白雪姫とは、隅沢克之の小説『新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop』に登場する人型機動兵器、モビルスーツの1機種である。
デザインはカトキハジメによる(が、全容はいまだ明らかになっていない)。
概要
テラフォーミングが完了し、人の住める環境となった火星がかつての地球の様に戦場となることを危惧し、その抑止力、あるいは“強者に対する力”として建造されたガンダムタイプMS。
白雪姫と書いて“スノーホワイト”と読む。
当初は文字通りゼロから新造することを予定していたが、『Endless Waltz』の後に過去のMSに関連するデータの一切合切が失われていたことに加え、ガンダムそれ自体が余りにも高度かつ精緻な設計に基づく芸術品とも言うべき存在であったことから、その開発は困難を極めた。
作中に登場する本機は、TV版以前に勃発し、歴史の闇に葬られた第二次月面戦争の後、ウィナー家所有の資源衛星に解体された状態で保管されていたものを発見し、そこから再建造したものであり、一から新造されたわけではない。
開発系譜上は試作零号機であるウイングガンダムゼロと初期ガンダム5機の中間に位置しており、試作一号機として位置付けられる。特に本機はウイングガンダムの前身機としての側面が強いが、ゼロシステムも備えているため、乗りこなせる人間は限定される。
なお、機体を動かすためのソフトウェア等はW教授(=カトル)が独力で開発した物を用いており、その完成には火星歴で6年、地球暦換算で12年もの歳月を要している。
外見上最大の特徴は、全身を完全に覆うフード付きのマントを羽織っていること。
クロスボーンガンダムのABCマント以上に大掛かりな物となっているため、連載開始から3年近く経過しているにもかかわらずその姿は明らかになっていない。
このマントは機体にステルス性を付与する他、通常のMS(マーズスーツ)では行動不能に陥るような強磁性の砂嵐の中での行動も可能としている。
作中では基本的にコールドスリープから覚醒したヒイロ・ユイの乗機として運用されるが、一時的にW教授が搭乗していたこともある。
スノーホワイト原型機=プロトゼロ1号機?
ウイングガンダムプロトゼロも参照。
『FT』ではプロトゼロが登場し、アディン・ロウ(主人公ヒイロの実父)が搭乗する事となった。その際、ドクターJはプロトゼロと拡張装備を「白雪姫と七つの矮星」と呼んでいる。この運用にはアディンが持つ高いスナイプ能力を反映し、プロトゼロの射撃補整データを向上させる狙いもあった。
その後プロトゼロはヒイロがドクターJに拾われた際、クローンであるアルファ(アディン・ロウjrクローン)に譲渡され、ウイングガンダムに搭乗するベータ(本物のヒイロ)と交戦。その末にアルファはドクターJの元を機体ごと離れ、未完成のプロトゼロはウィナー家に回収され解体された。
プロトゼロはカトルによって回収され、火星戦闘用にリビルドされた。ヒイロは自分の父が乗っていた機体を改修したものに乗っているという事になる。
しかしアディンが乗った白雪姫の通称で呼ばれる機体からどう発展したかも判明しておらず、メッサーツバークの情報をもとに生産された武装、白雪姫がプロトゼロに似ていることしか分かっていない。
スノーホワイトプレリュード
こちらもウイングガンダムプロトゼロを参照。
現在、『FT』12巻のカバーイラストを元にした『ウイングガンダム スノーホワイトプレリュード』という機体が設定されている。
現時点ではプレリュードの立ち位置は定まっていないが、デアゴスティーニ刊『週刊モビルスーツ・バイブル』の開発系図で、リビルド前のスノーホワイト(プロトゼロ1号機)の前バージョンという扱いになっていた。ただ良くも悪くも独自解釈が多い資料なので、この設定の扱いも今後の展開次第か。
武装
- バスターライフル
毎度お馴染みの大出力ビーム砲。ウイングガンダムのそれと同様、カートリッジ方式を採用しているが、こちらはエネルギーを使いきったカートリッジが実弾のそれのように排莢される描写がある。
作中では1挺のみ携行しているが、8巻表紙ではウイングゼロの様に2挺のバスターライフルを携えた本機が描かれている。 - ビームサーベル
やはりこちらもウイングガンダムとほぼ同様の装備。 - 七つの矮星(ジーベンツバーク)
様々な効果を発揮する特殊弾頭を射出するオプション装備。地の文では弓矢として描写されているが、挿絵を見る限りではバスターライフルとは別デザインの銃器。
七種の弾頭は火星のテラフォーミングを進める末に開発された様々なナノマシンが転用されており、多種多様の属性弾を撃ち分ける事が出来る。効果は以下の通りである。
・赤《ロート》…高熱特性。敵に着弾すると燃え上がる。
・青《ブラウ》…超低温特性。着弾点から四方に散開し絶対零度に近い冷気を展開する。
・黒《シュバルツ》…暴風特性。射線に黒い竜巻を発生させる。
・白《ヴァイス》…雷撃特性。発射直後に拡散し、広範囲に着弾後、天に向かって雷撃を放つ。
・緑《グリユーン》…植物特性。空に発射後オーロラとなって広範囲に広がり、地に向かって蔦を伸ばす。
・銀《ズィルバー》…貫通特性。MG合金が使用されており、先端からドリル状の光を放ちコクピットを貫く。
・金《ゴルド》…強力なEMP攻撃とアンチMDウィルスを兼ねた切り札。着弾部から広範囲に渡りナノディフェンサーを拡散させMDを無効化する他、ゼロシステムを含めた全電子機器を停止させる威力を持つ。
ジーベンツバークは気象までは予測する事が出来ないゼロシステムに対してのメタ装備となっており、多くのゼロシステムが登場するFTに於いて切り札になり得る装備となる。
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関連項目
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