磐梯急行電鉄とは、かつて福島県耶麻郡猪苗代町の国鉄磐越西線川桁駅と沼尻駅とを結んでいた鉄道路線およびその運営会社である。
概要
沼尻鉱山で産出される硫黄の輸送のために開業した軽便鉄道。沼尻軽便鉄道と呼ばれることもある。
硫黄の輸送が下火になってくると観光鉄道としての道を進もうとしたが、会社が投機筋によるマネーゲームに翻弄された結果観光鉄道になることは出来ず、1968年10月に倒産。1969年3月に廃線となった。会社そのものは休眠会社として2008年頃までは存在していたようである。
歌手の岡本敦郎のヒット曲である「高原列車は行く」のモデルになった路線である。なお汽車の窓からハンカチを振って本当に牧場の乙女が花束を投げたかどうか、今はもう確かめる術はない。もしかしたら乙女じゃなくておかめが花束を投げたかもしれないし。
ちなみにこの鉄道、廃線まで電化されたことは一度もない。なのに電鉄を名乗っていたことを当時の駅長は仙北鉄道から譲渡された気動車を引き合いに出し、ある短期大学の教授相手にこう語っている。
「このディーゼルカーは発電機をつんだ電車ですので電鉄というのです。しかもこの電車になってからディーゼル機関車よりも2分もスピードアップされ、急行運転できますので、磐梯急行電鉄といいます」
この駅長の屁理屈みたいな返答は、当時の異常な会社の内情を暗に伝える証言とも受け取れる。
ちなみに、企業名に電気・電鉄と付いていながら廃線される迄電化されなかった鉄道事業者は他にも、
五戸電気鉄道(後の南部鉄道)、水戸電気鉄道、善光寺白馬電鉄、阿波電気軌道等が挙げられる。
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関連項目
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