第六駆逐隊とは、旧大日本帝国海軍の駆逐隊のひとつである。ニコニコ動画界隈ではほぼ「艦隊これくしょん~艦これ~」の艦娘である暁・響・雷・電の四人を指す愛称として使われている。
概要
日本海軍の駆逐艦による部隊「駆逐隊」であり、特に太平洋戦争中、暁型(特Ⅲ型/吹雪型第三期)駆逐艦4隻で編成された横須賀鎮守府所属の駆逐隊である。所属の正式名称は『第一艦隊第一水雷戦隊第六駆逐隊』
4人揃っての編成・出撃任務があるという点から、提督(プレイヤー)の大半がこの4人を艦隊に組み込んだ事は一度はあり、その後も4人まとめて運用する機会もあると思われる。また同タグがない場合でも4人一緒に登場する動画もある。
数ある部隊の中でも第六駆逐隊がクローズアップされる要因として、
- 「絵師・声優・制服・等身が統一された姉妹艦」
- 「お互いに仲が良い描写が多い」(公式ファミ通クリアコミック13話・インテリアアイテム「隊逐駆六第」(記事冒頭のもの。ちなみに書いたのは響)
- 「四人でのグッズ展開がある」(下記市場参照)
- 彼女たちの主役の作品(水雷戦隊クロニクル)が展開中
など公式サイドからの後押しも大きいが、無論それだけで人気が出るというわけではない(それだけで終わっていたら、単なるごり押しである)。4人それぞれが非常に多い駆逐艦娘の中でも埋没しない個性の持ち主であり、提督達に受け入れられ愛された結果と言えよう。
容姿・服装
4人お揃いの錨マーク入りの黒のセーラー服に加え、「暁」「響」は錨マーク入りの黒い帽子を被っている。「雷」「電」は帽子はなし。これは、太平洋戦争開戦時は「暁」「響」は南方部隊本隊に所属していたのに対し、「雷」「電」は香港攻略部隊に参加と二組に分かれて行動していたためと思われる。
お揃いのアクセサリーとして、特Ⅲ型駆逐艦を意味する(と思われる)Ⅲの記章を身につけていることが挙げられる。ちなみに、「暁」はセーラーの左襟、「響」は帽子、「雷」は右襟、「電」はセーラー服の右裾(通常絵では魚雷に隠れて見つけにくいが、中破絵ではっきりと確認できる)に付けている。
公式四コマ第13話によると、4人とも寝るときはパジャマである。
キャラクター
暁 (あかつき)
「どう考えても、暁が一番ってことよね!」
四姉妹の長女。黒(もしくは濃い紺)髪ロング。性格は割と生真面目。
一番上のせいか、やたらと大人ぶろうとするところがあるが、提督達からはその大人ぶろうとするところを微笑ましく見られていることが多い。
何気に「なのです!」の使い手の一人だったりもする。「本日はお日柄もよく、なのです」
詳しくは、暁(艦これ)を参照。
響 (ひびき)
四姉妹の次女。銀(もしくは白)髪ロング。史実では四艦中唯一戦争を生き残り、戦後ソ連に賠償艦として渡されたことから、その後の姿として改二「ヴェールヌイ」が実装されている。
性格的にはクールでやや斜に構えているが、内に秘めたる熱い部分もあり。また、「ヴェールヌイ」の記憶があるためか、「響」の時でもロシア語を話すこともある。
ちなみに史実では、第六駆逐隊の他メンバーが壊滅後、「潮」だけが残された(こちらも僚艦が全滅している)第七駆逐隊へ一時転属していた(昭和20年1月~4月)。
詳しくは、響(艦これ)を参照。
雷 (かみなり いかずち)
「この雷様に敵うとでも思ってんのかしら…ねっ、司令官!……あれ、聞いてるぅ?」
四姉妹の三女。茶色のショートヘアの元気娘。人呼んで「ダメ男製造機」。
そのロリロリしい容姿と、それに見合わぬ包容力に骨抜きにされる提督が続出した。
「もーっと私に頼っていいのよ!」
