白バイとは、主に大型バイクの警察車両である。正式には交通取締用自動二輪車という。
概要
その名の通り、白い車体である事からその名があるが、登場当初は真っ赤であった。
主に交通取り締まりで幹線道 の車線の死角に隠れていたり、見落としがちな一時停止がある場所の死角 などでお目にかかる機会が多いが、それだけではなく機動性を生かして様々な事件現場へいち早く到着する事もある。
主食は原付一種の速度取り締まりであり、副菜として物陰からの一時停止違反等々。
普段はあまり見ることが出来ないかもしれないが、全開モードの白バイの取り締まりは正直カッコイイ。
どうみても逃げられる気がしません。本当に(ry
使用される車種は大型バイクである事が多く、現行はカタログモデルになっているCB1300Pが増えている。その他、VFR800Pや750P、スズキGSF1200Pが見られる。専用のカタログも存在するが警察車両の例に漏れず、関係者以外の閲覧は出来ず、廃車後はスクラップ行きとなるが、メーターなどを叩き割るという念の入れようである。それでも大昔の白バイが出てくる事が極稀にある。
白バイ隊員はborn to rideとも言うべきテクニックの持ち主でターゲットを見つければ、凄まじい勢いで追いかけてくる。また、安全講習などで披露する腕を見ても分かるとおり、200キロ以上はあろうバイクを恰も自分の手足のごとく操る腕を持っている。無論、これは不断の努力の賜物であるが、その秘訣は彼らはバイクを運転するのに必要な基本を大切にしている事に他ならない。これは白バイという人間が露出している状態においては彼らはライダーを始め、ドライバーや公衆の目に常に晒されているのであり、そうした市民のお手本となる運転が必要になるからである。
そんなわけで、ちびっこ達からは正義のヒーロー扱いをされ、
とあるドライバーからは畏怖の念を持って「白い悪魔」と恐れられ、
とあるライダーからは畏敬の念を持って「白馬の王子様」と呼ばれているとかいないとか。
基本的に白バイは交通機動隊と言われる部署に所属している事が多いが、一部の所轄署や高速道路交通警察隊にも配属されている事がある。
海外の白バイ
おもに英語圏ではpolice motorcycleと呼ばれている。ある年代にとっては「白バイ野郎ジョン&パンチ」が有名であり、この番組では白バイにカワサキKZ1000Pが採用されている。実際、舞台であるアメリカのカリフォルニア・ハイウェイパトロールではカワサキが長いこと採用されていたが現在はBMWが採用されている模様である。カワサキは一時の勢いはなくなったが、1400GTRが地元の架装業者扱いではあるがいくつかの警察に配備されている。どうやら海外では「カワサキか…」とはなっていないようだ。
またアジア圏を中心にVFR800Pが輸出されており、回転灯の色などを変えた上で現地で活躍する姿が見られる。
白バイに使用されるバイク
既に生産中止をしたモデルも存在する。
ホンダ
- CB1300P
従来のVFR800Pに代わり導入されたバイクであり、VFR系に代わって勢力を広げつつある。 - VFR800P
長らく白バイ用車種として採用されてきたVFRの最終系である。民生用は途中からカムギアトレーンを廃止したが、警察用はCB1300に変わるまで採用し続けた。 - VFR750P
一昔前の白バイの代名詞であり、カムギアトレーンの音が独特であった。退役が進んでおり、その姿を見る事が年々難しくなってきている。 - CBX750P(ホライゾン)
VFR750Pよりさらに一世代前のバイク。角目が特徴であった。国内白バイがVFRとなって以降も海外ではこのモデルが輸出されていた。 - CB750P
CBX750Pよりさらに一世代前のバイク。ベースは今や旧車として数百万の価値がついてあるCB750Four。当時は世界最速マシンでもあったため、違反者は震えあがったであろう。こち亀に登場する本田速人が乗車するバイクでもある。 - GL1500・1800(ゴールドウィング)
主に儀礼用としてサイドカー付きとして使われる事が多いが、少数ながら高速隊用に配備されているものもある。 - モンキー
交通安全イベントなどで見られる警察手作りの白バイ。侮るなかれ、細かいところまで再現されており非常に遊び心満載である。
ヤマハ
- FZ750P
5バルブジェネシスエンジンを搭載するバイク。ホンダが大勢をしめる白バイでは少数派である。当初はネイキッドであったが、最終系はフルカウルとなっている。元々の台数が少ないので現存しているかどうかは微妙である。
スズキ
- GT750P
日本国内においては後にも先にもこのモデルのみ2サイクルエンジンとなっている。その当時としては数字以上のスペックがあったので、非常におあつらえ向きなモデルであった。 - GSF1200P
いわゆるバンディットベースであるが、お値段の割りに性能がいい。その為、ホンダの牙城に攻める勢いを見せている。回転灯の他にも点滅灯をカウル部分に設けている。エンジンが弁慶の泣き所。
カワサキ
- カワサキKZ1000P
主にアメリカ向けに生産されたバイクであり、当初はウィンドウシールドであったが、その後カウルに変わった。銀幕でもお馴染みの存在であり、細かい改良を加えられながら30年近く生産されていた。 - カワサキ1400GTR(コンコース14)
