なのに猛暑日観測地点が200を超えてしまったという季節外れのスーパー猛暑。郡上市八幡の39.1℃は岐阜県における9月の最高気温である。なお、その日の38℃超えには多治見、金山、美濃、揖斐川、京都、名古屋、桑名、日田といった常連が顔を連ねている。 - 2011年6月24日(主に関東内陸部)
6月の歴代最高気温を軒並み塗り替えてしまった、季節外れのスーパー猛暑。埼玉県熊谷市で39.8℃を記録し、とうとうこの時点では6月~9月までの歴代最高気温をマークしてしまった、まさに極値の鬼である(なお後に6月・7月・8月・9月はすべて他に奪われる)。また、群馬県館林で39.3℃、八王子で39.2℃、伊勢崎で39.0℃など6月でこれだと夏どうなるんだ…って不安を存分に煽る出来事となった。
2013年
- 2013年8月10日(太平洋側全般)
2013年も記録的猛暑で知られるが、中でも8月10~12日の暑さは異常であり、甲府市と高知県江川崎で40.7℃、勝沼で40.5℃を記録。そして当時歴代2位の294箇所で猛暑日という凄まじい日である。範囲も非常に広く、宮崎県西米良村で同県観測史上最高の39.2℃、埼玉県鳩山町で39.8℃などを記録した。 - 2013年8月11日(太平洋側全般)
当時歴代史上最多の、296箇所で猛暑日になったという記念すべきもうどうしょうもない日である。この日も甲府市で40.6℃、千葉県茂原市で39.9℃、浜松市で39.8℃、和歌山県田辺市(栗栖川)、高知県四万十市中村で39.3℃、千葉市、和歌山市、高松市など観測史上初めて38.5度を超える都市が続出し、日本で最も太平洋側が暑くなった日であった。 - 2013年8月12日
翌日には高知県四万十市(江川崎)で41.0℃を観測し、そして史上空前の4日連続40℃以上という狂った記録を生み出してしまった(観測地の計測がおかしい?聞こえませんなあ)。また、奈良県の十津川村(風屋)で県内記録の39.4℃。また、東南アジア人観光客による「避暑に来たつもりが日本の方が暑かった」という発言が知られるようになる。
- 2014年7月26日
特に、西日本では比較的涼しかった2014年で例外中の例外といえるスーパー猛暑日で、231地点で猛暑日となった。 - 2015年8月5日(主に北関東・東北陸奥方面)
群馬県館林市の39.8℃はともかく、福島県伊達市(梁川)で39.7℃という東北陸奥地方の最高気温を観測(当時)。福島市で38.9℃、岩手県釜石市で38.6℃など色々とおかしなことになってしまった。実はこの日は十勝の池田町でも37.1℃を記録している。
2018年
- 2018年7月18日
岐阜県多治見市で40.7℃という、江川崎以来、久々の40℃超え。だが、これが史上最強と謳われる猛暑の序章に過ぎなかった。なお、この日は岐阜の7地点で39℃以上となり、「岐阜はインド(と同じぐらい暑い)」という言葉が中京地方で囁かれるようになった。 - 2018年7月19日(主に西日本)
京都市でタイ記録の39.8℃を観測。大阪市も久々に38.0℃となった。また、熊本県も全般的に38℃以上のスーパー猛暑となった。 - 2018年7月23日(主に関東・中京)
気象庁によって災害級猛暑というパワーワードが産まれた日。熊谷市で41.1℃と当時国内最高気温を樹立してしまい、市と市民は「暑さ対策日本一の町宣言」してただけに、非常に複雑な心境だったらしい。それだけでなく、東京都青梅市でも40.8℃、40℃以上の常連である甲府市で40.3℃、ほかに埼玉県6箇所で39℃以上、東京都内3箇所で39℃以上、群馬県4箇所で39℃以上、愛知県4箇所で39℃以上、岐阜県2箇所という、全国29箇所で39℃以上という常識を超えた超スーパー猛暑となった。 - 2018年8月3日(主に中京)
暑いと言われていた名古屋市で遂に40.3℃の限界突破をしてしまった日。それだけでなく、三重県桑名市でも39.8℃という当時の県内最高気温を樹立するなど暑さに慣れていたはずの名古屋人すら「命の危険を感じた」ほどだったらしい。 - 2018年8月5日(東北以南)
