知床とは
この記事では、北海道東部(道東)の「知床」について記述する。
概要
斜里町と羅臼町にまたがる知床半島を中心とした地域。名前の由来はアイヌ語の「シリエトク(大地の果て、突き出た所)」で、その名の通りオホーツク海へ突き出た半島である。
原生的で豊かな自然環境が残っており、周辺は知床国立公園に指定されている。また、2005年7月には世界遺産(自然遺産)として登録されている。
地理
半島の先端は知床岬で、中央部には知床連峰が連なる。最も高い羅臼岳(1661m)をはじめ1500m程度の火山が連なっているが、高緯度地域であるために気象条件は本州の3000m級の山々に匹敵する。
冬になるとオホーツク海の流氷が押し寄せる。流氷は沿岸の漁場を豊かにするほか、観光資源にもなっている。ちなみに、知床は流氷が漂着する海岸としては北半球で最南端である。
半島中部を国道334号(知床横断道路)が走る。沿道には知床峠やオシンコシンの滝など見所が多い。
また、知床半島は根室海峡を挟んで国後島と向かい合っている。動植物には海峡を超えた交流がみられ、その生態系は一体化している。
世界遺産
登録名は「知床」。登録地域は遠音別岳から半島先端部にかけての約7万ha。中央部の核心地域(コア・ゾーン)と周辺の緩衝地域(バッファ・ゾーン)、および海岸から3km沖の海域が含まれる。
知床は海と陸の生態系の相互関係を見ることができる。冬の流氷で運ばれてきたプランクトンによって海が豊かになり、アザラシなどの海獣類、オオワシなどの鳥類、ヒグマなどの哺乳類がその恩恵を受けている。また、シマフクロウやシレトコスミレなどの絶滅危惧種・固有種も数多く生息しており、知床の多様な環境が生物多様性を支えている。
加えて、知床の環境を保護・管理する体制が整っていることが評価され、2005年7月に世界遺産として登録された。
登録後の課題
他の自然保護地域と同様に、過度な観光地化が懸念されている。特に動物との接触(餌付けなど)は、野生環境の破壊になるほか、人間に対して攻撃してくる可能性が考えられるため絶対にしてはならない。
また、人の手が加えられていないエリアへの侵入は、十分な装備・知識があっても危険を伴う。特に半島先端部は原始性の高い状態で保全を図っているほか、自然環境も格段に厳しいため環境省から立ち入り自粛要請が出ている。それでも立ち入る場合はすべて自己責任でどうぞ。
ギャラリー
いずれもニコニ・コモンズより
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関連項目
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