詳しくは、雷(艦これ)を参照。
電 (でん いなづま)
「戦争には勝ちたいけど、命は助けたいって…おかしいですか?」
四姉妹の四女。茶色のセミロング(?)を結い上げている髪型。初期に選べる艦娘のうちの一人であり、その儚げな容姿に最初から大破した提督も数多い。
「電の本気を見るのです」のセリフが有名で、「なのです!」は一世を風靡した。
初期艦選択時の説明によると、「大人の女性を目指して毎日牛乳を飲んでいる」らしい。
詳しくは、電(艦これ)を参照。
戦史・第六駆逐隊
日付 | 出来事 |
---|---|
昭和7年(1932)8月15日 | 「雷」就役 (浦賀船渠) |
11月15日 | 「電」就役 (大阪・藤永田造船所) 「雷」と第六駆逐隊を編成 |
11月30日 | 「暁」就役 (佐世保海軍工廠) 第十駆逐隊(「狭霧」「漣」)へ配属 |
昭和8年(1933)3月31日 | 「響」就役 (舞鶴海軍工廠) 第六駆逐隊へ配属 |
昭和9年(1934)6月29日 | 「電」、演習中に「深雪」と衝突 「深雪」沈没 |
昭和12年(1937)7月7日 | 支那事変勃発 |
11月5日 | 第十駆逐隊、杭州湾上陸作戦に参加 |
昭和14年(1939)11月15日 | 第十駆逐隊解隊、「暁」は第六駆逐隊へ転属 |
昭和15年(1940)11月15日 | 第六駆逐隊、第一艦隊第一水雷戦隊へ編入 |
昭和16年(1941)12月8日 | 太平洋戦争開戦 第六駆逐隊は南方攻略へ出撃 |
昭和17年(1942)2月27日 ~3月1日 |
バタビア沖海戦およびスラバヤ沖海戦 「雷」「電」の敵兵救助 |
5月20日 | 第六駆逐隊、北方(アリューシャン列島)攻略部隊へ配属 |
6月6日 | ミッドウェー海戦 |
6月12日 | キスカ島攻略作戦で「響」大破 「暁」の護衛で大湊へ退却(11月まで修理) |
7月30日 | 第六駆逐隊に「薄雲」(艦これ未実装)が一時編入(翌月、第二十一駆逐隊へ転属) |
9月 | 第六駆逐隊(「響」を欠く)はソロモン諸島方面へ転戦 |
10月25日 | ルンガ沖で米軍と交戦(「暁」「雷」「白露」の臨時編成) |
11月13日 | 第三次ソロモン海戦第一夜戦 「暁」戦没 ほか戦艦「比叡」、駆逐艦「夕立」も戦没 「雷」大破、トラック島へ後退 「電」は15日の第二夜戦にも参戦 |
昭和18年(1943)2月 | 「雷」「電」は第五艦隊(北方部隊)に入り大湊へ 「響」は駆逐艦「潮」とともにトラック島方面の護衛任務 ※この頃から「響」のみ、連合艦隊司令部直属のような扱いで別行動をとるようになる |
3月27日 | アッツ島沖海戦 「雷」「電」が参戦しているが戦果なし |
4月1日 | 第六駆逐隊は新編成の第十一水雷戦隊へ配属 「雷」「電」は損傷修理のため入渠 |
5月 | 「雷」「電」はトラック島方面へ出撃 「響」は北方部隊へ配属され、アリューシャン方面へ出撃 |
7月29日 | キスカ島撤退作戦 「響」が参加 |
12月21日 | 「響」、連合艦隊司令部付属となる |
昭和19年(1944)1月20日 | 「雷」、連合艦隊司令部付属となる |
4月14日 | 「雷」戦没 輸送船護衛中、グアム島近海で米潜水艦の攻撃を受ける |
5月14日 | 「電」戦没 輸送船護衛中、フィリピン南方で米潜水艦の攻撃を受ける |
6月19日 | マリアナ沖海戦 「響」は第二艦隊のタンカー護衛任務に従事 |
6月25日 | 第六駆逐隊解隊 |
9月~11月 | 「響」、台湾近海で輸送船護衛任務中に艦内で赤痢発生、佐世保へ回航 |
