神林長平単語

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フムン、神林長平とは、日本SF作家かしらん。

概要

1953年新潟市生まれ。1979年、第5回ハヤカワSFコンテストに佳作入選した「と踊れ」がSFマガジンに掲載されデビューSF作家の区分で言うと「第三世代」にあたる(同世代は新井素子、野大原まり子、甲州、悟、火浦功など)。

人間機械、意識と言現実と非現実の関わり合いを描き続ける、デビュー以来40年SF一筋を貫く日本SF大御所。代表作に『あなたのに安らぎあれ』『帝王の殻』『膚の下』と続く火星三部作、『戦闘妖精・雪風シリーズ、『敵は海賊シリーズなど。ノンシリーズの代表作は『七胴落とし』『完璧』『魂の駆動体』『ライトジーン遺産』あたり。硬質かつ緻密な描写と独特の言感覚、思弁的でありながらスラップスティック性も併せ持つ作で、熱心なファンが非常に多い。

戦闘妖精・雪風』はOVA化されたが、腐女子けっぽくなってしまったとファンの間ではイマイチ不評であるマイナーだが『敵は海賊』のOVAも存在する。

星雲賞は長編部門・短編部門で合計8回受賞しており、筒井康隆映画演劇部門を含む)と並んで歴代1位小説部門のみの受賞回数では単独1位である。『言』で日本SF大賞も受賞しているが、早川・徳間の因縁のせいでこの受賞はかなり遅いものとなっている。

徳間デュアル文庫で『ラーゼフォン』のノベライズをしたこともある。ただしノベライズというよりはラーゼフォンを下敷きにした小説と言うべき作品。

作品のほとんどはハヤカワ文庫JAに収録されている。さすがに全作品が現役で流通しているわけではないが、それでも大半の作品は新品で入手可なので、これから読もうという人も安心。ユーモアドタバタSFから、哲学的な議論を繰り広げるディスカッション小説まで作も多なので、軽くあらすじなどをチェックして興味を惹かれたものから手に取るとよいだろう。

ニコニコ的に言えば、長門有希の生みのの生みの。『涼宮ハルヒの憂鬱アニメ版第7話「ミステリックサイン」のラストシーン長門が読んでいるのは『膚の下』であるが、作品の読者ならばこの場面で長門が『膚の下』を読んでいる、それこそがキョンの問いかけに対する何よりも雄弁な答えであると解るはず(ちなみにハルヒアニメ長門が読んでいる本は全て谷川流定によるものである)。しかし長門有希の100冊に『膚の下』は入っていない。何故だ。なお作品では『猶予の』が100冊の中に入っている。

2009年にはデビュー30周年を記念して、若手作家8人が参加した作品アンソロジー『神林長平トリビュート』が刊行された。ラインナップは坂洋「と踊れ」、辻村深月「七胴落とし」、仁木稔「完璧」、円城塔「死して咲く、実のある」、深紅魂の駆動体」、虚淵玄敵は海賊」、元長柾木「りて世界あり」、海猫沢めろん「言葉使い師」。本当は伊藤計劃「過負荷都市」も収録される予定だったらしい。……あれ、谷川流は?

作品リスト(刊行順)

