究極超人あ~るとは、ゆうきまさみによって週刊少年サンデーに1985年から1987年にかけて連載された、SFパロディ学園ギャグ漫画である。
概要
マッドサイエンティスト成原博士によって作られたロボットあんどろいど、R-28号ことR・田中一郎が私立春風高校の光画部(写真部)に入部しドタバタを繰り広げる学園ギャグ漫画。主人公のR・田中一郎はもとより、鳥坂先輩をはじめとして周囲のキャラクターもぶっとんだものが多かった。
ロボットやアンドロイドの語があるものの、内容は学園コメディ物で、しかも写真部に関する描写が非常に凝っており、現在でもどこかの中学・高校・大学の写真部部室にはこの本がバイブルとして置かれているとかいないとか。声優の國府田マリ子は、学生時代写真部に所属していて、あ~るの単行本が部室に置いてありよく読んでいたとラジオで語っている。いわゆる学園モノの中でも、文科系クラブの活動を作品の中心に据えたという点で、「進め!!聖学電脳研究部」「ハルヒ」「げんしけん」「けいおん!」などの大先輩筋に当たる。
コミックは第19回星雲賞コミック部門を受賞した。イメージアルバムやOVAも製作されている。
主要登場人物
光画部関係者
あ~る(R・田中一郎、R・28号)
本作の主人公。幹部時の役職は部長。コウガブラック。戦隊刑事あ~る。
科学者成原成行が学会に復讐するために作り出したアンドロイド。成原の長男・あきらがモデル。本人は成原を「お父さん」と呼ぶも、彼の指示に従う気はあまり無い。もっぱら、たわばや鳥坂にいいように使われる日々を送っている。常に学生服と下駄を着用しており、別の服を着る際は、学生服の上から着用する。移動には「轟天号」と名付けられた自転車を使用する。
超優秀なAIを持っている為、人間並の思考能力を持つ(逆に言えば、一般的なコンピューターの様な演算能力を持っていない)。なぜかお米しか食べることができず、彼のキャンプでの食事はカレーライスではなく、ご飯の上におかゆをかけた「おかゆライス」である。甘酒も飲めるが、飲ませたところ酒乱と化した。
当初は「とうだいのてっぺんを目指す」ものの、高校卒業時に単位が足りず、補習を受ける事になった。その後の進路は不明。漫画版パトレイバーにて、デモ参加者や特車二課の中に彼らしき人物が登場するが、同一人物かどうかは定かでは無い。
鳥坂先輩
あ~るの一つ上の先輩。連載開始時の光画部部長。ゆうきまさみの知り合いの元東京都職員・鳥坂司がモデル。
敗北を「忘れた」男。三度の飯より勝負好きで、生涯無敗(自称)。そのメガネの奥に隠された目が描かれた事は殆ど無い。裏付けのない自信と熱情に満ちあふれており、あ~る達は彼が引き起こす様々な騒動に巻き込まれる。そのため、西園寺まりいとは犬猿の中。
全力で追い越しても、いつの間にか前に出現するという、テレポートとしか思えない能力を持つ。また、本人が極度の乱視のために実感することは少ないのだが、かなりの格闘センスを持ち、不良高校生を余裕でいなしたこともある。
卒業後、東京都職員となるも、夜勤という事で、昼間は光画部の部室にいる。眠る暇が無いのか、運転中や仕事中にうたた寝したり、部室内で布団を敷いて眠っている事もある。
「だーいじょうぶ!! まーかして!!」
大戸島さんご
幹部時の役職は副部長。あ~るの同期生。コウガブルー。「某ロボットに乗る女の子」とか言ってはいけない。
胸の揺れない幼児体型で、ショートカット。そのせいか押しの強い性格で、運動神経が良い。度々えげつない下ネタを口にし、たわばやシイちゃんにツッコミを入れられる。卒業後は区役所に就職するも、相変わらず部室に出現している。
因みに「大戸島」「さんご」共に特撮映画などから取られたとかなんとか。
また、3月5日生まれなので「さんご」と名付けられている。
