石田雨竜(いしだ うりゅう)とは、漫画『BLEACH』の登場人物である。
概要
父は石田竜弦で純血の滅却師。母は片桐叶絵で混血の滅却師。祖父は石田宗弦。祖母は石田依澄。
片桐叶絵は9年前、滅却師の始祖ユーハバッハによる聖別(アウスヴェーレン)により、力を取られその3ヵ月後に死亡した。石田宗弦は石田雨竜が幼少の頃、死神の救援が無く虚に襲われ死亡し、魂魄になった後、涅マユリに研究材料にされ見るも無残な姿になった。
師でもあった祖父が死神に見殺しにされたことで死神そのものを憎んでいた。しかし黒崎一護との衝突で心境に変化が起きている。以降は憎まれ口を叩きながら一護らと行動を共にするツンデレと化した。
最終章ではユーハバッハ率いる見えざる帝国側に身を置いている。何か思惑があるようだが...。
結構優秀な一族らしく彼も非常に頭がいい。学業ではトップクラスで一度聞いただけの耳慣れない名前を憶えていたりする。
使用技・武器・形態
弧雀(こじゃく)
大気中に偏在する霊子を押し固めて形成される弓矢。放たれる矢の破壊力は集められる霊子の量に比例し、それに合わせて形態も変化する。雨竜はこの弧雀を発生させる際に、媒介として「滅却師十字(クインシークロス)」を用いているが、雨竜の父・竜弦の弓は、五角形の滅却師十字を核とするものではない。
散霊手套(さんれいしゅとう)
霊子を高レベルで拡散させる力を持つ手袋。これを付けた状態で七日七夜弓を成す事が出来れば、散霊手套の霊子拡散能力を上回る霊子集束能力と、それを長時間持続させる力を身に付けた事となり、滅却師の高みに限りなく近付く事が出来る。ただしそうなると、その霊子集束能力は散霊手套の拡散能力無しには自身でも制御し切れないものとなり、散霊手套を外すと霊子集束レベルが爆発的に向上し人間が使用できるレベルではなくなってしまう為、余程の才のある者でない限り滅却師の力を失ってしまう。
滅却師最終形態(クインシー・レツトシュティール)
散霊手套を外した時の形態。霊子集束レベルが爆発的に向上し、大気中に偏在する霊子のみならず、霊子で構成された尸魂界の物質をも分解して自身の武器として再構築する事が出来、涅マユリはその様を「霊子の隷属」と評していた。戦闘能力は通常時より桁違いに高く、卍解したマユリを一撃で倒している。ただし反動で滅却師の力を失ってしまった。
ただし、「見えざる帝国」においては散霊手套と共に時代遅れの旧式として扱われ、よりハイリターンでローリスクな新型形態「滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)」に取って代わられており、完全に廃れている。伝統主義の石田一族だけが頑なに固執していたらしい。
装身具(そうしんぐ)
アニメ版で使用。滅却師の力を失っていた際に涅ネムから手渡され、これにより雨竜は一時的に滅却師の力を取り戻す。ただし出力は安定せず、タイミングによって強さが変わる。
銀嶺弧雀(ぎんれいこじゃく)
五角形の滅却十字を媒介に形成される特殊な形状の弓。霊力を取り戻した雨竜の新たな霊子兵装。弓を引きっぱなしにしていると無数の矢が次々と放たれ、最大で1200発の連射が可能。アイスリンガー・ウェルナール戦以降に使用している。
飛廉脚(ひれんきゃく)
滅却師の高等歩法。足元に作った霊子の流れに乗ることで高速移動が可能となる。雨竜は死神の瞬歩よりも上だと思っているが、実際は不明。
乱装天傀(らんそうてんがい)
無数の糸状に縒り合せた霊子の束を動かない箇所に接続し、自分の霊力で自分の身体を操り人形のように強制的に動かす超高等技術。この術を発動すれば手足が麻痺しても骨が砕けても霊力の続く限り動き続ける事が出来る。キルゲ・オピーも使用した。
銀筒(ぎんとう)
滅却師が霊力を溜めた筒状の道具。これを使って術を発動する事が出来る。あらかじめ霊力を溜めておく必要がある旧式の道具だが、使い方次第では大虚クラスの霊力を持つ虚とも渡り合える。
聖噬(ハイゼン)
「大気の戦陣を杯に受けよ(レンゼ・フォルメル・ヴェント・イ・グラール)」の口上で発動。銀筒を複数使用。柱上の結界で相手を攻撃する。
緑杯(ヴォルコール)
「盃よ西方に傾け(イ・シェンク・ツァイヒ)」の口上で発動。銀筒を二本使用。衝撃波を起こし、落下などの衝撃から自分の身を守る事が出来る。
五架縛(グリッツ)
「銀鞭下りて五手石床に堕つ(ツィエルトクリーク・フォン・キーツ・ハルト・フィエルト)」の口上で発動。銀筒を一本使用。五つの帯で相手を縛り付ける。
魂を切り裂くもの(ゼーレシュナイダー)
滅却師唯一の「刃を持った武器」(後述の通り決して「剣」ではない)。雨竜の父、竜弦が院長を務める空座総合病院内の隠し倉庫からパクッた拝借してきたもの。外見は柄から青い光が出て刃になっているが、チェーンソーのような武器であり、刀身の表面を霊子が一秒に300万回も往復している。振動で切る事により対象の霊子結合を弱め対象物の霊子を自身の霊子として奪いやすくする事が出来る。また、霊子を拡散させる敵との戦闘に際し、柄頭に霊子を蓄え、それを消費し、刃を一時的に回復出来る。後述の破芒陣(シュプリンガー)は、それを応用した技である。その外見や使い方から剣と誤解されやすいが実体はあくまで矢であり、霊子兵装と共に弓矢として使用される。