40℃こそ超えなかったが、名古屋市で39.9℃、岐阜県郡上市八幡で39.7℃、京都市で39.5℃など全国の11地点で39度を超え、猛暑日もシーズン最多の全国256地点で観測した。 - 2018年8月6日(主に中部地方)
岐阜県下呂市金山で41.0℃を観測し、当時全国歴代2位タイとなり、岐阜インド説が更に広まる。その陰で多治見市が今年4度目の40度超えとなり、もはや誰と争っているのかというレベルの猛暑都市として認識されるようになる。
- 2018年8月8日(主に中京地方)
今度は岐阜県美濃市で41.0℃となったが、もはや「岐阜だから」とあまり驚かなくなってしまった。そして美濃市も多治見と並び4度目の40℃突破となった。 - 2018年8月13日(主に北九州)
猛暑回数日本一ながらなかなか記録的な数値を出せていなかった大分県日田市で39.9℃と貫禄を見せてしまった日。それだけでなく福岡県久留米市で39.5℃の県内最高記録、佐賀県嬉野市で39.1℃など北九州地方が燃え上がってしまった。 - 2018年8月23日(主に本州日本海側)
フェーン現象の悪戯。新潟県の3箇所で40℃以上、胎内市中条で40.8℃という凄まじい記録を出してしまった。なお、非公式だが新潟市の某地点の気温計が45℃を指していたのが話題になった。
- 2019年5月26日(北海道)
ジェット気流の蛇行という現象により、北海道が灼熱の大地と化した日。佐呂間町の39.5℃は、それまでの北海道での最高気温はおろか、全国の5月の最高気温記録さえ大幅に更新してしまった。更に、気象庁の5月の歴代最高気温ランキングのうち、19位の秩父市以外を全部北海道で塗り替えてしまっている。 - 2019年8月15日(主に北陸・奥羽)
フェーン現象の悪戯。昨年に引き続き新潟県胎内市で40.7℃を観測し、2年連続で40℃を超えた初めての観測地点となった。それだけでなく新潟県の寺泊で40.6℃、三条市で40.0℃、山形県の鶴岡市(鼠ケ関)で40.4℃、石川県志賀町で40.1℃という異常な高温となった。なお、この日に38.1℃を記録した秋田県にかほ市は、翌日の早朝午前6時15分に36.5℃というその日の国内最高気温を樹立してしまった。 - 2020年8月11日(主に関東内陸部)
フェーン現象+太平洋高気圧という熱の暴走。群馬県の伊勢崎市と桐生市で40.5℃、埼玉県の鳩山町で40.2℃を記録したほか、ズルをやめた館林市で39.9℃を記録(旧観測所だと何度になったのだろう…)。茨城県古河市、栃木県佐野市、埼玉県熊谷市といった常連も軒並み39.6℃以上とかおかしな記録となってしまった。 - 2020年8月17日(主に南九州~東海)
太平洋温泉太平洋高気圧によって熱せられた海水温の悪戯。加えて、チベット高気圧から熱波が吹き寄せ、南九州は東海を中心に記録的な猛暑となった。浜松市で観測史上最高気温タイの41.1℃を記録。宮崎県の西米良で39.7℃(九州史上2位)、そして鹿児島県でも初の38℃代に到達するなど、各地で焼け付くような暑さとなった…のだが、普段むせ返るような湿気に曝露されている西日本人にとって、湿度の低い高温はあまり意に介さなかったようで…ry。 - 2020年9月3日(主に本州日本海側)
フェーン現象の悪戯。新潟県三条市で40.4℃、胎内市で40.0℃を観測し、史上初の9月で40℃の記録となった他、この2地点では3年連続の40℃以上の記録となった。 - 2021年8月7日(主に北海道~東北地方日本海側)
太平洋高気圧が北に偏り熱せられた夏の総決算みたいな日。北海道小平町達布で38.7℃、富良野市で38.5℃、旭川市で37.9℃、秋田県北秋田市鷹巣で38.6℃を観測した。達布と旭川はこの日で年間10日目の猛暑日、さらに達布は歴代最高気温のTOP10を全て2021年で埋めるというとんでもないことをやってのけた。 - 2022年6月25日(主に関東内陸部)
