禰衡単語

12件
デイコウ
2.1千文字の記事
  • 6
  • 0pt
掲示板へ

禰衡(デイコウ、ネイコウ)とは、中国後漢末期の人物(173年-199年)である。

概要

字は正平原の人。

非常に恵まれた才の持ちで、どんな事でも難なくこなす。その為、とても傲慢不遜で、他人を馬鹿にし、にかけたような振舞いをする為、多くの人に嫌われていた。数少ない友人である孔融が曹操に推挙した際は「世の中はこんなに広いのに、どうしてマトモ人間が居ないのだろう」と言って、曹操とその配下達を馬鹿にした。具体的には以下の通り。

武将たちは怒り心頭、傍から見ている孔融は汗だくだく。才ある者を曹操であるが、流石にイラっと来て、禰衡を辱めてやろうとして、彼を太鼓打ちという下級役人に任命した。

しかし天才・禰衡はひるまず、朝廷の大宴会で「漁陽参撾」という曲を演奏した。見事な演奏で宴席の人々を感動させた禰衡だが、途中で一箇所太鼓を打ち間違えてしまった。宮中のしきたりでは、太鼓を打ち間違えたら着替え演奏し直すことになっていたが、禰衡は曹操臣たちの面前で然と素っ裸になって着替えはじめ、着替え終わると顔色一つ変えずに再び名演を披露した。これにはさすがの曹操も「禰衡に恥をかかせるつもりが、かえってわしの方が恥をかかされたわい」と苦笑せざるを得なかったという。

面倒くさくなった曹操は、禰衡を劉表の所へ送る。この辺は、「民衆に反動者として示されている者をに処刑するなんて出来ようか」という裏事情もあったりする。

送別会を開いた際、曹操配下の面々は「あいつが何をやっても、寝たふりをしてしシカトしよう」と示し合わせた。そこに現れた禰衡はワンワン泣き喚き「棺桶死体が沢山あるよ! 気持ち悪いよ!」と皮った。

劉表の元では較的下手に出たものの、その配下に対しては傲慢だった。劉表が禰衡に対して、孫策に送る手紙を見せた所、「この文章は孫策の部下が読むものですか? それとも張昭にでも見せるんですか?」と一笑に付したという。

上記の経緯から、禰衡は劉表の配下に嫌われ、彼らの讒言によって劉表からも遠ざけられた。次に射という男と仲良くなる。彼の仲介で、彼の父親黄祖と出会い、高く評価された。しかし、そこでも禰衡は傲慢になって行き、最終的には、

「あなたは神様だ! 供え物を貰うだけ貰って、供えてくれた人には、何の利益も与えていない!」

と、黄祖を吐き捨て、ぶちキレた黄祖に切り捨てられる。禰衡の死を聞いた曹操は、ニヤニヤ笑っていたという。

作中の禰衡は、友の孔融と修を「マシな者」として一定の評価をしているが、この二人はどちらも問題を起こして曹操に処刑されている。

補足

以上の逸話は、演義で脚色された部分が多いが、禰衡自体は実在の人物。黄祖を吐いた後に処刑されたが、死ぬ直前まで、黄祖へ罵詈雑言を浴びせ続けた。後に黄祖は、彼を殺した事を悔いたという。

孔融とは30歳ほどの年齢差があったが、年齢えた友として付き合った。互いを孔子顔回と不遜にもなぞらえる、また「父親子ども情を持つものか、元をたどれば性欲の発露の結果にすぎん」「と子の関係なんて瓶と中身みたいなもので、中から出てしまえばそれっきりだ」などと儒教倫理無視する放言をしたともいう(もっともこれらは曹操が孔融を処刑する時の告発文に書かれたことなので、みにするのは危険であるが)

キワモノ的な存在として、コーエーが出版する『三国志本』では、度々プッシュされている。一方、曹操嫌いの甚だしい中国では、曹操正面から罵倒した人物として、かなり人気が高い。

禰衡は名作「鸚鵡賦」の作者としても知られる。射が開いた宴会オウムが献上され、射に命じられた禰衡は、一字の修正もなく一気にこの賦を書き上げたという(「鸚鵡賦」は『文選』に収録され現在に伝わる)。
なおかつて江夏にあった長江の中洲「鸚鵡」(明代に消失現在の鸚鵡は清代中期に新しくできたもの)は、禰衡が「鸚鵡賦」を書いた土地であるとも、黄祖に殺された土地であるとも言われる。鸚鵡は後世、李白をはじめ多くの詩人に詠まれ、禰衡も「権者の横暴に非業の死を遂げた不遇の才人」として詠われるようになった。