下記のセリフの通り全話に登場しているが、これは登場人物で唯一(主人公のあ~るですら出ていない回がある)。
「かいきんしょ~」
たわば先輩(束場)
CV:とまとあき
光画部OB……にも関わらず、部活動への出席率は現役部員以上らしい。
小説家・脚本家であり、ゆうき氏とよく共に活動していた「とまとあき」がモデル。
出張った頬骨と、くわえタバコが特徴。卒業後、写真学校に進学するも、通ってはいない。女性に幻想を抱いていて、光画部女性の下品な発言に対し、毎度ツッコミを入れている。
シイちゃん(堀川椎子)
ショートヘア、ナイスバディな光画部の良心。まともそうに見えるが、実際はかなり光画部に毒されている。
一時期光画部を辞め、生徒会の依頼により写真部を創設する。しかし、それは光画部を存続させる為の演技で、すぐに光画部に戻った。西園寺まりい曰く「女ペテン師」。卒業後は日本大学芸術学部写真学科に進学する。
因みに、顔の特徴になっているほっぺたのツブツブはそばかすではなくニキビ。
「みんなーっ! こんな所に引きのばし機が捨ててあるわよーっ!!」
あさの(メガネ)、きしだ(リーゼント)
OVA表記だと浅野と岸田。あ~ると同期生。
連載初期より、終始ツッコミ役として、目立たないながらもレギュラー出演していた。しかし、物語が終盤になるまで名前がわからないことがネタにすらされず、最後まで名前で直接呼ばれる事は無かった。
名前の初出は不在時に2人まとめて。2人のどっちがどっちかは、カメラを借りた、というセリフやOVAのスタッフリストのキャストの表示から間接的に推定される。卒業後、練馬産業大学を受験するも、不合格。卒業後は浪人生になる。
「おれたちも名前呼ばれた事ありません!!」「名前呼んでくださいっ!!」
天野小夜子(幽霊)
あ~るの一つ下の学年生(?)。幹部時の役職は部長。
光画部の新しい部室に住みついていた、セーラー服の幽霊。光画部が部室を移転しようとした際、追い出そうとするも、最終的に和解。
実は交通事故(ヒザを擦りむいただけ)に遭った為に、幽体離脱をしていた。いつでも元の体に戻る事は出来たものの、自分の通う聖邦女学園の校風が嫌だった為、いつまでも幽霊のまま過ごしていた。後に自分の体に戻り、春風高校に転入してくる。生身の肉体になってからも、頭を壁等にぶつける事により、幽体離脱が可能な体質となった。
その後、満場一致で光画部の部長に就任。ひねくれ者で、ノリが良く、押しが強く、先天的に偉そうな性格から「女鳥坂」と称される。部長就任後、様々な金策を用いて、部費を増やそうとしている。信との絡みが多いような気がするが、全ては謎である。
「はい、うらめしや。」
兵藤信
あ~るの二つ下の学年生。名前の元ネタは「兵藤まこ」。コウガイエロー。
諫坂商店会主催の「町内女装美人コンテスト」で優勝経験がある程の「女装のプロ」。毛を剃る必要の無い美脚で、素でも化粧をした女性陣から嫉妬される程の容姿を持つ。そのためか、人前でズボンを下ろそうとする、読者サービスと称して風呂場でポーズをとる、チャイナドレスを着る等、ヒロイン的な一面を見せる。
特技はキングアラジンの真似。光画部が何をする部活なのかも知らず、部室にいきなり乗りこんできた。その為、写真の知識は皆無。物語の末期、作者が描き忘れるというハプニングがあった。
「キャラクターの多いマンガではありがちな事件であった! な!?」「『な!?』じゃないだろーっ!!」
曲垣剛
元は「すごく速いタマとよく曲がるタマ」を武器に、諫坂三中を全国優勝に導いた剛腕投手。負けたら光画部に入る」という条件で光画部と野球勝負をし、謎の敗退。光画部に入部させられる。信によると、「野球より本当はオハナの師匠になりたい」との事。光画部に入ってからも、自分で生けた花の写真を撮る等、精力的に活動している。
