琉球犬とは、沖縄県原産の日本犬である。沖縄県においては虎毛犬をトゥラー、赤毛犬をアカインと呼んでいる。
概要
縄文時代の猟犬である縄文犬の直系の子孫と考えられている。弥生時代になると弥生犬と呼ばれる大陸の犬が日本に流入したものの島嶼部であった琉球列島への影響は薄かったことから、縄文犬としての特徴を色濃く残すことができた。遺伝子的には北海道犬と近いことが分かっている。
沖縄においては長らく猟犬として使役されていたが、第二次世界大戦の影響を受けて数が減少。更にはアメリカ統治時代にアメリカ軍が持ち込んだ洋犬との交雑によってますます減っていき、イノシシ猟が盛んであった沖縄本島の山原地域や石垣島で細々と残る程度であった。
保護の機運が高まったのは岐阜大学の教授である田名部雄一による日本各地の犬の遺伝子調査である。これを切っ掛けに沖縄県でも飼育や形態調査が行われるようになった。この調査に参加していた当時の動物管理所の所長である新垣義雄は、「保護しないと絶滅してしまう」とよく提言を受けていた。
こうして新垣が中心となって1990年(平成2年)に会員23名と琉球犬17頭と共に『琉球犬保存会』を創立。血統登録などが行われるようになった。会員には専門家が多かったことや琉球大学の教授である新城明久などの協力者のおかけで保存活動は順調に進み、発足から僅か5年後の1995年に沖縄県の天然記念物として認定された。その後も保存活動が行われ2000年(平成12年)には会員数320人で琉球犬は約1200頭までに増やすことに成功した。
しかしながら琉球犬の保存活動の勢いはその後低下。会員の高齢化によって休眠状態となり、琉球犬の頭数も再び減少に転じてしまった。純血であることを証明する血統書の発行も止まってしまった。また、沖縄県に保存に関する知識のある人が少なくなったことやテレビで取り上げられて知名度が高まったことによって乱雑な交配も行われるようになった。こうしたことが重なって雑種化が進み、甲斐犬の雑種が琉球犬として販売されるなどの詐欺も見られるようになった。
ただ、琉球犬の保存活動がなくなったわけではなかった。
宮古島のNPO法人La-Vida(ラ・ヴィーダ)は犬や猫の保護活動と共に、琉球犬保存会の宮古島支部として琉球犬の繁殖・譲渡を行っていた。が、2018年から現場担当者に団体が乗っ取られ、全ての琉球犬が去勢・避妊手術をして琉球犬の雑種として里親に出されてしまうという悲劇に見舞われた。
もう一つは沖縄県立中部農林高等学校で、熱帯資源科動物コースにおいて授業の一環として琉球犬の保護に取り組んでいる。
琉球犬の未来は前途多難であるが、保存の試みが上手くいくことを願いたい。
特徴
日本犬としては中型犬に分類される。国の天然記念物に指定されている日本犬とは異なり、能力重視の繁殖をしていたことから個体ごとの外見の差は大きい。
体高は雄が49-55cm、雌46-52cm。体高は15-20kg。耳は逆八の字状の立耳となっているが、やや折れ耳の個体もいる。目色は茶色か青色。尾は半円形の差し尾である。毛色は赤毛と虎毛(赤虎・黒虎・白虎)があるが、それ以外の毛色が産まれることもある。狼爪と呼ばれる6本爪を持つ犬が多く、舌には縄文犬由来と思われる舌斑を持つ犬が多い。
性格は人懐っこいが、縄張り意識も強い。亜熱帯という環境で暮らしてきたことから暑さに強い。
2つの系統が存在しており、沖縄本島の山原系と石垣島の八重山系がいる。八重山系の方が体格が大きく、これは八重山列島においては馬に乗って狩猟や農業していたことから大型化したものと考えられている。
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関連項目
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