福まるご(イワタ福まるご)とは、2020年3月3日よりイワタから提供されている和文書体。オールドスタイルの丸ゴシック体に分類される。
概要
100年の歴史を持ち、活字母型鋳造の大手であったタイプファウンドリー「イワタ」の書体。かつて提供されていた丸ゴチツク活字のリバイバルと目した書体で、岩田母型活字および森川龍文堂の活字見本が起点となっている。
丸ゴシック活字は元来印相系の篆書体を背景に持つため、かつては骨格も篆書に強く影響されたものであったが、1910年代以降には平易に整理された丸ゴシック体の開発も現れており、元となった両書体にも平易な骨格の雰囲気がみられる。
福まるごが特徴的なのは、角立てにあたる線端の膨らみの処理である。活字の印字に特有のインクの滲みのようなもので、石井ゴシックなど角ゴシック体においては多く再現がみられる処理だが、丸ゴシック体においては行われてこなかった。福まるごではその起伏が取り入れられており、シンプルな骨格ながらに懐かしさや愛嬌のある風合いの構築に成功している。「口」のような漢字のパーツが丸く膨らんでいるのもその一助となっており、それら起伏のためにこの書体には直線が存在しないといわれる。
用例としては、あ!Tiktokのフォントだ!……と反応する人がどれほどいるかどうかは不明だが、Tiktokの字幕機能に搭載されているのが最も有名であると思われる。なぜかTiktokはイワタ社の数種のフォントを字幕に利用できるようになっている。
ウェイトのファミリーとしては、L、R、M、B、Eの5ウェイトが展開されている。太いウェイトに至るまで活字のテイストが盛り込まれ、独特の黒みが味を持っている。
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関連項目
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