用心棒とは、身辺を護衛する者のこと。現代でいうボディーガードに相当。
曖昧さ回避
- 上述の護衛職から転じて、身を守るために携帯する棒(警棒)のことも指す。
- 引き戸が開かないよう押さえるために、棒を設置すること。「つっかえ棒」。
- 1961年に公開された黒澤明監督の時代劇映画。本稿ではこちらについて記述。
- 二郎インスパイア系ラーメン店の一つ。
概要
それまでの時代劇の殺陣は従来の舞踊的表現であったが、黒澤明はそれをリアルに描こうと模索していた。また、殺陣よりもこの映画の主人公である桑畑三十郎(演:三船敏郎)の得意な個性を強く描いており、当時の人々を魅了させた。
本作の殺陣の特徴は、桑畑三十郎は敵を斬る際、必ず1人につき2度斬っていることである。これは黒澤と三船が「一回切られたぐらいですぐには死なないだろう」という考えで成り立ったものである。また、仲代達矢が演じる新田の卯之助に、スコットランド製のスカーフを巻かせるなど、時代考証よりも登場人物の造形を優先させた演出もされた。
本映画の公開後、海外でもリメイク作品が製作されるほど高い支持を得ていた。その最初の作品である『荒野の用心棒』はシンプルに西部劇に置き換えた物語でありながら、マカロニ・ウェスタンの代表作として根強い人気がある。しかし、この映画は公開当初、権利元に無許可で制作されたため、監督のセルジオ・レオーネは東宝側に訴えられるという裁判沙汰も起きた。
もう一つのリメイク作品にアメリカではギャング映画風に置き換えた「ラストマン・スタンディング」が製作されている。日本では黒澤の長年の友人で『日曜洋画劇場』の解説を務めていた淀川長治が最後に解説した映画としても知られている。
あらすじ
時は江戸時代、桑畑三十郎(三船敏郎)と名乗る流浪の武士は上州の宿場町にふらりと立ち寄る。そこの酒場の主人から、町は2つのやくざ勢力が対立していると聞きだす。両方の勢力に用心棒として売り込みつつ、巧みに相討ちを仕組んでいく。
関連動画
関連項目
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