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盂蘭盆会(うらぼんえ)とは、以下の意味を表す。
本記事では、1.について説明する。 |
盂蘭盆会(うらぼんえ)とは、仏教行事の1つである。
概要
日本で行われる仏事の一つ。毎年7月13日から16日の間に行われる。地域差があるようで、関東地方では1ヶ月遅れて8月中ごろに行う事もある。お盆の愛称で一般的に知られている。お盆期間中は地獄の釜が開くため、その期間中に先祖の霊が彼岸(あの世)から戻ってくると信じられており、子孫がお墓の手入れをしたり、精霊棚(しょうりょうだな)を作って先祖を招き入れる準備をする。この季節になるとナスやキュウリに割り箸を突き刺した奇怪な置き物を見かけるが、これは先祖が乗ってくる乗り物。キュウリは馬を表し、先祖に早く来てもらいたいので駿馬を用意するという意味合いである。逆にナスは牛を表し、別れを惜しんで遅く帰って欲しいという意味がある。
なお盂蘭盆会の期間中、地獄では鬼は絶対に休まなくてはならない。これが現在の学校や職場の「お盆休み」に繋がっている。
神道にもお盆がある。こちらのお盆は仏教伝来前から存在した『祖霊祭』という行事から始まったもので、帰幽した祖霊の今後の安寧を祈るものである。盆飾りや迎え火など、いろいろと仏教に似た部分がある。
広く伝わっている説によれば、「盂蘭盆」とはインド仏教で使われる言語サンスクリットの単語「ウランバーナ」から来ているとされている。これは逆さ吊りを意味する。SMかな？
上記の「逆さ吊り」語源説は玄奘三蔵の弟子・玄応が7世紀に著した『一切経音義』における解説に基づくものである。ただし、この玄応の解説に対して異論を唱える学者もいる。
例えば「この説って玄応の勘違いだったんじゃねえの？「盂蘭」はサンスクリットやパーリ語で「ご飯」を意味する言葉「オーダナ(odana)」の口語形の「olana」の音写で、「盂蘭盆」はそのまんま「（お供えの）ご飯を入れた鉢」って意味じゃねえの？」[1]（要約）という説も提唱されている。
ただし、この行事の根拠となった経典「盂蘭盆経」であるが、中国人が作った偽経であるという可能性が高い。そもそも宗派にもよるが、仏教の死生観は基本的に輪廻転生であるので、死んだ人は極楽浄土に行ったか、その辺のでんでん虫に生まれ変わったか、はたまた解脱してブッダになったかしているはずなので、帰ってこないはずである。このように宗派によっては矛盾した行事である。実際には祖先崇拝などは儒教の影響であって、儒教や日本古来の死生観が仏教に取り入れられた結果だと思われる。
由来のエピソード
釈迦の弟子の中に、目連という人物が居た。彼は母親から寵愛を受け、心身ともに正しく育った。死別したあとも母親を敬慕していた。目連は修行の末に、神通力を手にした。これを使って死後の母親がどうなっているかを覗き見た。すると母親は焦熱地獄に落ちていて、獄卒から逆さ吊りにされて責め苦を受けていた。あんなに優しかった母親が何故地獄に？と驚愕する目連。いてもたってもいられなくなった彼は地獄に赴き、苦しむ母親に会いに行った。母親は息子に水一杯を求めたが、持ってきた水は焦熱地獄の熱気で湯立ち、食糧は火だるまとなっていた。経典には目連は絶叫したと書かれている。
現世に戻った目連は、師匠の釈迦に助けを求めた。そこで明かされたのは母親の悪行だった。実は母親は確かに目連には優しかったが、あまりにも可愛がりすぎて、苦しむ他の子供には一切慈悲を与えなかったのである。助け合いの精神を忘れ、道理を外れた母親は死後地獄に落ちる事になったのだった。嘆く目連に、釈迦は夏の修行が落ち着く7月に僧侶を集め、地獄に居る全ての人々のために法事を行うよう助言した。
お供え物として百味、百果が捧げられた。そして各地から集まった僧侶の手で法事が執り行われ、町の人もたくさん集まった。目連が地獄に行って見ると、母親は白い雲に包まれて嬉しそうに天へと昇っていく所だった。母親以外にも地獄に落ちた人々が昇天していった。目連は大喜びし、「もし後世の者がこのような行事を行えば、たとえ地獄にあろうと助かるのでしょうか？」と釈迦に問うと、「孝順心を持って行えば必ず善き事が起きる」と嬉しそうに答えた。こうして盂蘭盆会が始まったといわれている。
こんな盂蘭盆会も
8月23日・24日（もしくは7月24日前後）には一部地域で屋外に建つ地蔵菩薩のお盆として『地蔵盆』なる行事をおこなう事もある。この日には地蔵菩薩を掃除し、よだれかけ等を新品のものと取り換えたり灯篭を立てたりお菓子をお供えするなどして、近所の子供達の加護を祈る。
地域の子ども達を一堂に集めるため、この機会に合わせてちょっとした遊びなど何かしらの小さなイベントを開催することがある。
関連動画
関連項目
脚注
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