石勒単語

セキロク
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石勒274333)とは、五胡十六国時代の武将。

奴隷の身分から西崩壊の過程の混乱の中で頭を現し、の創始者となって中原に覇を唱えた。

概要

若年期(部族長から奴隷へ)

274年、并州の上党に生まれる。初名は㔨勒人ではなく「」という異民族の出であり、その中の小さな部落の長の系であったとされている。

父親は粗暴で全く人望がなかったが、㔨勒は成長するにつれての扱いに非な才を見せ、若くしての代わりに部族長のような立場となり、人々に慕われていたという。

転機となったのは并州で大飢饉が発生した時で、生活に困った㔨勒は羯の人々を連れて職をめて南へと向かったが、そこで并州刺史司馬騰配下の兵に捕らえられ、暴行された上に人身売買に掛けられるという大変な恥辱を味わった。

結局の所、㔨勒は師懽という人に買い取られ、そこで農作業などをさせられていたが、ほとなくして師懽も㔨勒がただものではない事を感じ取り、奴隷の身分から解放することとした。

華北を脅かす野盗軍団

解放されたとはいえ、すでに齢30に達していて文字もさっぱり読めない上に異民族であるという人生軽く詰みの㔨勒であったが、利きの才があったことから師懽の近所の牧場のであるという男に拾われ、そこで世話になる事となった。

305年、三を統一したはずの西であったが、くも八王の乱という泥沼の内戦によって大いに乱れており、この混乱に乗じて成り上がりの野心を持った桑は挙兵して大将軍を自称する。この頃、桑は㔨勒「石」姓を名乗るように勧め、「石勒」と名乗りめた

桑はすでに死亡していた八王の一司馬穎のを掘り返して輿に祭り上げ、その復讐を大義にして各地を荒らし回り、その中で石勒も持ち前の武勇を大いにかせて名を挙げた。この戦乱の中で石勒はかつて自分を奴隷に貶した司馬騰とその一族を殺して、鄴のを焼き払った。

略奪と刺史殺しを行いながら暴れまわる桑軍団に手を焼いた西は戦上手の苟晞を投入して鎮圧を図り、この苟晞の前に桑軍団は致命的な大敗を喫して離散し、桑は討ち死に。石勒も命からがら落ち延びる事となる。

劉淵に臣従する

破れた石勒は胡人を引き連れて并州へと逃げたが、そこで㔨督・突に保護され重用されるようになると、やがて彼らに「」を旗揚げして王を称していた劉淵への帰順を勧めた。そして㔨督・突がってへの帰順を誓った際に、劉淵は石勒の才を認め将軍王へと任じる。

での立場を確保した石勒はますます勢いづき、各地で西の武将を打ち破り勢を拡大。この過程でなど国家運営を担える有人の官僚を確保して組織化を進めていき、311年に陽を攻略した際には騎で西を壊滅させ、捕らえた司馬一族50人以上を容赦なく殺した。

独立勢力化

しかし、活躍の一方で石勒は徐々に野心を見せ始め、すでに310年には将軍であった王弥を殺してその勢を吸収しており、劉淵の跡を継いだ聡の代には徐々に忠義に疑問符のつく行動を見せ始める。

その後も冀州・州・并州を一挙に定し、鮮卑段部などの異民族を屈させるなど華北東部の定において石勒の立てた功績に並ぶものは存在しなかったが、聡が死亡した際に補政のために中央に来るように要されるとこれを断固として拒否してそのまま兵を持ち続けた。

の5代皇帝の代に中央との対立は決定的となり、石勒は離反。石勒はに任じられていたため、自身の治めるの名前を「としたが、一方で曜も長安へと遷都して故事に倣いこちらも号を「」とした。そのため、史書では便宜上長安を都とした曜の、襄を都とした石勒のと呼び分別されるようになった。

華北の覇権を巡って

崩壊後は華北東部を治める石勒と西部を治める曜の二大勢に別れたが、すぐに両者で雌雄を決する対決は起きなかった。石勒は西の後継国家である東や鮮卑との戦いを継続し、曜も西残党の勢の掃討に専念したからである。

石勒は法の整備や戸籍の管理、学校の充実などの施策を行ってを充実させ河流域の東の勢圧迫して勢を広げたが、一方で曜も荊州・益州・雍州などにおいて急速に勢を伸ばして体制を立て直しており、両者の衝突は不可避であった。

決戦

328年、州の前をも臣従させた曜に危機感を持った石勒は、河東攻略を甥の大将軍石虎に命じて兵したが、曜はここで勝負に打って出て、領内のかなりの兵を抽出して東進を開始して石虎を打ち破ると、そのまま一気に進軍して陽を包囲した。

曜の本気を見て取った石勒はこちらもこれまでの人生で得たチップの大半をベットした作戦でこれを迎え撃つ。後領内のかなりの兵を抽出して陽へと向かい、周辺勢が介入する間もない短期決戦速に大軍を率いている曜をくべきだと強引に決定(建議で反論した側近を処罰、反対するものがいれば次は死刑にすると恫)して勝負に臨んだ。