昭和20年(1945)1月15日 | 「響」、残存艦が「潮」のみとなっていた第七駆逐隊(第二艦隊第二水雷戦隊)へ配属 ※「潮」が損傷で横須賀から動けないため、単独行動 |
3月29日 | 「響」、周防灘で機雷に接触し損傷、呉へ回航する。 ※このため、菊水作戦(戦艦「大和」と第二水雷戦隊による水上特攻)に参加せず |
4月20日 | 第七駆逐隊、解隊 |
5月~6月 | 「響」、呉から舞鶴を経て新潟へ移動 |
7月10日 | 「響」、第一海上護衛艦隊へ配属 |
8月15日 | 午前7時頃新潟にB-29飛来 「響」、対空戦闘 正午、玉音放送 事実上の終戦 |
終戦後 | 「響」、武装解除の上復員輸送に従事 |
昭和22年(1947)7月5日 | 「響」、ソ連に賠償艦として引き渡される ※引き渡された場所については日本側の資料ではナホトカ、ソ連側の資料では大湊となっている |
7月7日 | 「響」、ウラジオストクへ回航 ソ連海軍太平洋艦隊第五艦隊へ編入 |
7月22日 | 「響」、艦名を「ヴェールヌイ(Верный)」に改称 |
昭和23年(1948)7月5日 | 「ヴェールヌイ」、第一線を退き種別を練習艦に変更 同時に艦名も「デカブリスト(Декабрист)」に改称 |
昭和28年(1953)2月20日 | 「デカブリスト」、老朽化によりソ連海軍より除籍 |
昭和45年~55年頃(1970年代) | 「デカブリスト」、ソ連海軍航空隊の標的艦として海没処分 ウラジオストク沖カラムジナ島岸に眠る |
他の駆逐隊
艦これで実装されている駆逐艦娘で纏まっている他の駆逐隊(2019年6月現在)としては以下の隊がある。(背景黄色の駆逐隊は編成・出撃任務があることを意味し、赤字の艦は未実装、青字の駆逐隊は太平洋戦争以前に編成されていた駆逐隊)
- 白露型の村雨・夕立・春雨・五月雨で編成された第二駆逐隊
- 陽炎型の野分・嵐・萩風・舞風で編成された第四駆逐隊
(※嵐、萩風、舞風の戦没後に、朝雲・山雲・満潮が編入) - 神風型の朝風・春風・松風・旗風で編成された第五駆逐隊
- 特Ⅱ型(綾波型)の朧・曙・漣・潮で編成された第七駆逐隊
(※前述の通り、最後は響も所属していた) - 朝潮型の朝潮・大潮・満潮・荒潮で編成された第八駆逐隊
- 特Ⅱ型(綾波型)の狭霧・漣と特Ⅲ型(暁型)の暁で編成された第十駆逐隊(第3代)
- 陽炎型の秋雲と夕雲型の夕雲・巻雲・風雲で編成された第十駆逐隊(第4代)
(※巻雲、夕雲の戦没後に、第九駆逐隊より朝雲が編入) - 特Ⅰ型(吹雪型)の吹雪・白雪・初雪・深雪で編成された第十一駆逐隊
(※深雪は日中戦争前に事故で沈没。太平洋戦争開戦後、叢雲・天霧・夕霧が編入) - 陽炎型の初風・雪風・天津風・時津風で編成された第十六駆逐隊
(※時津風・初風の戦没、天津風の戦線離脱後に同隊は解隊され、雪風は第十七駆逐隊に編入) - 陽炎型の浦風・磯風・浜風・谷風で編成された第十七駆逐隊
- 陽炎型の陽炎・不知火と朝潮型の霞・霰で編成された第十八駆逐隊
- 特Ⅰ型の磯波と特Ⅰ改型の浦波、特Ⅱ型の綾波・敷波で編成された第十九駆逐隊
- 初春型の初春・子日・若葉・初霜で編成された第二一駆逐隊
- 睦月型の皐月・水無月・文月・長月で編成された第二二駆逐隊
- 改白露型の海風・山風・江風・涼風で編成された第二四駆逐隊
(※山風・江風の戦没後、朝潮・大潮・荒潮が戦没していた第八駆逐隊を解隊し、満潮が編入) - 睦月型の睦月・如月・弥生・望月で編成された第三十駆逐隊
