空飛ぶタイヤとは、池井戸潤の小説。及び、それを原作としたドラマ・映画。
概要
運送会社「赤松運送」を経営する赤松の元に、自社のトラックがタイヤの脱輪事故を起こし、タイヤが歩行中の母子を直撃、死傷者を出してしまったという報せが届く。トラック販売元のホープ自動車は事故原因を「運送会社の整備不良」と断定、赤松運送は警察の追及を受け倒産寸前に追い込まれる。だが、自社の無実を信じる赤松は、事故原因の真相を突き止めるため、大企業に戦いを挑む!
2002年の三菱自動車のトレーラー脱輪死亡事故と、それに絡んだ2004年の三菱ふそうリコール隠し事件をモデルにした企業小説。2005年から2006年にかけて実業之日本社の「月刊J-NOVEL」に連載され、2006年に実業之日本社から単行本化。第28回吉川英治文学新人賞と第136回直木賞の候補となった。文庫版は上下巻の講談社文庫版と、分厚い一冊本の実業之日本社文庫版の2種類がある。内容に違いはないので、読みやすい方を選ぼう。
それまで経済ミステリーが中心だった池井戸潤にとっては、本作が読者層を大きく広げるブレイク作となった。「窮地に追い込まれた中小企業が大企業を相手に一発逆転」という池井戸作品の黄金パターンが確立された作品でもある。
2009年にはWOWOWの『ドラマW』でテレビドラマ化され、第26回ATP賞テレビグランプリ2009最優秀賞(ドラマ部門)など数々の賞を受賞した。なお、自動車メーカーが悪役の話であるため、自動車メーカーがスポンサーとなることが多い地上波でのドラマ化は困難と言われている。
2018年には本木克英監督、TOKIOの長瀬智也主演で映画化。共演はディーン・フジオカ、高橋一生、深田恭子、岸部一徳など。主題歌はサザンオールスターズの『闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて』。
関連動画
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 1
- 0pt