破芒陣(シュプレンガー)
ゼーレシュナイダーを使って描いた滅却印(クインシーツァイヒェン)の陣に敵を閉じ込め、銀筒に集めた霊子をゼーレシュナイダーに流し込む事で陣内で爆発を起こす技。術式に時間が掛かる性質上、一対一の戦闘で使用するのには向かないが、アニメ版では時折単独で発動する事がある。
封庫滅陣(ゲルトシュランク)
劇場版4作目で使用。ゼーレシュナイダーを使い相手の周囲を高密度の霊子で形成された立方体の結界で覆い、破芒陣と同種の結界を作り出す技。その後は破芒陣と同じく銀筒をゼーレシュナイダーに流す事で大爆発を起こす事が可能。
光の雨(リヒト・レーゲン)
相手の上空から銀嶺弧雀による無数の矢を一斉に放ち攻撃する。刀剣解放第二階層(レスレクシオン・セグンタエターバ)状態のウルキオラ・シファーには、一切の傷を与えれなかった。
白面くだし(はくめんくだし)
マユリが製造した破面専用の地雷を使い、相手をその地から落とす技。
光の風(リヒト・ヴィント)
劇場版4作目及びアニメ版で使用。前方の敵に向けて銀嶺弧雀による無数の矢を一斉に放つ。
血装(ブルート)
アニメ版で使用。血管の中に直接霊子を流し込んで、攻撃能力と防御能力を飛躍的に向上させる戦闘技術。攻撃用の「動血装(ブルート・アルテリエ)」と刃を通せない程の防御力を秘める防御用の「静血装(ブルート・ヴェーネ)」の二種類がある。欠点として、霊子システムがそれぞれ独立している為に片方の能力しか強化出来ず、双方を同時強化出来ない。
静血装(ブルート・ヴェーネ)
皮膚にあみだくじ模様のような紋様が浮かび上がり、修多羅千手丸の攻撃を直接受けても問題ない程に防御力が著しく上昇する。真世界城(ヴァールヴェルト)での阿散井恋次戦では、マスク・ド・マスキュリンを一撃で灰にした蛇牙鉄炮を無傷で耐えている。
完全反立(アンチサーシス)
ユーハバッハから授かった聖文字"A"の能力。指定した2点の間に既に起きた出来事を逆転させる事が出来る。ユーグラム・ハッシュヴァルト戦では受けた傷を逆転させる事で、自身は回復しつつハッシュヴァルトに大ダメージを与えた。ハッシュヴァルトからはユーハバッハの所有する全知全能(ジ・オールマイティ)にも対抗し得る力と評されていたが、彼が所有するより戦闘的な世界調和(ザ・バランス)の前には有効ではなかった。
アニメ版ではハッシュヴァルト戦に先駆けて使用され、ユーハバッハの位置と彼が投げたボタンの位置を逆転させる事で、彼を曳舟桐生の「命の檻」から脱出させた。続く千手丸戦では「自身が千手丸の反物で拘束された事実」を逆転させる事で、「千手丸が自分自身の反物で拘束された」事実に改変させた。
滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)
アニメ版で使用。背中から矢羽根のような一対の翼が生える。更に聖隷(スクラヴェライ)を発動する事によって、前腕と足が霊子で出来た該当部位で覆われ、心臓の部分に矢羽根を模った装飾が追加されるが、通常の完聖体とは異なり頭上に光輪(ハイリゲンシャイン)は出現しない。名称不明。
手掌によって矢羽根の形をした大量のファンネル神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)を自在に操る事が可能となるが、聖文字(シュリフト)の強化ではなく純粋な戦闘能力の強化であると思われる点はキルゲ・オピーの完聖体「神の正義(ピスキエル)」に近い。神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)からは小型のレーザーを発射出来る他、無数の神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)で敵の全方位を球形に囲んで爆発させたり、一つに収束させて強力な一撃を放ったりと、その戦法は朽木白哉の卍解「千本桜景厳」を彷彿とさせる。
初めて使用したのは千手丸戦だが、この時はまだ不完全だったのか発動時に鳴る鐘の音が歪んでいた他、翼自体も上手く形状を保っておらず、短時間使用しただけでも雨竜自身に大きな負担が掛かっていた。尚、千手丸の斬魄刀「刺絡」には刺した対象の霊子を操る能力があるのだが、雨竜は完聖体を発動する直前に刺絡でうなじを刺されており、それによって雨竜の中に秘められていた力が暴走、或いは強化された事で完聖体を使えるようになったとも見て取れる。
因みに、連載当時2chに以下のようなコピペが投稿され話題となったが、これが奇しくも現実となってしまった。
よく2chじゃ今さら石田が敵に回ってもとか言われてるけどさ、石田ってSS編時点でクインシー・レットシュティール使った時、ブルート・アルテリエ無しのハイリッヒ・プファイルでマユリ倒してるじゃん
