町内会とは、日本の地域コミュニティの1つである。自治会など、多数の呼称があるが、ここではニコニコ動画のタグ数が最も多い「町内会」に統一する。
概要
町内会は、その地域に居住する住民により構成された民間組織(任意団体)である。
地方自治法第260条に定められる通り、市区町村内の町または字の区域に住所を有するいわゆる地縁に基づき組織された団体組織を指し、総称として「地縁団体」と位置付けられている。そのため任意団体でありながら住民の総意という一定の政治的地位と利益団体の性格を有する。
平成3年の自治法改正により一定の条件を満たした町内会は市区町村が認可する「認可地縁団体」として法人格を持つ事が出来るようになり、不動産の所有や町内会名義の事業活動が出来るようになった。
日本における地縁団体の総数は約30万団体、そのうち認可地縁団体は5万を超えるとされている。
町内会の規模は千差万別であり、会員が1人しかいない町内会もあれば数千人の会員を抱え数十億の有価証券やテナントビルを自己保有し高額の賃料収入を得ている町内会も結構多い。
上位組織として市区町村毎の連合会、都道府県の連合会、全国を統括する組織として全国自治会連合会がある。
活動
基本的には以下の活動が中心となっている。
- 地域の祭りの準備・実施
- ゴミ集積場の管理、廃品回収などの衛生活動
- 日本赤十字の共同募金の賛助
- 通学の見守り、街灯の管理などの交通防犯活動
- 公園・公民館・墓地・入会地などの管理
- 防災訓練などの防災活動
- 回覧板や広報誌配布による連絡・情報伝達
- スポーツ大会など、会員の親睦活動
かつては冠婚葬祭も執り行っていたが、結婚式場や葬儀会館の普及により急速にその役割を失いつつある。
が、その代わりとして少額ながら祝儀や香典を出してくれる町内会は多い。
町内会は任意団体もしくは認可地縁団体であり、加入および脱退は任意である。
例外としては、区分所有法で加入が義務付けられているマンション等の管理組合が地縁団体としても認可されているケースがあり、その場合は管理組合側で住民による地縁団体からの脱退決議を行わなければならない。
町内会は任意団体もしくは認可地縁団体であり、非常勤特別職で地位が公務員になる消防団や水防団とは区分されなければならないが、地域によっては慣習で事実上一体化している所もある。
加入した場合は会費の支払が義務付けられ、会員の役務であるごみ捨て場の掃除や回覧板の伝達など分担されることがほとんどである。マンションの単身世帯など地域とのつながりを持つ必要がない人の場合は町内会に加入しないこともある。
ただ、多くの市区町村でごみ捨て場の管理運営を町内会に委託していて、町内会に加入しないと事実上ごみ捨て場を利用できない等、町内会の枠組みが社会問題化している。新興住宅地やニュータウン等の町内会では早々に認可地縁団体に昇格しそうした作業を民間企業に委託していたりするがそうした先進的な取り組みをする所はごく少数である。多くの町内会ではデジタル化すらままならず会費の徴収が今なお現金手渡しで行われている。
住所での「字(○○町、○○一丁目など)」と一致する場合もあるが、中には一致しないケースもある。例えば東京の一等地である東京駅周辺の町内会は、「大手町」と「丸の内」を合わせた「大手・丸の内」となっている。千葉県浦安市など、団地や社宅ごとに町内会が組織されるケースや、より小さな地域ごとに組織されるケースもある。
歴史
町内会の歴史をたどると江戸時代の「五人組」に遡ると言われるが、はっきりした根拠はない。第二次世界大戦ごろには、町内会は、10世帯程度をまとめて作られた「隣組」の上位組織とされ、生活物資の配給や防空訓練等も行っていた。監視・密告など、隣組と共通する要素も町内会が持っていたといわれる。
1947年のポツダム政令により町内会の結成は禁止されるが、1952年に政令が失効したため、その後町内会が増えていった。しかし、平成に入ると単身世帯の増加やライフスタイルの変化等に伴い加入率が低下してきており、地方では過疎化なども加わって数を減らしつつある。政令指定都市では2014年時点で、6割~8割程度の加入率である(参考、p.9)
関連動画
関連静画
関連項目
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