破壊輪とは、漫画「遊☆戯☆王」に登場するカードである。
「防御輪」も本項で取り扱う。
概要
遊戯とタッグでのVS光の仮面&闇の仮面で初登場。
「シャイン・アビス」を破壊しようとしたが、「呪い移し」の効果で対象を「ブラッド・ヴォルス」に変えられてしまった。
準決勝の組み合わせを決めるためのバトルロイヤルでも登場。
城之内の「伝説のフィッシャーマン」の攻撃に対して発動したが、城之内は「墓あらし」でマリクの墓地の「痛恨の呪術」を発動、自分のダメージをマリクに移してライフを0にした。結果的には海馬の望むとおりの組み合わせになったが、このときは城之内に利用されてしまった形になる。
「遊☆戯☆王R」ではキースが所持するカードとして登場。
リストバンドに仕込んでおき、城之内とのデュエル中に手札に加えてセットしたが、ブラック・デュエルディスクの不正防止機能のために使用できなかった。
アニメDMでは後述するOCG(旧テキスト)と同じ仕様に修正されており、つじつま合わせに「防御輪」というカードと併用されている。
アニメオリジナルエピソードでも出番がある。
「乃亜編」での海馬VS乃亜戦では、乃亜の「怒りの牙のマンモス」を破壊し、同時に「防御輪」を使用してダメージを防いだ。
また、「ドーマ編」の遊戯&海馬VSダーツでは、ダーツの「ミラーナイト・コーリング」を破壊した。このときは「防御輪」を併用せず、お互いにダメージを受けている(ダメージ量は500と微々たるものだったが)。
アニメGXでは、第1話の三沢と試験官のデュエルで三沢が使用。
守備力の高いモンスターが相手フィールドに並んでいる状況で、自分の「ブラッド・ヴォルス」に対して発動。お互いにダメージを受け、残りライフが少なかった試験官のライフポイントを0にした。
万丈目とノース校四天王のデュエルでは万丈目が使用。
「切り込み隊長」を大量展開する戦術に対し、相手モンスターの数に応じて攻撃力を上げる「逆ギレパンダ」を召喚し、攻撃力4800となった「逆ギレパンダ」をこのカードで破壊。自分は「防御輪」で守りつつ、四天王にダメージを与えて一気に片付けた。
万丈目と明日香のデュエルでも万丈目が使用。
明日香の「ブレード・スケーター」を破壊し、お互いにダメージを受けた。
OCG版
「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ4 最強決闘者戦記 遊戯デッキ」(2000年12月7日発売)の同梱カードとしてOCGに登場。同ゲームのほかの収録カードにも言えるが、使用者と同梱先が一致していない。
2015年1月1日以降(現行テキスト)
テキストは以下の通り。
通常罠
※「決闘者の栄光-記憶の断片- side:闇遊戯」収録のカード(15AX-JPY51)による
「破壊輪」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):相手ターンに、相手LPの数値以下の攻撃力を持つ
相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
その表側表示モンスターを破壊し、
自分はそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受ける。
その後、自分が受けたダメージと同じ数値分のダメージを相手に与える。
旧テキストに慣れているといろいろと制限がありわかりにくいかもしれない。
発動できる。
その後、
ノーコストでフリーチェーン(発動タイミングの指定がない)の除去カードであり、汎用性は高め。ダメージ量も馬鹿にならないだけあり、十分に働いてくれるだろう。ただし、自分のライフが少ない場合は使えないのが難点。「神の宣告」などのライフコストを要求するカードを多用するデッキでは使用しづらい。
自分がダメージを受けるのと、相手がダメージを受けるのは同時ではない。
この効果によるダメージで自分のライフが0になった場合、「破壊輪」の効果処理中ではあるが、相手のダメージ処理は行わずに自分の敗北としてデュエルが終了する。そのため、ぎりぎりの状況で引き分けに持ち込む使い方はできない。
相手のLP以下の数値の攻撃力という条件は、発動時点で満たしていればよく、後からチェーンして発動したカードでライフポイントを減らしたことで攻撃力がライフポイントを上回ったとしても、問題なく処理される。
また、この条件は変動した攻撃力で判断されるため、元々の攻撃力が相手ライフより高いモンスターでも、何らかの効果であらかじめ攻撃力を下げておけば対象にできる。この場合でも、ダメージは元々の攻撃力で判断する。
上記のような方法をとればこのカードのダメージで引き分けや勝利に持ち込むことが可能。コンボになるのでどのデッキでもできるものではないが、「攻撃力を0にする」などの効果と併用してみるのも面白い。
イラストでは輪に手榴弾がいくつもつけられているが、海外では火の玉に改変されている。
このカードと似た名前の、「破壊指輪」(読みは「はかいリング」)が存在する。
自分の表側表示モンスターを破壊して、互いに1000ダメージを受ける効果である。
2014年12月31日まで(旧テキスト)
