概要
そもそも「ファンファーレ」とは、特定のイベント開始などの合図として演奏される音楽であり、競馬の場合、発走前に競走を盛り上げる音楽として流される。
流されるタイミングは国により異なるが、日本の場合、馬がゲート入りしている間に流される。
ファンファーレは吹奏楽編成となっていることが多いものの、電子音(シンセサイザー)によるものもある。
日本の競馬ファンファーレ
日本の競馬には中央競馬(JRA)と地方競馬があり、それぞれでファンファーレの扱いも異なっている。
中央競馬の場合、会場と競走の種類別で全21曲が用いられる。(参考:ファンファーレを音楽的に研究)
ちなみに現在日本の競馬では発走前にファンファーレが鳴るようになっているが、少なくとも1959年(昭和34年)頃までは流れていなかったようである。
ラジオNIKKEI(当時の日本短波放送)の関係者が「いつスタートするのかわかりにくい」の一言がきっかけで、独自に中継放送でエドアルト・シュトラウスが作曲したポルカ「テープは切られた」を流したところ、競馬会から好感を得られ競馬場内でも流れるようになり、その後1986年から1988年の間に現在の各競馬場でおなじみのファンファーレが流れるようになった。
競馬場 | 平地競走 | 障害競走 | ||
一般競走・特別競走・ GI以外の重賞競走 |
GI競走 | 特定レース限定 | ||
札幌・函館 | 全3曲 作曲:鷺巣詩郎 | (なし) | (なし) | (なし) |
福島・新潟 | 全3曲 作曲:服部克久 | 作曲:すぎやまこういち ※福島では開催なし ※新潟は代替開催のみ |
(なし) | 全2曲 (「GI以外」「GI」) 作曲:三枝成彰 |
中山・東京 | 全3曲 作曲:すぎやまこういち | (なし) | ||
中京・小倉 | 全3曲 作曲:川口真 | 作曲:宮川泰 ※小倉では開催なし |
名鉄杯限定(中京) | |
京都・阪神 | 全3曲 作曲:宮川泰 | 宝塚記念限定(阪神) |
なお、あくまでも上記は原則であり、代替開催の場合別会場のファンファーレが差し替えられたりすることもある(例: 2021年京都金杯は、中京競馬場で開催されたが、あくまでも京都競馬場で開催するものの代替なので流れたのは京都・阪神重賞ファンファーレである。補足の事項としてこれは同時期の第3開催場が小倉で、中京と小倉で同じファンファーレを使用すると混乱の元になるためである。2021年ローズステークスは阪神→中京であるが、この時は小倉競馬場の開催がないので同じファンファーレが流れる心配がない事から流れたのは中京・小倉重賞ファンファーレであった。変わったところでは2011年のマイルチャンピオンシップ南部杯は、東北地方太平洋沖地震の影響により盛岡競馬場が被災したこと(修繕自体はどうにかなったが、高額レースの開催には資金面で問題があった)、及びJRA側でも開催日程に浮きが生じていた(年間開催日数の上限が決まっているが、3月12日と13日が開催中止になっている。阪神競馬場で3月12日に開催予定だった分は3月21日に開催したが、3月13日分が未処理のままだった)ことの利害の一致に伴い東京競馬場で開催されたが、その際は岩手競馬JpnIのファンファーレを用いた)。また、2021年毎日王冠では、すぎやまこういち氏の死去に伴う追悼の意をこめ、GI競走のファンファーレを用いている。JpnI競走についてはGI競走と同じものを用いる(例: 2018年JBC)。
地方競馬の場合、主催者別にファンファーレを設けているが、扱いには差があり、普通競走(一般競走)用と特別競走用が同一の曲である主催者もある。また主催者が同一でも競馬場が異なると異なるファンファーレを採用していた事例もある(例:かつての岩手競馬=盛岡競馬場と水沢競馬場)。2014年現在、地方競馬の一主催者のファンファーレ曲数が最も多いのは岩手競馬、浦和競馬、高知競馬(5曲)、最も少ないのは笠松競馬と園田競馬・姫路競馬(2曲)である。
- 普通競走用と特別競走用が同一の曲:船橋競馬、大井競馬、川崎競馬、金沢競馬、笠松競馬、園田競馬・姫路競馬
- ダートグレード重賞(国内統一格付け)とそれ以外の重賞が別の曲:岩手競馬(JpnIIIとJpnIで別の曲[1])、船橋競馬(2011年より)、大井競馬(国内格付けと国際格付けで別の曲[2])、川崎競馬、名古屋競馬
ファンファーレは録音されたものが流されるのを基本としつつも、大きなレースでは生演奏を行う場合もある。
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関連項目
脚注
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https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E7%AB%B6%E9%A6%AC%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%AC