- 大日本帝国海軍が編成した駆逐隊の一つである。舞鶴鎮守府所属。
- 前項II.をモチーフとする「艦隊これくしょん~艦これ~」のキャラクター(艦娘)グループの1つ。
- 前項II.をモチーフとする「アズールレーン」のキャラクター(KAN-SEN)のうち、「長波」「巻波」「清波」の史実上の所属駆逐隊。
概要
第三一駆逐隊(2代)は、1942年8月31日に夕雲型駆逐艦「巻波」「長波」により編成。同年10月1日付第二艦隊第二水雷戦隊(旗艦:神通)に編入。同日「高波」編入。同年11月30日「高波」沈没。
以降、錬成部隊として編成された第十一水雷戦隊(旗艦:龍田。後に長良・酒匂など)で訓練を受けた同型艦「大波」「清波」を加え4隻体制を整えるが「清波」をコロンバンガラ島輸送作戦で、「巻波」「大波」をセント・ジョージ岬沖海戦で失い、「長波」もラバウル空襲で痛手を受け入渠する。入渠中の「長波」のみとなった31駆に11水戦で錬成を受けた「岸波」「沖波」「朝霜」が編入され再び4隻体制を整える。
最新鋭の艦隊型駆逐艦である夕雲型駆逐艦は、最前線を担う第二水雷戦隊において水雷戦隊の中核戦力として最前線に片っ端から投入され、そして、片っ端から戦没していった。
マリアナ沖海戦、レイテ沖海戦を乗り切るも第3次多号作戦にて「長波」戦没。直後のマニラ湾空襲で「沖波」戦没。「朝霜」が同型艦最終艦である「清霜」を残すのみとなった第二駆逐隊に転出後32駆で戦没済みの「浜波」の移籍を受け入れる。31駆として残された最後の「岸波」が潜水艦の雷撃により失われ31駆は解散した。
31駆を離れ礼号作戦で「清霜」を失った「朝霜」は第二一駆逐隊に編入。初期21駆最後の生存艦「初霜」及び後に21駆に編入される二水戦臨時旗艦「霞」と共に四航戦を護衛し内地帰還(北号作戦)。坊ノ岬沖海戦に同駆逐隊司令艦として参戦、壮絶な最期を遂げた。
戦後、31駆に属した艦のうち、「あやなみ型護衛艦」(全艦退役済み)及び「たかなみ型護衛艦」(全艦現役)に「たかなみ」「おおなみ」「まきなみ」の艦名が継承された。いずれのハルナンバー(艦番号)も「DD-110」~「DD-112」。
なお、前者(あやなみ型)の他の艦名は第十九駆逐隊「磯波・浦波・綾波・敷波」より、後者(たかなみ型)の他の艦名は第七駆逐隊(吹雪型/綾波型)「漣」及び第三二駆逐隊(夕雲型)「涼波」を継承している。
戦史 第三一駆逐隊(2代)
年表
【年表凡例】 ・未編入 ・在籍(健在) ・在籍(修理中) ・転出(健在) ・戦没 |
日付 | 事項 | 編成 | |||
---|---|---|---|---|---|
1942年6月30日 | 「長波」藤永田造船所にて竣工 | 長波 | |||
8月18日 | 「巻波」舞鶴海軍工廠にて竣工 | 長波 | 巻波 | ||
8月31日 | 第三一駆逐隊編成、「高波」浦賀船渠にて竣工 | 長波 | 巻波 | 高波 | |
10月1日 | 「高波」第三一駆逐隊に編入 | 長波 | 巻波 | 高波 | |
10月26日 | 南太平洋海戦 | 長波 | 巻波 | 高波 | |
11月7日 | 「長波」ガダルカナル島沖で空襲を受ける(中波) | 長波 | 巻波 | 高波 | |
11月30日 | ルンガ沖夜戦、「高波」戦没。 | 長波 | 巻波 | 高波 | |
12月29日 | 「大波」藤永田造船所にて竣工 | 長波 | 巻波 | 大波 | |
1943年1月20日 | 「大波」第三一駆逐隊に編入 | 長波 | 巻波 | 大波 | |
1月25日 | 「清波」浦賀船渠にて竣工 | 長波 | 巻波 | 大波 | 清波 |
2月1日 | 「巻波」ガダルカナル島撤収作戦に参加 | 長波 | 巻波 | 大波 | 清波 |
2月25日 | 「清波」第三一駆逐隊に編入 | 長波 | 巻波 | 大波 | 清波 |
3月 | 「長波」舞鶴へ回航 | 長波 | 巻波 | 大波 | 清波 |
7月13日 | 「清波」コロンバンガラ島沖海戦に参加 | 長波 | 巻波 | 大波 | 清波 |
7月20日 | 「清波」コロンバンガラ島輸送作戦中に戦没 | 長波 | 巻波 | 大波 | 清波 |
7月26日 | 「長波」キスカ島撤退作戦に参加 | 長波 | 巻波 | 大波 | |
11月1日 | 「長波」ブーゲンビル島沖海戦に参加 | 長波 | 巻波 | 大波 | |
11月11日 | 「長波」第二次ラバウル空襲にて大破(32駆「涼波」戦没) 呉に回航、修理。(翌年5月戦線復帰) |
長波 | 巻波 | 大波 | |
11月25日 | セント・ジョージ岬沖海戦。「巻波」「大波」戦没。 | 長波 | 巻波 | 大波 | |
11月27日 | 「朝霜」藤永田造船所にて竣工。 | 長波 | 朝霜 | ||
12月3日 | 「岸波」浦賀船渠にて竣工。 | 長波 | 岸波 | 朝霜 | |