幼稚園時代に信にプロポーズした事があり、そのため弱みを握られている。
「あんたたちは、息抜きのあいまに人生やってるんだろうッ!?」
西園寺えりか
西園寺まりいの妹。年齢の割に体つき・言動が幼く、姉とは対照的。目に光が無く、代わりに何故か「キラキラ」「プンプン」等の文字が描かれている。また、春風高校は私服通学が許可されているにも関わらず、最初はセーラー服、光画部入部後は学ランを着て通学している。葉っぱ柄のパンツを見られて以来、何故かあ~るに好意を抱いている。
般若心経の暗唱という、謎の特技を持つ。味覚音痴で、合宿先で料理当番を名乗り出た際には、コンニャク・大根・らっきょう・フルーツ蜜豆・梅干しをカレーに入れるという暴挙をしでかした。あ~るから発生する磁場を、肩こり解消の為に利用する小夜子とは、非常に仲が悪い。
なお、FCゲーム「アイドル八犬伝」(1989年)の西園寺エリカ、SSとPSのゲーム「クロス・ロマンス 恋と麻雀と花札と」(1997年)の西園寺絵里香、TBS系列のドラマ「恋の神様」(2000年)で米倉涼子が演じる西園寺エリカと、後年の作品に同姓同名の人物が多いが、全ては偶然の一致・・・らしい。
生徒会
西園寺まりい
あ~るとは同学年生。2,3年次は生徒会長を務める。川村万梨阿がモデル。
生徒会長選にて、あ~ると一票差で勝利。その後、学園のトラブルメーカーである光画部を目の敵にし、取りつぶそうと画策。毎回様々な勝負を挑むも、なぜか最後には必ず負けている。容姿端麗・文武両道の良家の令嬢であるが、その半面、性格は凶悪。極度に目が悪く、瓶底眼鏡を携帯しているが、普段は裸眼で過ごしている。光画部室に殴り込み、部屋から出ていく際、壁にぶつかるのがお約束。何故か特撮ヒーロー風の登場の仕方をする。鰯水の事は少なからず思っているが、彼女の場合は性格的な問題からか、関係はなかなか発展しない。
ドラマCD等では、モデルとなった川村が、まりいの声を演じている。川村の性格は、まりいそのものらしい。それの所為で、川村の仕事は激減したという嘘か本当か分からない伝説がある。
鰯水等
在籍中の3年間で被っていた、5学年分の春高の女生徒の顔・名前を全て暗記している「色魔」。生徒会サイドの人間とし行動しているが、何の役職に就いているかは不明。まりいに好意を寄せている一方、性格面では疎ましく思っており、なかなか関係が発展しない。えりかを光画部の合宿から連れ戻す際、成り行きで自らも参加する事になる。さらにその後、嫌々ながらも光画部に入部。まりいにその事を問い詰められた際には開き直っていた。
「この鰯水等、きみのためなら死ねる!!」
鴨池
CV:とまとあき
あ~るとは同学年生。生徒会の参謀。
眼鏡のブ男だが、頭が切れる現実主義者。クロスワードが趣味。部室争奪戦では、あ~るの頭を打ち抜く戦果を挙げる。この三人、よくある「タイムボカンの三悪へのオマージュ」では無いかと思うのですが、どうでしょうか?
「夏になるとこれみよがしに真黒になってる連中は、いずれ皮膚ガンで絶滅だな」
春風高校生徒
有島
あ~るとは同学年生。漫画研究会会長。すごい中身のエロマンガを描いているらしい。
女装すると、同期の きしだが気付かない程の美人になる。伊東の下駄箱に不幸のチョコレートを入れたりする、かなりのひねくれ者。その為か、鳥坂とはかなりウマが合う。部費が削減された際には、弱小クラブ連絡会を結成した。
「わが春高の誇りは、花園や甲子園にいくことではなく、
訳のわからぬクラブが、群雄割拠できるという、リベラルな校風ではなかったか!?」
伊東
彼女持ち。彼女のモデルは、当時の伊藤和典の妻の、イラストレーター・高田明美。顔や言動の全てが猫っぽい。
学園の修学旅行では同校の女子学生と押し入れで色々やっていた。
モデルの伊藤和典に似ているかどうかは、画像検索をした上で、自分で判断しよう!
