甲信越とは、甲斐国・信濃国・越後国の三国、現代の府県制に倣えば山梨県・長野県・新潟県の三県の総称である。
概要
山梨県、長野県、新潟県の三県は、日本の八地方区分では愛知県名古屋市を中心とした「中部地方」に含まれている。
が、この三県に関しては名古屋を中心とした「東海地方」・「中京圏」より、明らかに東京を中心とした「関東地方」との交わりのほうが政経共に強く、「中部地方」というくくりでは実態を示しているとはいえない(長野県の木曽地域など中京圏との結び付きが強い所も部分的にはあるが)。特に山梨県は「首都圏」として関東地方とセットで扱われている。
また、愛知県を中心として岐阜県・静岡県、それに近畿地方に属する三重県は先述した「東海地方」、そして日本海側の福井県・石川県・富山県の3県は「北陸地方」として一定の団結があるが(新潟県は北陸地方に含めることもあるが、「北陸3県」といった時などハブられることが結構多い)、この3県は山梨と長野の間(甲信)、長野と新潟の間(信越)で一定の交流があれど、それほど強いまとまりが有るわけでもない。各県同士の団結より、東京を中心とした関東地方とのパイプの方が重視されているといっても過言ではないだろう。
それゆえ、「東北地方」でも「東海地方」でも「関東地方」でも「北陸地方」でもない地方という意味で、「甲信越(地方)」という呼称が便宜的に用いられるようになった。先述した事情により、「関東甲信越地方」として関東とセットで呼ばれることもしばしばである。
ただ、静岡県は先述したように一応は「東海地方」とされるものの、甲信越地方同様に県の中・東部では関東との結びつきのほうが強いため、「関東甲信越地方」および「東海三県(東海地方の内、静岡県をハブした三県)」といってしまうと、静岡県が孤立した状態になってしまう。それゆえ、静岡の頭文字を入れて「関東甲信越静地方」という呼び名が使われることもある。
また、甲信越地方の中でも山梨県は特に関東との結びつきが強く、関東地方としても扱われることがあるが、その際は信越が仲間外れとなる。そのため、信越と北陸を合わせて「北信越地方」と呼ばれることもある。また、三遠信という言葉もあるように、長野県は甲信越の中では比較的東海地方と結びつきがあるため、東海地方と合わせて中部地方と呼ばれることもある(その場合、新潟県は北陸地方になる)。
関連項目
- 2
- 0pt