その石田がヴァンデンライヒのシュテルンリッターになって、クインシー・フォルシュテンディッヒとブルートとAのシュリフトに付随する特殊能力覚えたとしたら十分脅威だろ
霊子収束力がレットシュティールより上なフォルシュテンディッヒならスクラヴェライの効果も劇的に上昇するだろうしな
そのうち完全反立(アンチサーシス)の強化版と思われる技を使う事もあるかも知れない。今後の活躍に期待しよう。
星くず(シュテルネンシュタウヴ)
無数の神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)を一つに収束させて巨大な五芒星型の神聖弓(ハイリッヒ・ボーゲン)を生成し、そこから五本のレーザーを一斉に放つ。一護の月牙十字衝には打ち消されてしまったが、チョコラテである彼は雨竜には当たらないように撃っていた為、雨竜は無事で済んだ。
聖隷(スクラヴェライ)
滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)時に使用可能な霊子の絶対隷属の名称。霊子で構成された存在全てを毟り取り、自らの力として吸収する。本来なら光輪(ハイリゲンシャイン)が無ければ使えない技の筈だが、何故か雨竜は光輪(ハイリゲンシャイン)無しで発動している。
フェーダーツヴィンガー
無数の神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)を五本の棒状に組み合わせて生成した滅却印(クインシーツァイヒェン)の陣に敵を閉じ込め、霊圧を根こそぎ奪い取る技。恋次はこの技を喰らった事で、卍解を解除された。
戦歴
相手 | 結果 | 詳細 |
VS メノスグランデ | 勝利 | 一護との連携で勝利した。 |
VS 阿散井恋次 | 敗北 | 単純に負けた。 |
VS 一貫坂慈楼坊 | 圧勝 | 修行の成果(散霊手套)を発揮した。 |
VS 涅マユリ | 辛勝 | 乱装天傀(らんそうてんがい)を発動し、滅却師最終形態で圧倒したが滅却師の力を失う。 |
VS 東仙要 | 敗北 | 2ページで戦いが終わった。(コミックス15巻参照) |
VS 石田竜弦 | 敗北 | 一方的な試合とはいえ、激しい戦闘だった。おかげで力が戻った。最後の銀筒が五架縛(グリッツ)ではなく聖噬(ハイゼン)なら多少の傷を与えられたらしい。 |
VS アイスリンガー・ウェルナール | 圧勝 | 銀嶺弧雀(ぎんれいこじゃく)をお披露目。 |
VS チルッチ・サンダーウィッチ | 勝利 | 倉庫から盗んできたゼーレシュナイダーを使って勝利した。 |
VS ザエルアポロ・グランツ | 引き分け | ザエルアポロが着替えのため退散したので引き分け。 |
VS ザエルアポロ・グランツ | 大敗 | 帰刃(レスレクシオン)の邪淫妃(フォルニカラス)によって、臓器や腱のいろいろを潰された。 |
VS ヤミー・リヤルゴ | 勝利 | ヤミーの足元に破面専用の地雷を置き、虚夜宮の一番下に落とした(白面くだし)。 |
VS ウルキオラ・シファー | 大敗 | 圧倒的な力によって腕をもぎ取られた。 |
VS 銀城空吾 | 敗北 | 不意打ちによって腕を切り落とされた。 |
VS 銀城空吾 | 中断 | 途中から一護が一人で銀城と戦い始めたので中断。 |
VS 修多羅千手丸 | 勝利 | 聖文字"A"の能力を使って勝利した。 |
VS 黒崎一護 | 勝利 | 一護の脇腹を貫き、霊王宮から落とした。 |
VS 阿散井恋次 | 勝利 | フェーダーツヴィンガーで恋次の霊圧を奪い取って勝利した。 |
VS 黒崎一護 | 中断 | そもそもハッシュヴァルトの目を欺く為に戦ってただけなので、一護と二人きりになった時点で中断。 |
VS ユーグラム・ハッシュヴァルト | 痛み分け | 負けそうになっていたがユーハバッハの介入によりハッシュヴァルトが瀕死の状態になってしまった。 |
関連動画
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- アスキン・ナックルヴァール
- エス・ノト
- キャンディス・キャットニップ
- キルゲ・オピー
- グレミィ・トゥミュー
- バズビー
- ジェラルド・ヴァルキリー
- ジゼル・ジュエル
- 蒼都(BLEACH)
- ナナナ・ナジャークープ
- バンビエッタ・バスターバイン
- BG9
- ペペ・ワキャブラーダ
- ペルニダ・パルンカジャス
- マスク・ド・マスキュリン
- ミニーニャ・マカロン
- ユーグラム・ハッシュヴァルト
- ユーハバッハ
- リジェ・バロ
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- ロバート・アキュトロン
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