かつてのテキストは以下のようなものだった。
通常罠
※「STRUCTURE DECK-海馬編- Volume.2」収録のカード(SK2-038)による
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を破壊し、
お互いにその攻撃力分のダメージを受ける。
現行テキストとの違いは以下のとおり。
- 発動枚数の制限はない。
- 自分のターンでも発動できる。
- 攻撃力の指定はない。
- 自分のモンスターも対象にできる。
- ダメージは元々の攻撃力ではなく、フィールドに存在していたときの変化した攻撃力で決定する。
- お互いがダメージを受けるのは同時。
- 自分のダメージが変動しても相手のダメージ量には影響しない。
自分のライフポイントが多く、相手のライフポイントが少ない有利な状況であれば、高攻撃力のモンスターを破壊して相手だけライフポイント0にすることができた。攻撃を終えた自分のモンスターでもよいし、相手が反撃しようとして出したモンスターでもよい。
また、公式戦はマッチ(3回勝負)で行われるため、マッチ1戦目を先取した後に、2戦目、3戦目をこのカードで引き分けに持ち込み、1勝2分けで勝利するというプレイングもあった。追いつめられた場合にも、相手のライフが残り少なければこのカードで無理やり引き分けに持ち込むことが可能。
さらに、自分のダメージ量と相手のダメージ量が関係していなかったため、「地獄の扉越し銃」で全てのダメージを相手に押し付けるなどのコンボも存在した。
ノーコストの除去+大ダメージという効果は、使いどころは選ぶが非常に強力であり、2001年1月15日に準制限、2002年1月1日に制限カードとなり、2005年9月1日に禁止カードとなった。2006年9月1日に一度制限復帰したが、2007年9月1日に再び禁止カードとなった。
その後、2015年1月1日に、上記のとおりに弱体化して制限復帰した。当然ながら、旧テキストのカードも現行テキストと同じものとして扱う。
防御輪
上記のとおり、原作とアニメ・OCGで効果が違う「破壊輪」のつじつまを合わせるために登場したアニメオリジナルカード。原作には存在しないが、アニメで多用されたことから、「破壊輪」+「防御輪」は海馬を代表するコンボと見られることもある。
テキストからはわかりにくいが、アニメでは自分に対するダメージのみを無効にする効果だった。
「破壊輪」初登場と同じVS光の仮面&闇の仮面で登場したが、このときはやはりつじつま合わせのために「術移し」で対象を変えられてしまった(海馬がダメージを受けなければならない)。
アニメ版「王の記憶編」では、王の名をカルトゥーシュに刻むのを妨害しようとするゾークの攻撃に対して海馬が使用。2度目の攻撃を受けきれず、海馬は吹き飛ばされてしまったが、名を刻む時間を稼ぐことができた。
OCG版
「デュエリストパック-万丈目編-」(2005年10月20日発売)でOCGに登場。元々海馬のカードだが、万丈目が使用した縁からか、万丈目のデュエリストパックで登場することとなった。
※「デュエリストパック-万丈目編-」収録のカード(DP2-JP026)による
アニメテキストに忠実にOCG化された……のだが、裁定では相手のダメージも無効にするようになった。
何人のちびっ子が効果を間違えたことか……。
アニメのように「破壊輪」(旧テキスト)とコンボした場合、相手のダメージまで無効化してしまい意味がなくなる(除去はできるが……)。自分のカードとコンボする場合、ダメージを跳ね返せる「地獄の扉越し銃」のほうがよく、ダメージを防御するカードとして見てもより範囲の広い「ピケルの魔法陣」、「ハネワタ」などがある。
単体のカードとしての実用性はおろか、コンボができないためファンデッキでも使い道がない。
数少ない利点として、速攻魔法であるゆえに自分ターンに手札から発動できるということがある。
かつての「マジカル・エクスプロージョン」を利用した1ターンキルデッキでは、自分が後攻となった場合、罠カードで防御できない後攻1ターン目にいきなり発動される恐れがあったため、そのタイミングで防御可能なカードとしての使い道があった。しかし、現在はそのデッキ自体が制限改訂で構築困難になった上に、同じ使い方ができ、より汎用性が高い「ハネワタ」などが登場したため、今後同じような事態になったとしてもお呼びがかかることはないだろう。
テキストからはわかりにくいが、直前のチェーンブロックにあるダメージのみ無効化する。そのターンの全てのダメージに適用されるわけではなく、この点でも上記の防御カードに劣ってしまっている。
たとえば、「停戦協定」、「破壊輪」、「防御輪」の順番で発動した場合、1つ前の「破壊輪」のダメージは無効にできるが、2つ前の「停戦協定」には適用されない。
初登場以降、一度も再録されていない。
仮にアニメと同じ仕様でOCG化されていたとしても、2015年に「破壊輪」がエラッタされたため、アニメ同様のコンボはできなくなった。
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