社会現象アニメとは、その名の通り社会現象を起こしたアニメの事である。
概要
類似の表現に「覇権アニメ」という言葉があるが、覇権アニメは単純にアニメのDVD、BDの売上だけで語られる事が多いのに対して社会現象アニメはメディアミックス・タイアップ商品の売り上げ、主題歌CDの売り上げ、聖地巡礼による社会への経済的貢献、インターネット以外のTV、ラジオ、新聞などマスメディアへの取り上げられ方、評論家・芸能人・アーティスト等の外部の著名人の言及の度合い、後発他作品への影響など単純な売り上げだけではなく様々な観点から総合的に判断される指標である。
なお、週刊少年誌原作のアニメ、ディズニー、スタジオジブリ作品など一般層にも高い知名度を誇る、つまり最初からマスメディアが積極的に紹介する作品は社会現象アニメと言われる事はほとんどなくいわゆるオタク向け作品が言われる事が多い。
・・・と言えないこともない。
以上に挙げたことはいずれも客観的な基準はないか、あってもその客観性がガバガバなものが多く、何をもって「社会現象」と呼ぶのかは個人的な判断に委ねられる。当然そこにはファン心理などのバイアスがかかるため、主観の介入なしに明確な定義をすることは不可能に近い。
かろうじて、ある程度の客観性を担保できる要素として、「時代を超えて巻き起こした現象が語り継がれている」という物がある。一時的な流行ではなく、「時間」という風雪に耐えて今なお存在感を保っているならば「社会現象アニメ」に挙がるのも納得の行くことではある。
ことによく名が挙がるのは、
アニメが子供向けメディアから脱してサブカルチャーとして認識されるはしりとなり、日本人に戦艦大和のイメージを植えつけた宇宙戦艦ヤマト(1974年)。
物語、メカ両面でのリアリティ描写が高年齢の視聴者を楽しませうるものとして評価され、あるオモチャ企業の関連商品が現在に至る同社の屋台骨とまでなった機動戦士ガンダム(1979年)。
上記二作のブームを見て、オタクとして育った人間の手によって作られ、内向的な主人公像・ヒロインのキャラ造形・特撮へのオマージュ溢れた新たなロボット描写・深い考察を呼ぶ謎めいた設定などなどでサブカルチャーの域を超えた話題を呼び、一般のメディアや文化人・論客までも巻き込んだ論争を生んだ新世紀エヴァンゲリオン(1995年)。
以上のことから、21世紀以降の近年作品を取り扱うのは議論の余地があり、例え現在ヒットしていても、将来にわたって「社会現象アニメ」と呼ばれ続けるかどうかは、年月を経てみなければわからないところがある。
そこを十分に留意の上で、「社会現象アニメ」の存在定義を考え、楽しむことが推奨される。
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関連項目
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