皆んなにアンケート!
※4問です
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皆んなとは、稀に巷で見かける「みんな」の表記の1つである。
概要
「みな(皆)」の砕けた言葉「みんな」については、一般的にはそのまま平仮名で「みんな」、または漢字で「皆」と書く。インターネット上での投稿頻度で見ても「みんな」または「皆」が多い。
一方で、「皆んな」という表記も一部で見られる。
「皆んな」は戦前の文章で既に見られる表記である(後述)。また、現在でも一部のパソコン・スマホの日本語入力システム(例:iOSなど)では、理由は不明だが「みんな」の変換候補の最初や2番目に出てくる。そのため、Twitter検索にかけると「皆んな」という表記も1分間に数件投稿されるほどには見かけられる。
ニコニコ動画でも「皆んな」がタイトルや動画説明文に含まれるものはキーワード検索で471件となっている(2023/07/17時点)。ちなみにニコニコ静画は82件、ニコニコ生放送は102件である。
ただし、iOS以外ではなかなか変換候補に出てこないためか、スマホやタブレット入力が長らく使いづらかったニコニコ大百科の記事本文の場合については、「皆んな」という表記を使っているのはわずか2件のみとなっている。
誤記か?
内閣告示の「改定送り仮名の付け方」では「名詞は,次のイに述べるもの(注:活用のある語から転じた名詞)を除き,送り仮名を付けない。」となっている。そのため、やはり名詞である「皆」にも送り仮名をつけないのが現在は一般的、かつ法令・公用文書などの正式な文章の場合はあまり「皆んな」を使わないほうがよいと言えるかもしれない。
ただ「送り仮名の付け方」の「運用」の欄には「漢字を記号的に用いたり,表に記入したりする場合や,固有名詞を書き表す場合を対象としていない」「科学・技術・芸術,その他の各種専門分野における表記や個々人の表記にまでこれを及ぼそうとするものではない」とも書かれているので、個人の使用にまで制限をするものではないと思われる。
「皆」だと「みな」か「みんな」か区別がつかず、平仮名で書いてしまうと他の平仮名の中に埋もれてしまって読みづらいという理由で、間違っていることを承知の上であえて「皆んな」を使う、とする声もある。ただ、「やはり気になる」「『みんなんな』『みなんな』と読んでしまう」という意見もある。
どの程度「皆んな」という書き方が気になる人がいるかは、当記事上部のアンケートが参考になるかもしれない(閲覧者に偏りがある可能性も考えられるので、あくまで参考程度に)。ちなみにコロモーで行われている245名(2023/07/17時点)が回答したアンケートでは、「皆んな」という表記について「気になる」が約9割となっている。
「皆んな」の表記の経緯
戦前から「皆んな」という表記は見られている。
「俺ァ行きたくねえや……」皆んなそう言った。
綴り方の時にこういう作文を出したら、先生が皆んなにそれを読んで聞かせて、「寝る時にも手に持って寝ます。寝る時にも手に持って寝ます」と二度そのところを繰返してわはははとお笑いになりました。皆んなも、先生が大きな口を開いてお笑いになるのを見ると、一緒になって笑いました。僕もおかしくなって笑いました。そうしたら皆んながなおのこと笑いました。
また、「皆な」という表記も見られた。この読みが「みな」か「みんな」かは不明。
戦後になっても、坂本九の楽曲『皆んなで笑いましょ』など、一部にこの表記が残っていた。
ちなみに1955年の時点で、「皆んな」は「私くし」「時き」と同様に「名詞の場合にも仮名が漢字の外にはみ出している」として誤りとみなす論文がある(鈴木美智子「中學生の作文のあやまりから基礎學力及び國語教育について」, 日本文學 5, p.94-105.)。
ただ、当時は送り仮名の表記については「大した統制もなく伝わりつぱなし」になっていたため、「送り仮名の状態は、大人の文章に於いても不揃い」となっていたとも書かれている。
例えば「あぶない」の表記も「危ない」のほか、平仮名のままの「あぶない」や一字省いた「危い」が混在していた(→「危い」の記事参照)。恐らく「皆んな」もその1つとして見なすことができるかもしれない。
1948年の当用漢字(現在使われている常用漢字の前身)の表で「皆」に「みな」という送り仮名のない読みが示され、さらに先述した「送り仮名の付け方」が出たことによって、それに倣って徐々に「みんな」も「皆」と書かれるようになったと思われる。
辞書での「みんな」
基本的には辞書で「みんな」を引くと漢字表記として「皆」が掲載されていることが多い。
しかし、『新明解国語辞典』(第八版)に関しては、「皆(ん)な」という表記が載っている。ただ、「みな」の方は「皆」となっている。
常用漢字表での「みんな」
そもそも常用漢字の「皆」には「みんな」という読み自体がなく、訓読みとしては「みな」のみが掲載されている。もちろん常用漢字表に載っていない読みだからという理由だけで誤りとなるわけではない(例えば「愛」について、常用漢字表にない「愛しい」という読みが否定されているわけではない)。
ただ、この表に従って「みな」が送り仮名なく「皆」と表記されるのであれば、「みんな」も「皆」と表記されるのが現在は一般的と考えられるかもしれない。
関連動画
関連項目
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