突撃!パッパラ隊(とつげき!ぱっぱらたい)とは、松沢夏樹の漫画作品および同作を原作としたTVアニメ。コミックスは全18巻。
概要
「地獄の部隊」と噂されるパッパラ隊で繰り広げられる軍隊ギャグ……が、中心だったが中盤以降はネタが尽きたのか恐怖の大王がやってきたり地球崩壊を修復するといったストーリーが中心のギャグ漫画となり、終盤はナンセンス系ギャグのオンパレードとなっている。また作者と担当編集も頻繁に登場しており、最終回のカラーページでさえもこの二人のやり取りから始まった。作者が頻繁に作中に登場するためメタネタが非常に多い。エイプリルフールネタで作者殺人事件まで起こし、扉絵さえもネタに使用した(当時ガンガンの発売日は10日だったためエイプリルフールは適用されず、担当及び読者に吹っ飛ばされた)。
しっとマスクという強烈なキャラクターを生み出した作品であり、この作品を知らない者にもネットなどを介して広まっている。第一部~第二部序盤までのストーリーがアニメ化されたが、放送時間が早朝とターゲット世代の視聴に向かない時間帯だった。今なら間違いなく深夜アニメ枠であろう。
続編に『逆襲!パッパラ隊』があるが、登場人物は前述のしっとマスクととびかげを除いて一新されている。どこかで見たような人物もチラホラいるが。
あらすじ
行く先の部隊が壊滅しても一人生き残る事から「死神」と呼ばれる水島は、最前線にある「地獄の部隊」と呼ばれるパッパラ隊に配属される。どんな過酷な部隊かと思う水島であったが、その実態は「おちゃっぴぃ」が理由で隊員が大怪我して病院送りになる地獄のおちゃらけ部隊であった。
水島はその張本人であるランコ、とびかげとチームを組まされてしまうのだが……。
主な登場人物
- 水島一純(みずしま いずみ)
- パッパラ隊に配属された哀れな隊員。行く先々の部隊が軒並み壊滅していることから「死神」とあだ名される美青年。小さい頃から父親の強烈な訓練がトラウマとなっており、父の霊が憑りついている姉と会うのを嫌がっている。が、その訓練のお陰で爆弾や銃弾などを受けてもほぼ無傷でいられる不死身の体を持っている。濃硫酸の海を見て死を予感していたため、完全な不死というわけではなさそうだ。作品のギャグ色が強まるにつれ全登場人物が不死身になってきた(無傷ではないが、銃で頭を貫通されたり粉々にされても生存しており、むしろ死亡したキャラクターがほとんどいない)ため不死身キャラとしてのアドバンテージは減り、常識人ポジションで定着した。
女のような名前のため、当初は下の名前を隠していたが後に何度か女装するハメになる。が、これまた美人だったため何人かの男に惚れられている。
最終回ではランコを止められるのは自分だけだと悟り、悲壮な覚悟の末に結婚を決意した。 - 後光院ランコ(ごこういん ランコ)
- パッパラ隊所属の女性隊員。実家はスットン共和国の黒幕である後光院家であり家ではお嬢様あつかいされている。本名は後光院・アリスン・ブランディ・メルセデス・ローズマリー・フォン・ランコと、とても長い。
物語初期から水島に惚れているが、ぶっとんだ愛情表現のせいでなかなか良い雰囲気にならない。
料理の腕は悪くはないのだが、毎回最後の隠し味に余計なものを仕込んで料理をモンスター化させてしまうのが常。自身で試食したこともあるが、その際は新種のウイルスに感染した。
第4部にて地球を崩壊させ、追ってきた水島にお仕置きされた後プロポーズされた。 - とびかげ
- パッパラ隊所属の自称仮面の忍者。丸いダルマ体型が特徴で初期はもうちょっとまともな体型だった。ときたまリアル等身になることもあるが、少ししか持たない。
年齢、性別、階級、素性、その他諸々すべてが不明で、体の中には宇宙が広がるというそもそも人間かすら謎の存在。「かげ」と書かれたバイザーで顔を隠しており、素顔は二重三重に防御策を施して隠している。アニメではなぜかバイザーの文字がない。
