「ダンガイオー、見参!」
『破邪大星ダンガイオー』とは、1987年から1989年にかけて発表されたAIC制作のロボットアニメである。OVA全3巻。
概要
1980年代後期、いわゆる"リアルロボット"が主流になっていた次期に作られた"スーパーロボット"アニメ。当時21歳だった大張正己氏を始め、当時まだ若手だったスタッフが中核となり制作されている。
当時流行の美少女や超能力要素が取り入れられているが、メインは往年のスーパーロボットアニメ要素である。外連味溢れるメカニック描写はもちろんのこと、神谷明氏の演じるパイロットや渡辺宙明氏作曲のBGM、水木一郎・堀江美都子両氏が歌う主題歌などもオマージュの一部であると言える。
最終回である第3話は「第1部完結編」と銘打たれているが、第2部以降は未だ発表されておらず実質未完。しかし続編として2001年に『破邪巨星Gダンガイオー』が制作されている。そしてこちらも未完。
あらすじ
天才科学者であるターサン博士は、自身が開発したスーパーロボット・ダンガイオーと、そのパイロットである少年少女4人を宇宙海賊バンカーに売り渡そうとしていた。
しかしターサンの作った人造人間であるとされていたミア、ロール、ランバ、パイの4人は、宇宙の各地から集められ記憶を操作された超能力者であった。
真実を知った4人はバンカーを脱走し、ダンガイオーと共に彼女たちを狙う追っ手に立ち向かうことになる。
主な登場人物
ダンガイオーチーム
- ミア・アリス (声:荘真由美)
- 主人公である地球人の少女。超能力は念動力に飛行、バリアなど幅広いが完全に制御できておらず、いわゆる「イヤボーン」的な感じで発動される。
- ロール・クラン (声:神谷明)
- ダンガイオーチーム唯一の男性である、おとなしく気弱な少年。超能力は走ることで衝撃波を纏い突進することだが、ほぼ一直線にしか進めない。普段は気弱だがダンガイオー搭乗時は普段と打って変わって(往年のスーパーロボットアニメの主人公のような)強気な性格になるが、この二面性の謎は最終話で明かされている。
- ランバ・ノム (声:岡本麻弥)
- チームで最年少の少女。超能力は指先からビームを放つこと。彼女の出生については第2話のメイン要素であり、同話は彼女の主役回になっている。
- パイ・サンダー (声:松井菜桜子)
- 褐色の肌が特徴の少女。超能力は怪力。その正体はガリモス大船長の娘のバリアスであったが、父からの命令を拒否したことでバンカーを離脱する。
- ターサン博士 (声:青野武)
- ダンガイオーを作り、ミア達を超能力兵士に仕立て上げた科学者。ミア達がバンカーを逃げ出したことから自身も追われる身となり、ミア達と共に逃げることになる
宇宙海賊バンカー
- ガリモス大船長 (声:緒方賢一)
- 強大な力により宇宙のブラックマーケットを牛耳るバンカーの首領。
- バンカー四天王
- 闘将メスティラ(声:塩屋浩三)、猛将ゴウティラ(声:大竹宏)、賢将サンティラ(声:郷里大輔)、妖将ダァティラ(声:阪脩)の4人で構成される四天王。
- ギル・バーグ (声:千葉繁)
- ターサンによって改造されたサイボーグ。ターサンが作った最強兵器の座から自分を蹴落としたダンガイオーチーム、特にミアに恨みを持つ。
ダンガイオー
ターサン博士がバンカーのために作った宇宙最強のスーパーロボット。漢字表記は「彈劾凰」。
普段は4機の戦闘機(ダン・メカニック)に分離しており、4人の精神力と心が正確に一つになったとき、ミアの「クロス・ファイト!ダンガイオー!!」のコールで合体する。合体後はロール機のコックピットでのみ操縦が可能。
ダンガイオーの能力にはパイロット4人の超能力が関係しており、普通に戦闘を行うだけでも体力を激しく消耗する。
主な装備・必殺技
- ダンガイビーム
- 額から発射する青色光線。
- ブーストナックル
- 前腕部(ランバ機部分)を射出する、いわゆるロケットパンチ。応用技に、組んだ両手を回転させて放つスパイラルナックルがある。 ダン・メカニックのコックピットは合体後も位置が変わらないため、使用するとランバが腕ごと飛んでいく。
- ショルダーカッター
- 両肩から発射するカッター。
- サイキックウェイブ
- 右の掌から放つ増幅された念動波。相手を拘束する技だが、出力を上げればそのまま敵を押しつぶしたり、ビームのような衝撃波を放つことも可能。
- 破邪の剣
- 「彈劾剣」、「ダンガイソード」とも呼ばれる剣。両拳を合わせることで出現する。
- サイキック斬
- サイキックウェイブで拘束した相手を破邪の剣で一刀両断する必殺技。
大張氏の作画なので斬った瞬間は描かれない。 - 使用時に流れるBGM「サイキック斬、そして」は特撮作品『宇宙刑事ギャバン』で使用された「マクーの攻撃」、通称「レーザーブレードのテーマ」に酷似している。これは制作側が作曲者の渡辺宙明氏に「レーザーブレードみたいな曲」という注文を出したため。
主題歌
オープニング
「CROSS FIGHT!」(~2話)
作詞:大津あきら / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:堀江美都子、水木一郎
「Cheap Thrills」(3話)
作詞:榊原武 / 作曲:大原辰之 / 歌:中井秀美
エンディング
「心のオネスティー」(~2話)
作詞:大津あきら / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:堀江美都子
「Who's Gonna Win?」(3話)
作詞:榊原武 / 作曲:大原辰之 / 歌:中井秀美
関連動画
関連静画
関連項目
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