  1. と踊れ1981年ハヤカワ文庫JA2010年ハヤカワ文庫JA[新版・収録作変更])
  2. あなたのに安らぎあれ1983年早川書房1986年ハヤカワ文庫JA
  3. 七胴落とし1983年ハヤカワ文庫JA
  4. 言葉使い師1983年ハヤカワ文庫JA
  5. 敵は海賊海賊版1983年ハヤカワ文庫JA2010年ハヤカワ文庫JA[新版])
  6. 戦闘妖精・雪風1984年ハヤカワ文庫JA
    → 戦闘妖精・雪風<>2002年ハヤカワ文庫JA[稿]→2022年早川書房[蔵版])
  7. 太陽1985年光文社文庫1990年ハヤカワ文庫JA
  8. プリズム1986年ハヤカワ文庫JA
  9. 宇宙機 迷惑一番1986年光文社文庫2002年ハヤカワ文庫JA
  10. 今宵、銀河を杯にして1987年徳間書店1995年ハヤカワ文庫JA
  11. くちづけ1987年光文社文庫2002年ハヤカワ文庫JA
  12. 時間蝕1987年ハヤカワ文庫JA
    → 像の敵2005年ハヤカワ文庫JA[収録作変更・題])
  13. 機械たちの時間1987年、徳間ノベルズミオ→1995年ハヤカワ文庫JA
  14. 敵は海賊たちの饗宴1988年ハヤカワ文庫JA
  15. ルナティカン1988年光文社文庫2003年ハヤカワ文庫JA
  16. 過負荷都市1988年、徳間ノベルズ1996年ハヤカワ文庫JA
  17. Uの世界1989年徳間書店1996年ハヤカワ文庫JA
  18. 帝王の殻1990年中央公論新社1995年ハヤカワ文庫JA
  19. 切がいっぱい1990年光文社文庫2003年ハヤカワ文庫JA
  20. 完璧1990年ハヤカワ文庫JA
  21. りて世界あり1990年徳間書店1996年ハヤカワ文庫JA
  22. 敵は海賊海賊たちの憂鬱1991年ハヤカワ文庫JA
  23. 死して咲く、実のある1992年徳間書店1996年ハヤカワ文庫JA
  24. 猶予の1992年早川書房1996年ハヤカワ文庫JA[上下巻])
  25. 天国にそっくりな1993年光文社文庫2004年ハヤカワ文庫JA
  26. 敵は海賊・不敵な休暇1993年ハヤカワ文庫JA
  27. 1994年中央公論新社2000年、中公文庫→2011年ハヤカワ文庫JA
  28. 敵は海賊海賊課の一日1995年ハヤカワ文庫JA
  29. 魂の駆動体1995年、波書房→2000年ハヤカワ文庫JA
  30. ライトジーン遺産1997年朝日ソノラマ1999年ソノラマ文庫NEXT[上下巻]→2003年ソノラマ文庫2008年ハヤカワ文庫JA
  31. 敵は海賊・A級の敵1997年ハヤカワ文庫JA
  32. グッドラック 戦闘妖精・雪風1999年早川書房2001年ハヤカワ文庫JA
  33. 永久帰還装置2001年朝日ソノラマ2002年ソノラマ文庫2008年ハヤカワ文庫JA
  34. ラーゼフォン 時間調2002年徳間デュアル文庫
  35. の先の天使2003年早川書房2006年ハヤカワ文庫JA
  36. 麦撃機の飛ぶ2004年ヒヨコ舎)
  37. 膚の下2004年早川書房2007年ハヤカワ文庫JA[上下巻])
  38. 敵は海賊正義の眼2007年ハヤカワ文庫JA
  39. アンブロークン アロー 戦闘妖精・雪風2009年早川書房2011年ハヤカワ文庫JA
  40. 敵は海賊・短篇版2009年ハヤカワ文庫JA
  41. いま集合意識を、2012年ハヤカワ文庫JA
  42. ぼくら都市愛していた2012年朝日新聞出版2015年朝日文庫
  43. 敵は海賊海賊の敵2013年ハヤカワ文庫JA
  44. だれの息子でもない2014年講談社2017年講談社文庫
  45. 絞首台の黙示録2015年早川書房2018年ハヤカワ文庫JA
  46. フォマルハウトの三つの台 倭篇2017年講談社
  47. オーバーロード2017年朝日新聞出版2021年朝日文庫
  48. 先をゆくもの達2019年早川書房
  49. レームダック2019年朝日新聞出版
  50. アグレッサー戦闘妖精・雪風2022年早川書房

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神林長平

62 ななしのよっしん
2017/05/09(火) 22:01:08 ID: wRPaszPjKk
>>61
あれ反論なのか……サンガツ
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63 ななしのよっしん
2017/06/25(日) 23:15:51 ID: f7PLETvm1l
「フォマルハウトの三つの台〈倭篇〉」(2017年講談社)及び、
「だれの息子でもない」(2017年講談社文庫)も発売されてたな
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64 ななしのよっしん
2017/07/16(日) 15:59:20 ID: ioJeqLffaa
いつのまにか新刊でてたと思ったら「フォマルハウトの三つの台」って!

これ「ライトジーン遺産」で主人公が借りて読んだ本じゃないか!
もう買うしか、いや新刊はどうせいつか買うんだけど、これは...
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65 ななしのよっしん
2017/08/04(金) 22:09:39 ID: PA0SAMDoVx
フォマルハウトの三つの台、ネットで見たことのある言葉が散りばめられていて笑った。
「そうだよ」、「お前は何を言っているんだ」、「仕方ないね」、「お前がそう思うんならそうなんだろう
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66 ななしのよっしん
2017/10/14(土) 01:24:19 ID: nDH3ZqJ8ly
オーバーロードってのも出てるね
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67 ななしのよっしん
2018/02/15(木) 21:27:40 ID: mzO21eL94o
雪風ハリウッド計画あるけど、あれって映像映えはするけど、
一番ハリウッドに合わない作品だと思う、要登場人物が基本根暗だし。

むしろ、言あたりをベースに文明が崩壊していく過程を書くほうが面そうではある。
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68 ななしのよっしん
2018/10/22(月) 17:01:17 ID: HNwagjqA4S
ハリウッド映画って割と根暗な主人公多くね
みたいなキャラも軍モノなら普通っぽい
どころか要登場人物みんなハリウッド映画にいそう感すごい
どんな絵面になるかふんわりイメージできそうなくらい
テーマもあっちの映画好きそうな感じ
逆にありそう感すぎて、ありがちなハリウッド映画で終わってしまうんじゃないかって心配が強い
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69 ななしのよっしん
2019/05/22(水) 23:58:01 ID: ories9I/AS
死んだ者に反論なんて出来るのかよそれはまさしく虚無
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70 ななしのよっしん
2019/12/27(金) 20:05:56 ID: ZUreJOUoqn
今宵、銀河を杯にしての主人公戦車長がなぜか女性脳内再生されてしまう
作中でしっかり男性だって書かれてるし、某有名美少女戦車アクションアニメを見たこともないのに
それこそに酔って小説を読めば登場人物が男か女か分からなくなるなんて現があるかもしれないけど

「絶対当たる弾」に搭載されたコンピューターが自意識を持って運命呪い、自分を撃った射手を襲い始めたっていうか分からない話好き
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71 ななしのよっしん
2023/12/11(月) 08:31:46 ID: P8dewwTjE3
毎日新聞が生成AIの特集で林先生から寄稿してもらってて。この人選だけでも特集は成功だわ
>>https://mainichi.jp/articles/20231209/k00/00m/040/051000cexit
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