島崎
あ~るの一つ下の学年生。土木研究会の所属。
鳥坂の中学時代の後輩。校内の修繕作業を行っていた事から、まりいに見込まれ、生徒会長に指名される。しかし会長の仕事よりも、校内の営繕を優先する性格だった。純朴実直で、執行部に全面の信頼を置いている。
「執行部がとてもしっかりしているのれ、ぼくは安心して壁塗りに専念できるのれす…」
春風高校教職員
松浦
CV:大徳哲雄
修学旅行中、見回りをまりいに任せ、酒盛りをしていた。また連載末期、卒業単位数が足りないにも関わらず、部室に入り浸り、挙句の果てに東北旅行に行ってしまうあ~るに振り回される。
柳昇
春風高校の校長。光画部のOBで、元部長。読み方は「やなぎのぼる」。モデルは落語家の春風亭柳昇(りゅうしょう)で、モデルとなった人物が声も演じている。
毒島
春風高校の用務員。光画部のOBで、柳昇とは同時期に在籍していた。モデルは死神博士で有名な、俳優の天本英世。その為、作中でコスプレの機会があると死神博士の姿で登場する事も多い。
「おとし穴か? 高圧電流か!? 毒ガス作戦でもやってみるか!?」
その他
成原成行
(自称)万能工学博士。あ~るの生みの親。名前のモデルは、とまとあきの高校時代の後輩らしい。
天才的な頭脳を持つが、言動や行動はまさにマッドサイエンティストそのもの。鳥坂以上にハイテンションだが、 何かと忘れやすく、研究室に籠っている間は妻や息子の顔すら忘れる。世界征服が夢であるが、その夢すらも忘れて研究に没頭する。息子をモデルにR・28号=R・田中一郎を制作するも、飽きてお化け屋敷に売っぱらってしまう。ようするに、物語の発端で、全ての元凶。
その後、本来の目的を思い出し、R・29号(アール・デコ)を制作。春風高校を(かなり平和的に)乗っ取ってしまう。
関連用語
粉砕バット
光画部の備品。名前の通り対象を粉砕するために使う。それ以上でも以下でもない。bat。
余談だが光画部はよく体力作りと称して野球などのスポーツをやる。
写真の現像に使う「バット」(現像液、停止液、定着液、洗浄水などを入れるのに使う四角い器。vat。)と区別するために、わざわざ「粉砕」と接頭語が付いている。
下山ダッシュ
これはコミックではなくOVAで登場した。以下の動画と外部リンクを参照のこと。
写真撮影における(鳥坂先輩の)指導
写真撮影における(たわば先輩の)指導
究極超人ま・くべ
2ちゃんねるのシャア専用板で展開されているスレッドのシリーズ。新スレの度に昇進していたのでついに総帥になってしまった。
- 究極超人ま・くべ
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/shar/1033042532/
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/shar/1039126169/ - 究極大佐ま・くべ http://ex3.2ch.net/test/read.cgi/shar/1050273131/
- 究極准将ま・くべ http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/x3/1074817771/
- 究極少将ま・くべ http://anime.2ch.net/test/read.cgi/x3/1105185830/
- 究極中将ま・くべ http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/x3/1135212447/
- 究極大将ま・くべ http://changi.2ch.net/test/read.cgi/x3/1170044886/
- 究極元帥ま・くべ http://changi.2ch.net/test/read.cgi/x3/1229170060/
- 究極総帥ま・くべ http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/x3/1329216067/
関連動画
MikuMikuDanceモデル
無尽(mujin)氏によってMikuMikuDanceモデルが制作・配布されている。
関連項目
外部リンク
- 究極超人あ~る - 少年サンデー
- 下山村駅 - Wikipedia
(下山ダッシュについての説明あり。ただし該当部分は2009年10月に「トリビア」として削除されてしまっているので、削除前の過去の版へのリンク。)
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- なし
- 13
- 0pt