先述2011年6月24日の再来、群馬県伊勢崎市で40.2℃を観測し、史上初の6月で40℃を達成した。まあいつかは出るだろうと思っていたさ…太平洋高気圧で熱せられたところに、関東山地を超える西風フェーンが加わりこうなった。 - 2022年7月1日
太平洋高気圧とチベット高気圧のダブル高気圧にフェーンを加えた結果、過去最多となる、日6地点で40℃超え。この日の経過を記すと、まず13時26分に埼玉県熊谷市で40.0℃を観測。それで逃げ切れず14時15分に埼玉県鳩山町が40.1℃、直後の14時37分に山梨県甲州市(勝沼)が40.2℃。これで決着はつかず15時37分に伊勢崎が40.3℃を観測し0.1℃ずつ更新する大激戦に終止符が……と思われたが、12時に39.2℃を記録して以降欠測していた群馬県桐生市が夕方に復活、14時26分に40.4℃を記録していたことが判明し大どんでん返し。どうもデータ送信が出来ないだけで観測記録を取り続けることはできていたみたいだ。このほか栃木県佐野市で観測史上最高となる39.9℃、愛知県豊田市でも39.8℃など、16地点で39℃以上という7月初日にしてこのありさま。あ、ちなみに岐阜県多治見市もこっそり40.0℃を記録し、新潟以外では初の2年連続の40℃超えとなっていたらしい(地味にすごい記録)。
2023年
- 2023年8月5日(東北内陸、日本海側)
2023年の猛暑の特徴は、とにかく青森や秋田で信じられないような高温が連発するなど東北地方が1978年を上回る猛暑だったことである。そしてこの日は、福島県伊達市梁川にて東北陸奥地方で初の40℃を観測、自身が記録していた39.7℃という県内最高気温を大台突破で塗り替えてしまった。また、関西一暑い(そして冬は寒い)都市として知られる豊岡市で39.4℃を観測。福井県坂井市三国でも県内記録を大幅に塗り替える39.5℃を観測した…と思ったら、三国は8月9日に39.7℃と、わずか4日後に県内記録を塗り替えてしまった。 - 2023年8月10日(道南~北陸日本海側)
北海道の北にある前線と九州の西を北上する台風6号により広範囲でフェーン現象による猛暑。青森県弘前市で県内初の38℃以上となる39.3℃を観測したほか、五所川原市でも39.0℃、石川県小松市で40.0℃、新潟県糸魚川市で39.3℃、北海道函館市で観測史上初猛暑日になるなど観測史上1位の記録が相次いだ。しかし本当にヤバいのは最低気温。新潟県糸魚川市では31.4℃と自身の持つ日本記録を更新したほか、鳥取県境港市や島根県松江市、愛媛県松山市などなんと全国10地点で最低気温が30℃以上を記録。最高気温40℃こそ少ないが、平均気温の高さで猛威を奮った2023年の夏を象徴する一日となった。 - 2023年8月31日
熱波に曝された東北に追い打ちをかけるような季節外れの猛暑。秋田県横手市で県内最高気温の39.2℃を観測。新潟市新津で39.4℃を記録、また地味ながら東京が8月全て真夏日異常以上という怪挙を達成した。
2024年
- 2024年7月4~8日
梅雨の最中だというのに、酷暑の型となる太平洋高気圧とチベット高気圧のダブルオフトゥン状態でよく晴れた太平洋側で酷暑に。4日静岡市駿河区で39.3℃を記録すると、5日には三重県松阪市粥見で39.7℃、7日には再び静岡市駿河区で40.0℃、群馬県下仁田町西野牧で39.8℃、8日には和歌山県新宮市で39.6℃、東京都府中市で39.2℃といずれも観測史上1位を更新する酷暑となった。 - 2024年7月22日
梅雨明け後は北海道から西日本まで猛暑の範囲が拡大しこの日は全国288地点で猛暑日となり、山梨県甲州市勝沼で39.6℃を観測した。 - 2024年7月29日
