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直木賞とは、芥川賞とともに日本で一番有名な文学賞。大衆文学の新人に贈られる(建前上は)。

最新の受賞作は、朝倉かすみ『けんぐゎい』(第175回)。

第175回 候補作家と候補作品

第175回選考委員

浅田次郎 / 角田光代 / 京極夏彦 / 桐野夏生 / 辻村深月 / 林真理子 / 三浦しをん / 宮部みゆき / 米澤穂信

概要

正式名称は「直木三十五賞」。選考は1月と7月の年2回、芥川賞と同時に行われる。主催は日本文学振興会(文藝春秋社の社内団体)。

一人の作家が二度以上受賞することはできない。また、芥川賞との重複受賞もできない。フィクションにはわりとよく「芥川賞と直木賞をダブル受賞した天才作家」が出てくるけどルール上不可能です。

菊池寛が、「文藝春秋」の売上が落ちる2月と8月に話題を作るために、芥川賞とともに創設した……というのは都市伝説らしい。主催が実質文藝春秋社なので文藝春秋社の作品が受賞しやすい(例として、第131~140回の受賞作12作品のうち9作品が文藝春秋社刊。さすがに露骨すぎたのか141回以降は割合が下がっている)。

名目上は(若手作家が対象という意味での)「新人賞」であるが、受賞するのはデビューから10年前後が経過した中堅以上の作家であることが多い。選考委員よりキャリアの長い作家が候補になることもある(デビュー30年目で受賞した佐々木譲や黒川博行など)。これは選考の際に「これから先も書き続けていけるかどうか」なども考慮されることや、初めて候補に選ばれた作家は好評でも「もう一作見たい」という常套句で落とされることがままあるため。

ベテランが候補になることもあるとはいえ、受賞していなければ誰でも候補になれるのかというとそうでもなく、コンスタントに候補になっては落とされる人はそのうちいつの間にか候補にならなくなり(真保裕一、宇江佐真理、三崎亜記、古処誠二、伊東潤など)、かと思えばずっとスルーしていた作家を唐突に候補にしたり(歌野晶午とか貴志祐介とか)、過去に落としてから10年以上放っておかれた作家が復活してくることもある(20年近くのブランクを経て候補になった佐々木譲や安部龍太郎の例がある)。デビュー34年目の佐藤正午が初候補で受賞するなんてこともあり、はっきり言って候補作の選定基準は謎。

また、直木賞の受賞は既刊を含めた売上に直結するため、デビュー作やデビュー数作目で受賞してしまったりすると(2000年以降だと金城一紀『GO』(デビュー作)、川越宗一『熱源』(2作目)などの例がある)、売る本が少ないため本人にとっても書店にとっても美味しくなかったりする。もっとも最近は商業的影響力では本屋大賞に大きく水をあけられている感は否めない。
最近は直木賞サイドも売り上げに繋げたい書店サイドの要望に対応するようになり、それまで選考会の2週間前ぐらいだった候補作発表を2014年の第150回から1ヶ月前に変更、さらに2026年の第175回からは対象期間を1ヶ月前倒しして候補作発表を2ヶ月前に変更している。

受賞のタイミングをよく外すことでも有名で、各作家の代表作に受賞しているとは言い難い。宮部みゆきが最高傑作と名高い『火車』で落とされ『理由』で受賞したり、浅田次郎が『蒼穹の昴』で落とされ『鉄道員(ぽっぽや)』で受賞したり、佐々木譲が『警官の血』で落とされ『廃墟に乞う』で受賞したことなどはその典型で、渾身の力作を落としたあとでわりと地味な作品に受賞することが結構ある。このため、直木賞は「作品ではなく作家に与える賞」という側面がある。これは別に最近に限った話ではなく、例えば池波正太郎や藤沢周平もそんな感じで受賞しており、昔からの直木賞の性質である。SF・ファンタジーが受賞しないことでも知られ、筒井康隆は小説『大いなる助走』で直木賞の選考過程を皮肉っている。