関連動画

禰衡に関するニコニコ動画動画紹介してください。

関連商品

関連コミュニティ

禰衡に関するニコニコミュニティ紹介してください。

関連項目

【スポンサーリンク】

  • 6
  • 0pt
記事編集 編集履歴を閲覧

この記事の掲示板に最近描かれたお絵カキコ

お絵カキコがありません

この記事の掲示板に最近投稿されたピコカキコ

ピコカキコがありません

禰衡

111 ななしのよっしん
2022/05/14(土) 08:49:57 ID: qvBrbyYLsu
>110

ひろゆきなんかに、権者の前で素っ裸になって自分をさらけ出せる気概があるわけない。アイツは安全な場所からマウント取るぐらいが精々だろうて。

禰衡の魅は、権者連中にも世間の自分に対する評価にも臆せず自分をさらけ出せる、ある種の清々しさにこそある。そこを見落してはいけない。
👍
高評価
6
👎
低評価
0
112 ななしのよっしん
2022/08/24(水) 14:29:33 ID: yHfLsr2gDP
まぁ頭はそれなりに良かっただろうし
堂々と罵詈雑言並べ立てる度胸もあるし、ただの無能ではないわな

とはいえ自分自身が何かを成し遂げた訳じゃなく、ただ人の悪口言っただけとも言えるので、まぁそれだけのつまらない男とも言える
ものの役に立つかと言われると、ねぇ
👍
高評価
3
👎
低評価
1
113 ななしのよっしん
2022/12/08(木) 21:56:21 ID: FqqiTmjJMU
三国志Vの孔融営における救世主(でもついているのか、在野に居れば勝手に仕官してくれるorほぼ確実に登用できる)。
戦闘力微妙だが軍師故の大兵を生かした戦い(形は少ないものの突撃ができる)でお世話になった人も少なくない
👍
高評価
1
👎
低評価
0
114 ななしのよっしん
2023/02/20(月) 13:15:39 ID: Ufd46j3liV
>>112
口が悪いだけで才のない禰衡みたいな人物評だ
👍
高評価
1
👎
低評価
6
115 ななしのよっしん
2023/11/28(火) 12:35:24 ID: sR3cyVe5gn
Googleサジェストにひろゆきって出てくるの
👍
高評価
0
👎
低評価
0
116 ななしのよっしん
2023/12/08(金) 21:57:24 ID: woUuGJJUH8
と太鼓は上手かったみたいだけど仕官せず実務で活躍した話がほぼないからについては評価できんのがね
「退き際弁えず死んだからしだ」というのは「プライド(生き様)>命」の可性を考慮出来てないし
曹操も「こんな小物に本気でキレるのは度量が疑われる(ビキビキ」と殺さず、処刑した黄祖も後悔したみたいで
当時の君(大人物)の常識にあてはめれば本来殺されるほどの一線ではなかったのかもしれん
まあそれはそれとして口の悪いが嫌われるのは仕方ないけどな
👍
高評価
0
👎
低評価
0
117 ななしのよっしん
2023/12/09(土) 19:40:12 ID: lxeNdTSL4K
冒頭に「どんなことでも難なくこなす」と明記されてるのに何もできない無能呼ばわりって文盲ばっかりだよ 気持ち悪い
👍
高評価
0
👎
低評価
5
118 ななしのよっしん
2024/01/31(水) 19:06:44 ID: MPMGpcQ+kH
どんなことでもなんなくこなすがあったとしても、
それを社会のために役立てるつもりが全くなく、
事実ろくに実績を残せなくて舌禍で刑死した
無能と言ってもいいんじゃね?
👍
高評価
3
👎
低評価
0
119 ななしのよっしん
2024/02/12(月) 07:40:58 ID: S4PqjUqeM1
1800年後の異もこうして名前が残ってるんだから業績としては充分じゃね
仕官してた期間もあったんだから何もしてなかったわけじゃなかろうし
👍
高評価
1
👎
低評価
0
120 ななしのよっしん
2024/04/18(木) 23:40:23 ID: NpZ2/S+BQQ
専横を極める曹操に対し一歩も怯まなかった勇者
👍
高評価
0
👎
低評価
0