西風が吹いたことで広範囲でフェーン現象が強まり、全国255地点で猛暑日に。静岡県浜松市天竜が午前中に40.2℃に達すると、午後には栃木県佐野市で41.0℃、群馬県館林市で40.2℃(ズル林脱却初の40℃オーバー)、同伊勢崎市で40.1℃、埼玉県熊谷市と茨城県観測史上初、古河市で40.0℃、埼玉県鳩山町で39.9℃など関東や静岡県で極端な高温となり、史上最多に並ぶ40℃以上6地点を記録した。また静岡県浜松市では最低気温が30.3℃となり、同地点で史上初めて一日中30℃を下回らなかった。 - 2024年8月1日~5日
1日安芸太田町加計で広島県初の39℃以上を観測すると、2日奈良県十津川村風屋で39.9℃、3日高知県四万十市江川崎で39.8℃、5日福岡県久留米市で39.5℃と40度に迫る高温を西日本各地で連発した。3日には全国292地点で猛暑日、4日には全国の301地点で猛暑日を観測。ついに1日での猛暑日観測地点数の歴代最多記録を更新し、初めて300地点を超えた。また、長崎県島原市で観測史上最高の39.2℃を計測。 - 2024年8月8日~9日
台風5号の北上伴い西日本で西風フェーンが強化。8日四万十市江川崎で39.9℃を記録すると、翌9日には三重県桑名市で40.4℃を観測し、三重県内の最高気温記録を塗り替えた(なお翌年に再度更新)。 - 2024年8月16日~17日
16日は台風7号の北上に伴うフェーン現象により、岐阜県美濃市で40.0℃、高知県四万十市中村で39.8℃、高知空港で39.4℃を観測。翌17日は台風一過による晴天で高知県四万十市江川崎で39.6℃、群馬県館林市でも39.6℃、岐阜県美濃市39.2℃、埼玉県熊谷市や名古屋市でも39.0℃を記録した。 - 2024年8月22日~23日
今度は迷走台風10号の接近に伴うフェーンで日本海側を中心に顕著な高温に。22日は鳥取市で観測史上最高となる39.4℃を観測。23日はさらにパワーアップし兵庫県豊岡市で観測史上最高の39.7℃、富山市と鳥取市で39.2℃、8月下旬以降で最多となる全国260地点で猛暑日になるなど「処暑の候(暑さがしだいに収まる頃)」にふさわしくない高温となった。 - 2024年9月20日
9月中旬に背の高い太平洋高気圧が日本列島を覆い、季節外れの猛暑が続いた。なかでもこの日は特段に気温が高く、静岡市駿河区で39.2℃を観測。9月中旬以降で過去最高気温を記録した。
…とまあ海洋熱波と、温暖化、エルニーニョやらラニーニャやらによって、2023年は日本海側と北日本東日本で、2024年は太平洋側と西日本南西諸島で型破りの猛暑となっているわけです。全国の年間猛暑日地点数は2023年に初めてのべ7000地点を上回ったと思ったら、1年で3000以上更新する10273地点ととんでもない伸び方。福岡県太宰府市では年間猛暑日日数が62日、連続猛暑日日数が40日と、それまでの記録を大幅に更新している。
2025年
- 2025年7月23日
大陸からの暖気を高気圧が強めた結果、全国的に厳しい暑さとなり特に北海道で7月としては記録的な暑さとなった。全国849地点で真夏日を観測し歴代最多となり、北海道美幌町では38.2℃を記録した。 - 2025年7月24日(主に北海道)
北海道帯広市で最高気温40度予想が出て、日本中に「北海道でも40℃が出る時代」という認識を植え付けた。結果は帯広市が38.8℃と観測史上最高タイにとどまるも、北見市で39.0℃を記録し「夏」としては初めて北海道で39℃を記録することに。道内最高記録の2019年5月26日は「春」だからね…。 - 2025年7月29日(全国規模)
太平洋高気圧とチベット高気圧の暑い暑いコラボにより地上が加熱され、歴代1位となる全国323地点で猛暑日となった。ただ、最高気温は群馬県桐生市39.9℃、岐阜県郡上市八幡39.8℃など全国20地点で39℃を超えるも、40℃にはギリギリ達しなかった。猛暑日地点数が多い日って、最高気温の数字はそこまででもないことが多いのか…? - 2025年7月30日(主に近畿地方と中国地方)