何度も候補に挙げられては落とされ続ける作家が多い。宮部みゆき、東野圭吾、北村薫、恩田陸、万城目学などは5回落選し6回目で、馳星周は6回落選し7回目で受賞している。道尾秀介は第140回の初ノミネートから5回連続候補入り(5回目で受賞)という記録を作った。ちなみに最多落選回数は古川薫の9回(『漂泊者のアリア』で10回目にして受賞)。

頻度はそれほど高くないが、「受賞作なし」になることもある(芥川賞も同様)。直木賞の受賞作なしは第173回時点で過去30回あり、芥川賞と両方が受賞作なしに終わったのは過去6回(1942年上半期・第15回、1953年下半期・第30回、1971年上半期・第65回、1994年下半期・第112回、1997年下半期・第118回、2025年上半期・第173回)。

かつては同人雑誌の掲載作や雑誌掲載の短編が候補になり受賞することも多かったが、現在は候補作に選ばれるのはほぼ四六判単行本に限られている。ノベルスは昔から候補になりにくく、第143回では万城目学の『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』が新書版の本としては30年ぶりぐらいに候補になった。

第144回以降、芥川賞とともに受賞記者会見の模様がニコニコ生放送で中継されている。もっとも、西村賢太と田中慎弥が話題になった芥川賞に比べると、直木賞はあまりその恩恵を受けてはいないが……。

2014年からは、現役高校生が年に一度、直近1年間の直木賞候補作から独自に受賞作を選ぶ高校生直木賞が実施されている。ちなみにそちらの受賞作は第6回まで全て直木賞落選作であったが、第7回で本家直木賞第161回受賞作『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』が受賞し、本家との初のダブル受賞を成し遂げた。

大百科に記事のある受賞作

大百科に項目のある受賞作家

大百科に記事のある候補作

大百科に項目のある候補作家

似たような文学賞

吉川英治文学新人賞

講談社が後援する、大衆文学の新鋭作家の作品に贈られる賞。

新進作家の「出世作」的な作品に与えられることが多く、直木賞の前に獲っておきたい賞、というポジション。だが、意外と直木賞との重複受賞率は高くなく、21世紀に入ってからの受賞者(2026年時点で38名)のうち直木賞を獲ったのは第25回の垣根涼介、第26回の恩田陸、第30回の朝倉かすみ、第31回の池井戸潤、第32回の辻村深月、第36回の西條奈加、第39回の佐藤究、第41回の今村翔吾、第43回の一穂ミチの9名。近年の受賞作の傾向的には直木賞より本屋大賞寄りの賞。また、同一作品で直木賞とダブル受賞した例はない。

詳しいことは吉川英治文学新人賞の項を参照。

ちなみに「新人」のつかない吉川英治文学賞の方は、功成り名を遂げたベテラン作家の力作に与える功労賞である。

山本周五郎賞

新潮社が後援する、物語性の優れた作品に贈られる賞。

直木賞を獲ったあとに山本賞を受賞した例は無く、直木賞を獲れなかった(もしくは獲れなさそうな)作家の残念賞的なポジション(ただし両方を受賞している作家も結構いる)。直木賞では受賞の可能性が低いファンタジーやSFなどにも割と理解がある。

こちらは21世紀になってからだと、直木賞を受賞した受賞者は第14回の乙川優三郎、第15回の江國香織、第16回の京極夏彦、第17回の熊谷達也、第18回の荻原浩と垣根涼介、第20回の恩田陸、第22回の白石一文、第23回の道尾秀介、第24回の窪美澄、第27回の米澤穂信、第31回の小川哲、第32回の朝倉かすみ、第34回の佐藤究、第36回の永井紗耶子の15名。
うち、同一作品での直木賞とのダブル受賞は、熊谷達也『邂逅の森』(第17回)、佐藤究『テスカトリポカ』(第34回)、永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』(第36回)が達成している。

詳しいことは山本周五郎賞の項を参照。

で、ぶっちゃけどう違うの?

