白ポスト(しろぽすと)とは、一般的に性的・暴力的な表現が含まれている子供の教育上有害だと思われる図書を回収する目的で設置されたポストのことである。
白い色をしているためこう呼ばれる。(例外もある)
概要
ふつう、白ポストは地方自治体などの手によって「悪質な情報から子供を守る」「非行防止」「健全な子供の育成を目指す」といった名目で設置されている。
設置にあたっての共通した法律などは特に存在しないようで、その設置スタイル、場合によっては目的やその効果に至るまで自治体によりさまざまである。
●形状・材質
真っ白な色で塗られているのが一目でわかる共通した特徴である。
長持ちするように金属製の箱に錆止めを塗り、白いペンキを全体に塗る。その上から「有害図書回収」「悪書追放」などの名目を黒字または赤字で書く。(なぜか筆で書かれることが多い)さらに市や町、PTA、ボランティア団体、青少年保護団体などの作ったありきたりの標語を前面または側面に書く。・・・というスタイルが一般的なようだ。
細かな違いは、箱が円柱か直方体か、材質が金属製か木製か、屋根がついているかどうか、投入口に郵便ポストのような蓋がついているかどうか、足元は石の台座か金属の足か、壁に打ち付けられているか直立しているか、移動が可能か不可能か、とこれまたさまざまである。
珍しいものでは、色が白ではないものもあるそうだ。
●設置場所
設置場所として選ばれやすいのが、中の図書を回収しやすい場所や人目につきやすい場所である。
具体的に言えば、市役所、青少年センター、公民館、図書館、公園、公立体育館、公立学校といった公的施設。あるいは、駅、バス停留所、タクシー乗り場、フェリーポートといった交通機関の要所が挙げられる。
もちろんこの限りではない。その他の設置場所としては、民家の前、神社、寺院、教会、スーパー、農協、漁協などがある。
設置している自治体に関しては後述する。
●回収対象
一般的には、「青少年の育成に有害な図書」を回収対象とする。
噛み砕けば成年雑誌・漫画(エロ本)や暴力表現などが含まれる雑誌・漫画である。
前者しか回収の対象としない のようなことが書かれている白ポストもある。
18禁のみを回収対象としていて、少年誌や青年誌はいくらエロくとも回収対象としていない白ポスト
「雑誌をお入れください」と、どんな雑誌でも回収する姿勢を見せている白ポスト
「青少年に有害な書籍・ビデオ・DVDをお入れください」と情報媒体を選ばない白ポスト
この他、回収対象に至っても、さまざまなスタイルの白ポストがある。
●回収物の利用
一般的には回収図書は資源ゴミと同じようにリサイクルされ、再生紙として再利用される。
DVDなど、紙以外のものに関しては、おそらく焼却処理されているものと思われる。
しかし、そもそも白ポストのシステムがうまく成り立っていない自治体も多く、有害図書を再利用できるほどの数だけ回収できているのかも不明である。
●いたずら
たいていの場合、白ポストはいたずらされる。
前述のとおり、学校や公民館などが設置場所に選ばれていることが多い。
よって、小学生がよく落ち葉やゴミを投入したり、こじ開けようとしたりする。
小学生にとっては「やってはいけないと言われている」、「中にはエロいものが入っている」、「簡単に目につく」とまさにいたずらしたくなる条件をことごとく満たしている格好の獲物であるためだと容易に考えられる。
実際に幼少期にやってしまった人も多いのではないか。
また、精神が小学生な大人がわざわざバールのようなものを持参してまでこじ開けようとしたり、蹴りとばして凹ませてしまったりというケースもあるという。
自治体も頭を悩ませており、白ポストが廃止される要因のひとつに深刻ないたずらにより白ポストが機能しなくなることが挙げられる。
いずれも器物破損として訴えられる犯罪である。やってはいけない。
白ポストを設置する地方自治体
関連項目
- 6
- 0pt