KZ1000P亡き現在、アメリカにおけるカワサキの白バイベースとして採用されているバイクである。メーカー純正ではなく、架装業者による改造であるが性能は侮れず、採用をしている自治体も存在している。
日本国外
- ハーレーダビットソン
主にエレクトラグライドやロードキングがベースとなったカタログモデルが存在する。本国では比較的安価であり、採用数も多いが性能面ではどうしても日欧に劣る部分がある。日本では閲覧式などで使われる。 - BMW R1150RT-P
それまでアメリカの白バイで人気だったカワサキKZ1000Pのシェアを一気に奪ったバイクで、ヨーロッパにおいてもそのシェアを拡大している。
黒バイ・赤バイ
黒バイは白バイをベースとして、細い道に逃げる傾向のある暴走族対策として導入された車両である。ざっくばらんに言えば覆面パトカーのバイク版の赴きもある。暴走族対策に特化されているところがあり、その真っ黒な色も夜の闇に同化する意図がある。他にも採証用のカメラやペイント弾の装備など通常の白バイにない装備もある。白バイベースのものが多いが、通常のビッグスクーターベースも存在する。なお、交番用の足バイクをいう場合もある。
赤バイは最初に述べた初期の警察用バイクの愛称であるが、今日では消防用のバイクを意味する。細い道の他にも災害などで足元が悪くなった際にその能力を発揮する。その性質上、ベースはオフロード車が多いが通常のバイクやビッグスクーターも存在する。サイレンの音が白バイと同じであり、一部の心無いドライバーから緊急走行を妨害される事もある。欧米にもこれに相当するものが存在する。
白バイをテーマとしたドラマ
警察を題材としたドラマは日本においてはほとんどが刑事物であり、さもなくば「こちら本池上署」や「こち亀」のような普通のおまわりさんが主人公となる事が多く、割合に交通取り締まりという視聴者にとっては面白みもなく、ルーティンな内容に加えてバイクテクニックが必要になるであろう白バイをテーマにしたものはほぼ見られない。往々にして、白バイ隊員はドラマにおいてはモブキャラ、もしくは主人公の友人と言った脇役である事がほとんどである。
他方、アメリカでは「白バイ野郎ジョン&パンチ」という番組が存在し、日本でも人気を博していた。元々、アメリカでも日本と同じように刑事物が流行っていたが、暴力描写と言った面で現実の警察との著しい乖離が存在した。プロデューサーのリック・ロズナーはその違和感に対して、「白バイ野郎ジョン&パンチ」という作品をもって答えを出した。ありていに言えば日常系のようなもので、従来のドラマに見られたスリリングな捜査と銃撃戦ではなく、カリフォルニアハイウェイパトロールに所属する隊員たちの日常を軽妙かつユーモアを交えながら映し出した。日本でも「踊る大捜査線」以降、現実の警察に対して乖離したイメージの作品が作られる事は少なくなってきたが、その答えの出し方に差が出ている。もっとも、日本の警察とアメリカの警察の組織の成り立ちがまったく異なる部分が多い点に注意したい。
架空の白バイ乗り
- 姶良鉄幹(特捜戦隊デカレンジャー)
- ガンマックス(勇者警察ジェイデッカー)
- 葛原金之助(デュラララ!!)
- シグナルマン(激走戦隊カーレンジャー)
- 戸増宝児(特捜戦隊デカレンジャー)
- 中嶋剣(逮捕しちゃうぞ)
- バイクル(特警ウインスペクター)
- 氷川誠(仮面ライダーアギト)
- 北条卓(西部警察)
回想シーンでのみ。 - 本田速人(こち亀)
架空の白バイ
- ウインチェイサー(特警ウインスペクター)
オフロード用のTS200がベース。バイクル専用で背中にあるバイスピアがハンドルと鍵を兼ねている。 - トライチェイサー2000(仮面ライダークウガ)
仮面ライダースーパー1以来の海外製である。元々は白バイ用として開発されたが仮面ライダークウガ用のバイクとして五代の手に渡った。 - ビートチェイサー2000(仮面ライダークウガ)
ゴウラムとの合体で深刻な金属疲労を起こし、機能停止をしてしまったトライチェイサーに代わって登場。 - ガードチェイサー(仮面ライダーアギト)
仮面ライダーG3用に制作されたバイクでナンバー付き。ベースはホンダX4でカウルを着せてフルカウル風味となっている。非常に丁寧な仕上がりとなっており、「POLICE」の文字も入る徹底ぶり。赤色灯に当たる部分はヘッドランプの部分についている。 - ポリスピーダー(激走戦隊カーレンジャー)
シグナルマンのバイク。 - マシンハスキー(特捜戦隊デカレンジャー)
カワサキZZR400Nがベース。デカブルー(戸増宝児)が乗る。 - マシンボクサー(特捜戦隊デカレンジャー)
デカブレイク(姶良鉄幹)の乗る異色の一輪白バイ。 - ガンバイク(勇者警察ジェイデッカー)
白バイ刑事ガンマックスの乗るサポートメカ。
ウインチェイサー~ガードチェイサーはすべて警察謹製でハンドルが鍵代わりになる点より、関連性があるのではと言われている。
関連作品
動画
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関連項目
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