直木賞は「獲るとそこそこ売れる」賞、
吉川英治文学新人賞は「売れると獲れる」賞、
山本周五郎賞は「売れなくても獲れる」賞、と書くとわかりやすい(もちろん非常に大雑把な定義なので必ずしもこの通りではない)。

吉川新人賞、山本賞、直木賞の三冠達成者は現在、船戸与一、宮部みゆき、恩田陸、佐藤究、垣根涼介、朝倉かすみの6名。
なお、吉川新人賞、山本賞ともに、直木賞を既に獲っている作家は候補にならないという暗黙の了解がある。

余談だが、純文学の方でも芥川賞への対抗馬的な賞ととして、やはり講談社が後援する野間文芸新人賞と、新潮社が後援する三島由紀夫賞がある。

その他

2004年にスタートした書店員の投票で決定する本屋大賞は、その設立のきっかけに「直木賞の受賞作が読者の支持と一致しない」ことへのカウンター的な側面があったため、直木賞受賞作がノミネートされてもなかなか受賞することはなかった。第14回で恩田陸『蜜蜂と遠雷』が初のダブル受賞を達成。

2010年には角川書店が、文学性よりもエンターテイメント性の強い作品に与える賞として山田風太郎賞を創設。第1回で貴志祐介『悪の教典』、第2回で高野和明『ジェノサイド』と2回続けて直木賞で落選した「このミス」1位の作品が受賞、第4回でも直木賞で落選した伊東潤『巨鯨の海』が受賞など、初期はこちらも直木賞に対するカウンター的な印象があったが、第9回で真藤順丈『宝島』が直木賞とダブル受賞を果たしてからは、第12回の米澤穂信『黒牢城』、第13回の小川哲『地図と拳』と直木賞とのダブル受賞が相次いだ。
文庫やノベルスでも候補にするという規定だが、実際の候補作のラインナップは直木賞や吉川新人賞・山周賞とわりと似通っている。

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直木賞

20 ななしのよっしん
2015/08/21(金) 00:17:02 ID: goSFOcRAFk
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21 ななしのよっしん
2015/09/13(日) 16:17:15 ID: IiB7/YA/fw
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22 ななしのよっしん
2016/01/19(火) 14:54:12 ID: HGuatYNxUf



>>lv245816168exit_nicolive

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23 ななしのよっしん
2016/03/19(土) 05:01:57 ID: gjBpejPFAP
『蒼穹の昴』が落とされたってここで初めて知った
冗談だろ……
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24 ななしのよっしん
2016/06/17(金) 00:58:43 ID: NuE4f29ayy
東野圭吾がずっと落選してたのは某選考委員が狙ってた女取られて恨んでたって話は本当なのかな
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25 ななしのよっしん
2016/07/19(火) 15:18:35 ID: dp50VGXoxu

>>lv267120963exit_nicolive
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26 ななしのよっしん
2023/03/30(木) 20:54:11 ID: 4ZVB4gMfHD
成瀬は天下を取りにいくは数か月ごとに違うイラスト出したりして売れるだろうがこの賞は取れるか
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27 ななしのよっしん
2023/07/19(水) 19:36:15 ID: heqnitJO+n
今回の直木賞は垣根涼介さんの「極楽征夷大将軍」
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28 ななしのよっしん
2024/03/21(木) 16:23:00 ID: HGuatYNxUf
>>lv343038958exit_nicolive

ゲストに「塞王の楯」直木賞作家の今村翔吾さんと、
デビュー作「成瀬は天下を取りにいく」が大ヒット中の宮島未奈さん
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29 ななしのよっしん
2026/01/21(水) 16:10:06 ID: HGuatYNxUf
直木賞受賞作『黒牢城』映画化、2026年に公開決定。城という密室の中で起きる殺人と怪事件に、城主と囚われの天才軍師が挑む。黒沢清氏が監督を務め、本木雅弘さん、菅田将暉さん、吉高由里子さんらが出演
2026/01/21 10:10
https://news.nicovideo.jp/watch/nw18844862?news_ref=topiclist_topiclistexit_niconews
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