王宮の勅命とは、遊戯王OCGの罠カードである。
長年禁止カードだったが、2017年1月からはエラッタされたうえで制限カードとなっているまた禁止カードになった。
概要
「Curse of Anubis -アヌビスの呪い-」(2000年9月28日発売)で登場したカード。
永続罠
※「BEGINNER'S EDITION 1」(2011年発売版)収録のカード(BE01-JP078)による
このカードがフィールド上に存在する限り、フィールド上の魔法カードの効果を無効にする。
このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に700ライフポイントを払う。
または、700ライフポイント払わずにこのカードを破壊する。
一部の特殊なデッキを除けば、サーチや除去などで魔法に頼る部分は大きいが、1枚でそれらを全て無力化できる。
このカードを破壊するための「サイクロン」や「大嵐」なども封じられ、さらにこのカードの発動前に除去魔法を使われてもチェーンして発動すれば無効にできるので除去されにくい。
維持にはライフコストが必要だが微々たるもので、払わずに破壊する選択肢もあるため、これはむしろ好きなタイミングで破壊できるメリットでもある。
さらに1ターン限りの使い捨てにするならばライフコストすら必要ない。
自分の魔法カードも無効にしてしまうので考えなしに発動できるわけではないが、自分のターンにさんざん魔法を使った後、相手のターンにこのカードを発動すれば、相手の魔法カードだけを封じられる。
このカードの現役時代は禁止カードの制度自体が存在せず、「強欲な壺」のようなドローカードや「いたずら好きな双子悪魔」などの手札破壊カードが使用できた。
そのため、先攻でこれらのカードを使用して相手の手札を減らした後、このカードで相手のドローカードの使用を封じるという戦術まで可能であり、先行有利を助長していた。
1枚で魔法カードを全て封じられるのはさすがにオーバーパワーであり、登場からほぼ1か月後の2000年11月1日に準制限カード、翌年1月15日に制限カードとなった。
そして、2004年3月1日に禁止カード制度が導入されるとすぐに禁止指定を受け、それ以後一度も復帰していなかったが…。
テキスト改正(エラッタ)
2017年1月。なんと約13年もの間禁止カードから動かなかったこのカードがエラッタされ制限復帰することになった。
エラッタ後の効果は以下。
永続罠
このカードのコントローラーはお互いのスタンバイフェイズごとに700LP払う。
700LP払えない場合はこのカードを破壊する。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
フィールドの全ての魔法カードの効果は無効化される。
維持ライフコストが実質倍になり、任意で払わずに自壊させることもできなくなった。
ただ肝心の効果そのものは変わっていないため、エラッタから4年以上たっても制限カードから緩和されていない。他のエラッタカードと比較してもエラッタ前の強みがほぼそのまま残っており、未だに環境クラスのデッキに採用されるカードとなっている。
特に、黄金卿エルドリッチを軸にスキルドレインなどの相手を妨害する罠カードを多用して制圧するエルドリッチデッキとは相性が良く、当然のように搭載されている。
結局エラッタされても先攻有利を助長するカードであることには変わりなく、2022年4月のリミットレギュレーションで禁止カードに逆戻りという結果になった。
なおエラッタで弱体化されたカードが再び禁止されるのは遊戯王史上初となる。そもそもライフコスト倍程度じゃ甘すぎるんだよなぁ。
1度目の禁止指定後に発売された「BEGINNER'S EDITION 1」(2004年版、2011年版)で2回再録されたが、当然当ててもコレクション以外の用途はほとんどなかった。
現在ならば、ノーリミットデュエルで(主催者側が禁止していなければ)一応使い道がある。
なお上記も含めて3度再録されたが、いずれもスーパーレア以上のレアリティになっている。
そしてOCGの後を追うように、マスターデュエルでも2022年8月31日の改訂で禁止となった。こちらはアップデートで演出が加えられていただけに、演出・URバリアが働いていると言われていたが、そんなことは無かった。
他のカードとの関連性
このカードの罠カード版である(登場は向こうのほうが早い)「王宮のお触れ」は、何度か準制限にはなっているがそれ以上の規制を受けたことはない。
それだけ魔法カードを封じられるメリットが大きいということだろう。
勅命とお触れを併用して魔法・罠完全封殺と行きたいところだが、お触れの効果で勅命の効果が無効になるのでこれは不可能。
また、除去対策として、現在ならば「宮廷のしきたり」「偽物のわな」などがある(初出が禁止指定よりも遅いが)。
禁止カード制定時から10年以上に渡り、禁止カードであり続けていたカードのうちの1枚。
同様のカードに「八汰烏」、「サンダー・ボルト」などがある。
その他の作品において
アニメDMでは、「乃亜編」で大門が使用。
海馬の「大嵐」に対して発動してそれを無効化、さらに「人造人間-サイコ・ショッカー」のデッキマスター能力と合わせて魔法と罠を両方封じた。
また、「KCグランプリ編」でレベッカが使用。
ヴィヴィアンの「サイクロン」にチェーンして発動し、さらにそれにチェーンして「スケープ・ゴート」を発動。「スケープ・ゴート」を通しつつ「サイクロン」の無効化に成功する。
その上次のターンにはライフコストを払わず破壊することで魔法カードを使用するというなんとも現実的な戦術を取っている。
遊戯王VRAINSでは、TURN78でリボルバーが使用。
ブラッドシェパードの永続魔法「ブリッツ・ドローン」に対して発動し、1200のバーンダメージを無効化した。また、ボーマンらが使うリンク魔法「裁きの矢」への対抗策のヒントとしても提示している。
効果はエラッタ後のものであり、リボルバーは自分スタンバイフェイズ時に700LPを支払っている。
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関連項目
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