相変わらずダブル高気圧による強い下降気流と前日の熱の蓄積も加わり、近畿地方と中国地方で歴史を塗り替える暑さとなった。兵庫県丹波市柏原では、当時国内最高気温となる41.2℃を記録。また京都府福知山市で40.6℃、兵庫県西脇市で40.0℃といずれも初の40℃以上。岡山県真庭市久世でも40.3℃を記録し、中国地方で初めての40℃超えとなった。京都市でも歴代3位の39.6℃を観測している。 - 2025年7月31日(主に中国地方)
中国地方では酷暑継続。岡山県高梁市で40.4℃を記録し、前日に久世で記録した中国地方最高気温を1日で塗り替えてしまった。 - 2025年8月1日(主に東海地方)
三重県桑名市で昨年に並ぶ40.4℃を再度記録。あ、気象区分では三重県はれっきとした東海です。東海地方と言えば多治見は…?39.1℃で全国6位とジミ~なポジションに。まあ暑いんですけどね。 - 2025年8月2日(全国規模)
ついに関東にも40℃の波がやってくる。群馬県伊勢崎市で40.1℃、前橋市で40.0℃のほか、広島県安芸太田町加計で40.0℃を記録し、広島県初の40℃以上となった。また三重県桑名市で39.9℃、山梨県甲州市勝沼で39.8℃など猛暑の範囲は全国に拡大。全国単位では2013年に記録した40℃以上の連続記録4日に並んだ。 - 2025年8月3日(全国規模)
歴代2位の多さとなる全国319地点で猛暑日。高気圧に覆われた乾燥型猛暑らしく前日40.0℃の加計は朝18.1℃まで下がり、昼は再び39.2℃と他には真似できない日較差を記録している。でも40℃の連続記録は途切れたよ。涼しいね!? - 2025年8月4日(主に北陸)
北にある前線に向かって吹き込む南風により、今度は北陸で歴史的な酷暑に。富山市で39.8℃と観測史上1位となったほか、石川県小松市では40.3℃を観測し、台風による間接的な影響がなくても北陸で40℃が出るという新時代の幕開けを予感させた。 - 2025年8月5日(主に関東)
これまでの伝説をはるかに超える一日。熱風と熱風がぶつかり合った群馬県伊勢崎市で41.8℃と兵庫県柏原が記録した国内最高気温をたった6日で更新してしまった。ほか埼玉県鳩山町41.4℃、群馬県桐生市41.2℃、群馬県前橋市で41.0℃、茨城県古河市40.6℃、群馬県高崎市上里見40.5℃、東京都青梅市40.4℃、東京都八王子市40.3℃、昨年の年間最高栃木県佐野市と生まれ変わった群馬県館林市が仲良く40.2℃、埼玉県所沢市や秩父市と東京都府中市で40.0℃、神奈川県海老名市でも39.9℃と同県の最高気温を大幅更新。ひっそりと岡山市でも39.5℃で歴代1位を更新。え、熊谷?40.7℃ですけど。得意な風向きじゃなかったからシカタナイネ。…とまあ全国14地点で40℃以上、伊勢崎に至っては16時でも41℃、17時でも40℃、雲が多かったけどそんなの関係なしにフェーンで加熱。やりたい放題の一日でした。 - 2025年8月6日(静岡市)
昨日は凄い一日だったね。なんて言っている間に静岡市の気象台では午前中からみるみる気温が上昇。昨日までの歴代最高気温相当の41.4℃を軽々と記録。日本は一体どうなってしまったんだい! - 2025年8月30日(主に関東東海)
再び上空から高気圧でしっかりと覆われる酷暑型となり地獄再来。東京都心では今年最高の38.5℃。三重県桑名市では観測史上1位の40.5℃、埼玉県鳩山町で40.3℃、静岡県浜松市と埼玉県熊谷市で40.2℃を記録した。ん、東海と言えば多治見は…?この日も39.1℃でジm(以下略 - 2025年8月31日(主に東海)
今度は名古屋市で歴代2位となる40.0℃、愛知県豊田市39.6℃などと8月最終日までフルスロットルな夏でした。あ、多治見は39.0℃で5位でした。 - 2025年9月2日(主に関東)