石勒は曜が成皋関(虎関)に兵を置いていれば上策、を守備していれば次計、何もせず陽にいるならば生け捕りに出来る」したが、成皋関まで何事もく到達できた事で曜の備えが甘いことを察して勝利を確信し、まずを差し、次に自らの額をして「よ!」と叫んだとされている。

石勒の読み通り、曜は石勒がこのような勝負に打って出るとは思っておらず、また石勒が攻め込んできた日にをしこたま飲むという失態を犯しており、石勒の本隊出現に慌てて布を整えたが酩酊状態で碌な揮も取れずに散々に打ち破られ、石勒の宣言通りに生け捕りにされた。

石勒は曜が臣従を誓うのであれば助命する事もやぶさかではなく、降伏勧告を書かせたが、曜は「社稷を維持せよ」という書状を書いたので、不快感を覚えた石勒は結局曜を殺。後日、前の領土へと石虎を攻め込ませ、前を滅ぼして華北定を成した。

皇帝即位~死まで

330年、ついに石勒は「」を称し、これに即位する。後は前・代などを屈させて、いよいよ江南に寄る東の勢と荊州で衝突したが、これを東方の名将である陶侃・郗鑒らが押し留めた。

しかし、絶頂期にあった後であったが、老齢に達した石勒に残された時間は少なく後継者問題が持ち上がると朝廷は紛糾する事になる。石勒には世子であるがいたが、軍人としての実績は石虎が抜群であり、有な武将を多く抱えていて危険視されていて側近から粛清を勧められたが、中華定まで未だ半ばの段階で石虎の才を失うことを惜しんだ石勒はこれを聞き入れなかった(石虎は粗暴な人物であったが、石勒の前だけでは礼儀正しく、態度もが低かった)。

333年に石勒は没した。享年60。跡を石が継いだが、危惧通りに石虎は簒奪を行い翌334年には3代皇帝に就任している。

人物

幼少より武勇に優れ、こと騎射隊を率いさせては野盗時代から優れたものがあり、官軍も対応に難渋するほどであったが、反面教養は全くく終生文盲であったという。

しかしながら明晰な人物であり、賓を謀としてからは策にも長じ、口八丁で相手を丸め込んだり、泣き落としのような態度から巧みな騙し討ちを仕掛けたりと徐々に戦術・戦略ともに心得た成熟した将へと成長した。

文字読み書きこそ出来なかったものの、史書を臣に読ませて聞くのを好む勉強熱心な人物であり、やがて口伝のみであるにも関わらず籍の知識でも人の士大夫や儒に称賛されるほどとなった。

一方で短気な人物で、一時の情で臣を処罰してしまって後から後悔してしまったりする逸話なども数多い。

匈奴や鮮卑にべればかに弱小で、飢饉一つで離散に追い込まれてしまうような「羯族」が五胡の一に数えられているのは、この石勒の覇業が大きな理由となっている。

名言

石勒は部下との宴会の席で歴史上の皇帝と自らを較してこう発言したとされる。

もし朕が高皇(劉邦)に出会ったならば北面してこれに仕え、彭(韓信・彭越)とを競って功を争うだろう。光武劉秀)に遇したならば共に中原を駆け、下の覇権を取り合ったであろう。大丈夫が事を行う時は明正大に、日を皎然とするべきであるのだ。曹徳(曹操)や司馬仲達子(司馬懿司馬師司馬昭)のように、孤児(献帝)や寡婦(太后)を欺いて下を取ってはならぬのだ。

要するに下を取るならば一から堂々と事を起こすべきであり、沛の任侠から皇帝に至った劉邦は尊敬に値する人物で、劉秀は落ちぶれたとは言え元々が種である所から覇権を取ったので中原の覇を競う事になろうが、割拠するに当たって献帝を担いで後漢の威を利用した曹操や、大后の勅を利用して曹から簒奪を働いた司馬一族は取るに足らぬ小物であるという事であるらしい。

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石勒

1 ななしのよっしん
2019/06/11(火) 20:52:24 ID: SjdHSmwkVx
に先駆けて華北をほぼ統一したけど、統治が十分行くまでに本人の寿命が足らなかったな。
臣は石勒はべた褒めだったけど石虎はボロクソ批判してたなあ
2 ななしのよっしん
2019/06/15(土) 21:03:50 ID: CEhcH3Ec3c
若い頃の脳筋ぶりからの成長速度が著しい
祖逖をいかにも人士大夫が好みそうな礼節正しい態度の懐柔策で和を結んで祖逖が死んだら途端にきっちり磨り潰しに行くとことか実に狡猾
3 ななしのよっしん
2019/06/25(火) 18:30:42 ID: fsT4eWrGVw
他の五胡諸の君の中でも、石勒と石虎って強立っている印がある。
凄腕の将軍・為政者であると同時に、暴君的要素もめちゃくちゃ強い二人。
4 ななしのよっしん
2019/12/07(土) 13:13:20 ID: rjjj4dcOwn
本宮ひろ志あたりに漫画化して欲しい

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