この記事で説明する第三艦橋とは、宇宙戦艦ヤマトの艦体底面にある予備艦橋のことを指す。
概要
艦体の底面にあることから、不時着、被弾のたびに幾度となく破壊され、いつの間にか再生していることから、ヤマトのトカゲの尻尾、不死身の第三艦橋とも言われる。また、発進の際にもアルプス山脈に擦りつけられる等々、常に命の危険にさらされる部署であることから、「第三艦橋勤務にはなりたくない」などのコメントが宇宙戦艦ヤマト関連の動画、スレにはつけられることが多い。
2009年末公開のアニメ映画「宇宙戦艦ヤマト 復活篇」においても、アクエリアスからの出航において、以前と変わらぬ雄姿を披露している。が、何を思ったかCIC(戦闘艦の情報中枢。人間なら脳にあたる部位のため、まともな設計なら安全な区画に置く。アルカディア号の電算室を思え)を第三艦橋に配置するとは!
ちなみにちゃんと期待に答える大活躍をしてくれる。2つの意味で。
余談だが1994年に発売された復活篇のメイキングビデオ「ヤマト・我が心の不滅の艦(ふね)-宇宙戦艦ヤマト胎動篇-」では電算室は艦首(自動航法装置室、「ヤマトIII」でハイドロコスモジェン砲が設置された場所。関連動画参照)に配置されていたのだが…。
2010年末公開の「SPACE BATTLESHIP ヤマト」では、浅利陽介演じる航海班員の安藤が所属しているが、敵の自爆からヤマトを守るため見事に犠牲となった。安藤の自己紹介のシーンで、死亡フラグをビンビンに感じたのはもはや言うまでもないだろう。
第三艦橋が予備艦橋として活躍したのは、ただの一度。宇宙戦艦ヤマト第一作目のガミラス冥王星基地決戦、反射衛星砲への対抗策の一環として、船体を反転して潜水した際に使われた。
戦略的にはもう不要な部位だが、ヤマトにはなくてはならないもの。それが、第三艦橋である。
以上のような存在であるため、よくパロディーのネタとしても使われる。比較的有名なものにGAINAXのOVA「トップをねらえ!」におけるエクセリヲンクルーによる「第三艦橋大破!」の台詞がある。が、そもそもエクセリヲンに第三艦橋在ったの??
『宇宙戦艦ヤマト2199』にて
「宇宙戦艦ヤマト2199」第二章では、ついにヤマトの艦底部に武装がついてしまったことが判明。漫画版ではすでにあったらしいが。冥王星の回(第6話)で更なる(まともな意味での)活躍が期待される。なお2199ではCICは堅固な第二艦橋内部と、常識的な場所に配置されている。
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以下第二章のネタバレ。
第3話、木星の浮遊大陸で戦艦ドリフトをやらかし(ただし今回は作戦上の行動ではなく波動エンジン破損による不時着)、変わらずの不運さを見せている。
そして第5話・第6話の冥王星攻略(め二号作戦)では、存在感では第三艦橋の下を行っていた第二艦橋に出番を奪われるというまさかの非常事態に。この作戦中第一艦橋のクルーはコスモゼロで出撃している古代を除き全て第二艦橋に集まっており、ずっとそこで作戦行動を展開していた。
例によって反射衛星砲を3発浴び海に沈む(このシーンが完結編過ぎて笑えない)のだが、ここでひっくり返ったりはせず、浮上する段になってひっくり返る(これが「潜水艦行動」らしい)。 反射衛星が真上にあることをわかっていてこの行動である。艦底部から発射されたミサイルで反射衛星を破壊し事なきを得たものの、反射衛星砲の方が早かったら第三艦橋がデストローイされていたのは言うまでもない。どうやらヤマトの主要クルーは第三艦橋を破壊したいようだ。相変わらずである。
そして第三章以下のネタバレ。
劇場販売パンフレットの図解によると、2199の第三艦橋は「波動防壁制御室」と記載されている。つまり第2章第6話で先任伍長たちが、波動防壁制御盤を管理していたのは…。そして2199版ヤマトの最大の防御手段である波動防壁の命運は、よりにもよって第三艦橋に握られている。
但しオーディオコメンタリーでは「不死身の第三艦橋なので、戦艦ドリフトも大丈夫」と言われており、ヤマトの装甲が一番分厚いのは、第三艦橋を含む船底部とも設定されている。なので地球に戻るまで大丈夫…かもしれない。
なお、以上の解釈からすると、冥王星会戦では「第三艦橋や艦底部に反射衛星砲が直撃しても大丈夫だろう」と判断された可能性が高い。扱いの悪さはこれまで以上…かもしれない。
しばらく出番がなかったが、第六章にてついに見せ場がやってきた。
旧作でも非常に有名なシーンであったドメル艦隊との七色星団会戦。開幕早々第三艦橋横のアンテナに被弾し、案の定波動防壁を展開できなくなるという最悪の事態に。
その後、ガミラスの猛攻に対しヤマトは始終劣勢を強いられるが、ドリルミサイル(本作での正式名称は特殊削岩弾)の反転と沖田艦長の機転によりついに形勢逆転。例によって例のごとく第三艦橋にしがみつかれた挙句ドメルに自爆され、第三艦橋の運命はついに尽きたかと思われた…。
…が、大爆発の煙から出てきたヤマトの艦底部には、損傷してはいるものの無事にくっついている第三艦橋の姿が!! ギリギリ真田さんや榎本掌帆長らによる波動防壁修理が間に合い、爆発によるダメージを見事軽減したのである。全国の第三艦橋ファンの顔には安堵と少しばかりの物足りなさが浮かんだのは言うまでもない…。
これまでの活躍まとめ
- 『宇宙戦艦ヤマト』
- 『宇宙戦艦ヤマト2』
- 『ヤマトよ永遠に』
- 『宇宙戦艦ヤマトIII』
- 『宇宙戦艦ヤマト 完結編』
- 『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』
- 『SPACE BATTLESHIP ヤマト』
- 『宇宙戦艦ヤマト2199』
- PS2ゲーム版『宇宙戦艦ヤマト 二重銀河の崩壊』(オリジナルシーン)
関連動画
第三艦橋ファンの聖地。
復活篇での活躍。
同じくゲーム版より、貴重な第三艦橋内部。頭だけの哀れなアナライザーを笑いながらどうぞ。
「ヤマト・我が心の不滅の艦(ふね)-宇宙戦艦ヤマト胎動篇-」(1994年)収録の復活篇初期設定。
電算室はこの後15年の間になぜか第三艦橋に移動することになる。
ついに艦底部にも武装が付いたヤマト。
アニメシリーズではもちろん初。さらなる第三艦橋の活躍に期待しよう。
関連項目
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