12月10日 | 「沖波」舞鶴海軍工廠にて竣工。 | 長波 | 沖波 | 岸波 | 朝霜 |
1944年2月10日 | 「沖波」「岸波」「朝霜」、第11水雷戦隊より第三一駆逐隊に編入。 | 長波 | 沖波 | 岸波 | 朝霜 |
6月12日 | 「沖波」第三次渾作戦に参加(作戦中止)。 | 長波 | 沖波 | 岸波 | 朝霜 |
6月19日 | マリアナ沖海戦(「長波」は不参加) | 長波 | 沖波 | 岸波 | 朝霜 |
10月18日~ | 捷一号作戦(シブヤン海海戦、サマール沖海戦) 「沖波」 - 大破した「鈴谷」生存者を救助、雷撃処分。 「長波」「朝霜」 - 大破した「高雄」を護衛、ブルネイに後退。 |
長波 | 沖波 | 岸波 | 朝霜 |
10月31日 | 「沖波」第2次多号作戦に参加 | 長波 | 沖波 | 岸波 | 朝霜 |
11月9日 | 「長波」「朝霜」、第4次多号作戦に参加 | 長波 | 沖波 | 岸波 | 朝霜 |
11月11日 | 第3次多号作戦。「長波」戦没。「朝霜」のみ生還。 | 長波 | 沖波 | 岸波 | 朝霜 |
11月13日 | マニラ湾空襲。「沖波」戦没。 | 沖波 | 岸波 | 朝霜 | |
11月15日 | 「朝霜」第二駆逐隊に移籍。(以降、第二駆逐隊、第二一駆逐隊の項を参照。) 第3次多号作戦で放棄された32駆「浜波」を書類上編入。32駆解散 31駆は第二遊撃部隊(南西方面艦隊)第一水雷戦隊に編入 |
浜波 | 岸波 | 朝霜 | |
11月20日 | 第一水雷戦隊解散、第二水雷戦隊に統合 | ||||
12月4日 | 「岸波」パラワン島近海にて米潜「フラッシャー」の雷撃で沈没。 | 岸波 | 朝霜 | ||
12月11日 | 第三一駆逐隊解隊(除籍45年1月10日) | 朝霜 | |||
(45年4月7日 | 坊ノ岬沖海戦 - 「朝霜」戦没。5月10日、朝霜除籍・第21駆逐隊解隊) | 朝霜 |
駆逐隊司令/所属艦・歴代駆逐艦長
「第31駆逐隊(第2代)」記事に移転しました |
艦隊これくしょん~艦これ~における第三一駆逐隊
「第三一駆逐隊(艦これ)」記事に移転しました |
アズールレーンでの所属艦
巻波(まきなみ)
「第三一駆逐隊所属、夕雲型の五番艦の巻波よ!
金剛さんと榛名さんの護衛として、太平洋での多くの戦いに参加したの!…えへへ~
ルンガ沖夜戦ではユニオンをぼこぼこにしたよ?」
2018年末イベント『蒼紅の祝祭』「Ptバッジ」累計獲得数報酬として実装。
史実では1942年8月18日に舞鶴海軍工廠で竣工し、長波と第31駆逐隊を編成。ヘンダーソン基地艦砲射撃やルンガ沖夜戦に従事。ケ号作戦(餓島撤退作戦)では三水戦臨時旗艦として参加するものの損傷し内地帰還。舞鶴での修理中は人見艦長が同地で修理中の初春・不知火の艦長職を兼務した。
修理完了後船団護衛任務をしつつトラック諸島に進出。ブーゲンビル島沖海戦に伴いラバウルに進出。ラバウル空襲で損傷した長波の救援に当たる。(長波は無事本土に曳航され修理の後、44年5月頃復帰)
1943年11月25日、第11駆逐隊司令(司令艦:天霧)指揮下でブカ島への輸送作戦にて僚艦大波と警戒隊を務めていたが、米アーレイ・バーク大佐指揮下の駆逐隊部隊に捕捉され戦没した(セント・ジョージ岬沖海戦)。
清波(きよなみ)
「夕雲型駆逐艦の8番艦の清波、です…対空能力を強化しましたけど、
やっぱりわたしも夕暮も、飛んでいるものはちょっと………うぅ、あのときにもっと頑張 っていれば……
で、でも!カンレキ的にはちょ、ちょっとだけ戦績があります!と、とにかくがんばります…っ!」
史実では1943年1月25日に浦賀船渠で竣工し、同年2月25日、先に竣工した大波と共に長波・巻波の第31駆逐隊に編入。編入直後は大波と共に船団や艦隊護衛の任務に従事。その後、ソロモン諸島をめぐる戦いやニュージョージア島をめぐる戦いに従事した。
1943年7月、第八艦隊の指揮下にあった第二水雷戦隊旗艦神通以下の艦隊に属し、神通の最期の戦であるコロンバンガラ島沖海戦に参戦した。(神通以下二水戦部隊のうち、当時の正式な所属で二水戦だったのは清波のみで、他は10戦隊16駆雪風、同17駆浜風、四水戦27駆夕暮、三水戦30駆三日月)
最期は同年7月20日。熊野・鈴谷・鳥海・川内・雪風・浜風・清波・夕暮の戦力での出撃中、ヘンダーソン基地航空隊のTBFアヴェンジャーによる夜間空襲で夕暮(戦没日当日二水戦編入)が轟沈、その救援に清波が向かった後消息を絶ち、戦没したものとされた。
関連項目
- 第三一駆逐隊 所属艦
※すべて夕雲型駆逐艦、薄字は非擬人化、太字は艦これの改二艦。 - 第二水雷戦隊
- 第一水雷戦隊 … 多号作戦に伴い一水戦に編入するも5日後に解散、二水戦と統合した。
- ルンガ沖夜戦 → 第十五駆逐隊 第二四駆逐隊
脚注
- 3
- 0pt