判明しているだけで千年前から生きており、約200年後を描いた『逆襲!』でも存命。宇宙の誕生に関わっているような描写もある。第三部の恐怖の大王編の預言書は千年前に大王と共に書いたもの。
世界の閣僚たちが集まるような会議にも平然と出席しており、大抵は議長を務めている。 - 轟天号(ごうてんごう)
- どこかの軍艦ではなく、とびかげが手塩にかけて育てた犬。飼い主に似てメチャクチャ。
- 桜花(おうか)
- 前大戦中に芹沢博士(終盤に明かされたが水島の母方の祖父)が開発した戦闘用機械人形。
敵国語や金髪に反応して頭部からレーザーを発射するというはた迷惑な存在だったが、芹沢博士そっくりの水島に懐いてからはややおとなしくなる。水島がランコと結婚した後は息子の純也のお守りを任せられる。姉妹機に梅花、菊花がいるが、彼女たちはパッパラ隊員ではない。 - 牧野マイ(まきの マイ)
- パッパラ隊の軍医兼カウンセラー。比較的まともな人物だが、人体模型やホルマリンが好きで実は不死身だったりする。第4部で時空を越えて知り合った芹沢博士と恋に落ち、過去の世界に残ることを決めた。
その芹沢博士は後に改名して「水島」を名乗るようになり、実は水島の祖母だったという事が明かされた。そのため、ランコの終盤の所業が水島家の歴史を作ってしまった。 - 白鳥沢愛(しらとりざわ あい)
- パッパラ隊の隊長。スキンヘッドに大きな傷跡とサングラスで強面だが、少女漫画家を夢見る気持ち悪い趣味を持つ。しかし持ち込みのために作った話は展開がべたすぎる上に何のひねりもない作品で持ち込み先の編集に一蹴されている(白鳥沢が強面だったため面と向かって言い出せず一度原稿を預かったが、事務所に戻った後徹底的にこき下ろした)。作中たびたびターミネーターのパロディをしており、戦闘力も非常に高い。現在のような容姿になった理由はちょっといい話だったりする。
- 宮元幸弘(みやもと ゆきひろ)/ しっとマスク
- パッパラ隊の隊員。当初は普通の人物だったが、付き合っていた彼女にフラれたことからダメ人間化。しっとマスクとなり、隊長と水島を除く男性隊員たちとしっと団を結成。日々アベック(死語)を別れさせるべく奮闘している。
- ミラルカ・ボーダー
- 第2部から登場。軍事国家シュバルツ・ラントの女王で、当初は王位を継ぐのが面倒で逃げていたところで水島と出会い、一目惚れ。戦っている水島の姿を見たいがために女王の座につき世界征服を決行する。征服は成功し、スットン共和国以外の全世界を国土として治める。ランコに負けず劣らずはた迷惑な女性。
曲がりなりにも事実上の世界のトップであるため、彼女の一声で世界が動く。
水島とランコの結婚を見届けた後は生涯独身を貫き、「ヴァージン・クイーン」の名を残す。 - リヒテンラーテ・フォン・マーテル
- シュバルツ・ラントの戦闘家老でありミラルカに惚れている。
そのため水島に嫉妬し、あの手この手で水島を亡き者にしようとした結果、しっとマスク2号となる。
水島と言う恋敵はいなくなったもののミラルカを振り向かせることはできず、生涯犬として仕えた。 - ハリー松沢
- 作者松沢夏樹をモチーフにしたキャラクター。スイカを頭に被りカレーをこよなく愛する。スライムの10倍弱く、HPは0.6(生卵を1発当てるだけで倒せる)。
初期の頃から登場しているが、中盤以降登場回数が増え、本作に関するメタを連発。後半は担当と一緒に「締め切りから逃げる漫画家とそれを追う担当」という構図を幾度となく繰り広げる。
終盤の一時期、魔王として覚醒するも上述のHPのため瞬殺、卵を一発当てればあなたも勇者に。
本作の連載が終わってからも別作品などで登場している。
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関連項目
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