獣姦とは、人間が人間以外の動物と行う性行為のことである。ネットでは獣姦に関する著名なアカウントから「サイバーイグアナ(案件)」と言われることもある。
概要
獣姦は歴史的に宗教的戒律として禁じられることが少なくなかった。例えば『出エジプト記』には「全て獣と寝るものは必ず死刑に処される」とされ、これはモーゼが神から授かった十戒に次ぐ契約書として書かれている。
宗教と政治が切り離されることが多い現代の国家でも、人間が人間以外の動物と性行為を行うことは一般的には変態性欲の一種として嫌悪や奇異の目で見られることが少なくない。
また、動物虐待防止などの観点から獣姦を法的に禁じる動きもある。例えばオランダでは2010年に獣姦を法的に禁じる法案が可決されたという。
さらに、衛生的な懸念点を指摘する人もいる。動物は一般的に人間より不衛生的であり、また動物から人間にうつる「人獣共通感染症」といわれる病気が存在するためだ。ただし「人間が感染する病気」を持っている率は人間が最も高いのでは?という考え方もあるため、獣姦がどの程度衛生的なリスクのある行為であるのかは実ははっきりしない。
他にも、物理的制約として生物は異なる生物と行為するようにできていないという身も蓋もない指摘をする人もいる。実際、馬x人で致していたところ、馬のアレが刺さりすぎて大腸穿孔を起こして人が亡くなった事故も記録されている(イーナムクロー馬姦事件)。この例は人間が「受け」であった事例ではあるが、人が「攻め」であった場合にも同じことが起こりうる。(話は逸れるが、いわゆるファンタジー系での巨人族やオーガ等との行為にも同様のリスクがあるのではないかと妄想される…)
ともあれ、実行しようとする方は安全のために避妊具を使った方がよいだろう。
日本における獣姦
古代では延喜式の国つ罪の一つ『畜犯せる罪』として罰せられ、古事記では『馬婚』『牛婚』『鶏婚』『犬婚』として細分化されている。
江戸時代に入ると、浮世絵の春画にエイを犯する漁師が描かれた。また、鉄棒ぬるぬら葛飾北斎が描いた『蛸の海女』など非現実的な描写も存在した。
明治時代末に、白瀬矗陸軍中尉が率いた南極探検隊がペンギンを相手に獣姦を行った可能性がある。
現代ではアダルトビデオのジャンルとして存在し、その撮影のために行われている。
日本では獣姦自体は法的に禁じられてはおらず、動物の愛護及び管理に関する法律」略して「動物愛護法」にも「性行為」そのものを禁じる条文は無い。
ただし、同法律では「動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。」と定められている。動物との性行為が「適正」でないと判断されれば取り締まられるとも解釈できる曖昧な条文だが、少なくとも「動物と性行為を行っていた」ことだけを理由として摘発され処分を受けたという過去の報道は無いようである(2023年2月現在)。
ただし環境省が令和4年3月にまとめた「動物虐待等に関する対応ガイドライン」には、「(2)動物の呈する症状に虐待による行為が疑われるか?」>「【基本のチェックポイント】」という節に、以下のような項目が設けられている。
□ 動物や子供を使った性的な満足
□ 獣姦、動物性愛(動物に対する性的愛好)
□ 動物の生殖器系に対する物理的な危害
➡性虐待
また、「(3)虐待が疑われる動物の所見及び検査」という節にある「参考 –2 虐待が疑われる動物の所見および検査」と言う表に、以下のような行がある。
所見 検査 性虐待 肛門拡張、膣炎、尿道炎、肛門裂傷、血尿、子宮破裂、直腸炎
外生殖器、肛門、尿道口等の異物X線、内診
ウッド灯
つまり、環境省的には獣姦を動物虐待の一種としてとらえているとも読める。
特に、動物が嫌がっているのに無理やり性行為を行う(いわゆるレイプ)、性行為に際して動物に害を与える(性器に傷を負わせるなど)の行為は違法行為とみなされる可能性が少なくないかと思われる。いわゆる「バター犬」も、有塩バターは犬にとって害になると言われている。
関連リンク
関連項目
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