前線が下りてくる前に最後であってほしい40ド級猛暑。今年はベースが高いので当然気温のレベルも高くなる。埼玉県鳩山町では39.8℃を記録し9月として全国歴代3位となったほか、宮城県仙台市では37.4℃を記録し9月なのに歴代1位の値を更新してしまった。猛暑日地点は241地点と9月としては歴代2位の多さだった。ちなみに9月の1位は前日の250地点。
全国の最高記録
- 北海道:佐呂間町(2019年5月26日:39.5℃)
- 青森県:弘前市(2023年8月10日:39.3℃)
- 岩手県:釜石市(1994年8月14日:38.8℃)
- 宮城県:南三陸町(志津川)(1994年8月14日:38.0℃)
- 秋田県:横手市(2023年8月31日:39.2℃)
- 山形県:山形市(1933年7月25日:40.8℃)
- 福島県:伊達市(梁川)(2023年8月5日:40.0℃)
- 茨城県:古河市(2025年8月5日:40.6℃)
- 栃木県:佐野市(2024年7月29日:41.0℃)
- 群馬県:伊勢崎市(2025年8月5日:41.8℃)
- 埼玉県:鳩山町(2025年8月5日:41.4℃)
- 千葉県:市原市(牛久)(2004年7月20日:40.2℃)
- 東京都:青梅市(2018年7月23日:40.8℃)
- 神奈川県:海老名市(2025年8月5日:39.9℃)
- 新潟県:胎内市(中条)(2018年8月23日:40.8℃)
- 富山県:富山市(2025年8月4日:39.8℃)
- 石川県:小松市(2025年8月4日:40.3℃)
- 福井県:坂井市(三国)(2023年8月9日:39.7℃)
- 山梨県:甲府市(2013年8月10日:40.7℃)
- 長野県:南信濃町→飯田市(2020年8月17日:39.5℃)
- 岐阜県:下呂市(金山)(2018年8月6日:41.0℃)、美濃市(2018年8月8日:41.0℃)
- 静岡県:静岡市駿河区(静岡)(2025年8月6日:41.4℃)
- 愛知県:八開村→愛西市(1994年8月5日:40.3℃)、名古屋市(2018年8月3日:40.3℃)
- 三重県:桑名市(2024年8月9日、2025年8月1日:40.4℃)
- 滋賀県:東近江市(2020年8月20日:39.2℃)
- 京都府:福知山市(2025年7月30日:40.6℃)
- 大阪府:豊中市(1994年8月8日:39.9℃)
- 兵庫県:丹波市(柏原)(2025年7月30日:41.2℃)
- 奈良県:十津川村(風屋)(2024年8月2日:39.9℃)
- 和歌山県:かつらぎ町(1994年8月8日:40.6℃)
- 鳥取県:鳥取市(2024年8月22日:39.4℃)
- 島根県:益田市(2017年8月6日:39.3℃)
- 岡山県:高梁市(2025年7月31日:40.4℃)
- 広島県:安芸太田町(加計)(2025年8月2日:40.0℃)
- 山口県:岩国市(広瀬)(2025年7月31日:39.3℃)
- 徳島県:美馬市(穴吹)(2025年8月6日:39.5℃)
- 香川県:綾川町(滝宮)(2025年8月4日:38.8℃)
- 愛媛県:宇和島市(1927年7月22日:40.2℃)
- 高知県:四万十市(江川崎)(2013年8月12日:41.0℃)
- 福岡県:久留米市(2018年8月13日、2024年8月5日:39.5℃)
- 佐賀県:佐賀市(1994年7月16日:39.6℃)
- 長崎県:島原市(2024年8月4日:39.2℃)
- 熊本県:天草市(牛深)(2013年8月20日:39.6℃)
- 大分県:日田市(2018年8月13日:39.9℃)
- 宮崎県:西米良村(2020年8月17日:39.7℃)
- 鹿児島県:肝付町(肝付前田)(2020年8月18日、2024年8月9日:38.5℃)
- 沖縄県:南城市(糸数)(2013年8月7日:36.1℃)、宮古島市(下地)(2016年7月5日:36.1℃)、石垣市(伊原間)(2012年7月8日:36.1℃)
関連動画
関連項目
- 5
- 0pt