(※かなり出入りの激しい駆逐隊で、卯月や三日月もここに転入し、それぞれ戦没まで所属している) - 夕雲型の長波・沖波・岸波・朝霜で編成された第三十一駆逐隊
(※消耗の激しい駆逐隊で、開戦当初の構成艦は長波のみ。竣工3ヶ月で戦没した高波をはじめ、清波・巻波・大波も所属していたが戦没。この編成はレイテ沖海戦が行われる直前の編成) - 秋月型の秋月・照月・涼月・初月で編成された第六一駆逐隊
(※ただし、秋月型駆逐艦同士はほとんど行動を共にすることは無かった)
- 朝潮型の朝雲・山雲・夏雲・峯雲で編成された第九駆逐隊
- 特Ⅰ型(吹雪型)の吹雪・東雲・磯波で編成された第二十駆逐隊(初代)
- 特Ⅱ型(綾波型)の朝霧・夕霧・天霧・狭霧で編成された第二十駆逐隊(第2代)
- 睦月型の卯月・菊月・夕月で編成された第二三駆逐隊
- 初春型の有明・夕暮と白露型の白露・時雨で編成された第二七駆逐隊
(※有明・夕暮の戦没後、村雨・夕立が戦没していた第二駆逐隊を解隊し、春雨・五月雨が編入) - 夕雲型の早霜・秋霜・清霜で編成された第二駆逐隊(再結成)
がある。
(同型艦や類似の艦で集まっているのは、一にも二にも速度を合わせて行動するためである。ぜかまし涙拭けよ)
いずれも、編成任務「第六駆逐隊を編成せよ!」がある第六駆逐隊と比較すると知名度はまだ高くなく、今後のアップデートに期待したい。
(2014年1月15日のアップデートで、新たに第八、第十八駆逐隊に編成・出撃任務が追加された。その後も第三十駆逐隊などに、編成・出撃任務が順次追加されている)
なお、余談だが、小説「艦隊これくしょん-艦これ- 陽炎、抜錨します!」に登場する第十四駆逐隊は、史実の太平洋戦争時は欠番になっており、実在しない。ただし江風型駆逐艦の江風・谷風と樅型駆逐艦の菊・葵による第十四駆逐隊が太平洋戦争近く(1939年解隊)まで実在していた。
メディアミックス
小説や漫画作品においても第六駆逐隊の登場する頻度は高く、複数の作品でメインキャラクターを務めている。
艦隊これくしょん -艦これ- 4コマコミック 吹雪、がんばります!
表題の通り主人公は吹雪であるが、第13話は第六駆逐隊をテーマとして、ある朝突然ヴェールヌイになってしまった響を巡る騒動が描かれる。
艦これプレイ漫画-艦々日和-
作者水本正提督によるリプレイ漫画。同艦隊の風紀委員を勤めており、事あるごとに入渠ドックを覗こうとする水本提督を捕まえたり通報したりしている。本編の主人公及び秘書艦が常時吹雪のため登場数は少ないが、コミックスでは描き下ろしエピソードとして「第六駆逐隊を編成せよ!」「第六駆逐隊出撃」が収録されている。
艦隊これくしょん -艦これ- いつか静かな海で
自衛艦にその名を受け継ぐ艦娘たちの活躍を描くオムニバス漫画。第2話では五十鈴・最上に率いられた第六駆逐隊が船団救援のために出撃。雷・電が撃沈されたタンカーの乗組員を救出に向かい、暁・響は深海棲艦の潜水艦と対決する。
艦隊これくしょん -艦これ- 水雷戦隊クロニクル
第六駆逐隊と天龍・龍田を主役とした漫画。他の作品では概ね練度が高い描写の第六駆逐隊だが、こちらではまだまだ未熟で彼女たちの成長物語と云える。
艦これなのです! 艦隊これくしょん
電が主役の、オリジナル要素の強い漫画。鎮守府学園の深海棲艦対策係「第六班」として雷とコンビを組み、学園の生徒や町を襲う深海棲艦と戦う。暁・響とは係・班が違うが入学以来の友人である。
艦隊これくしょん -艦これ- 鶴翼の絆
瑞鶴が主役の小説。作中では瑞鶴のとある素質を見極めるために、ある共通点を持つ艦娘として響が登場。作中では雪風と並び最も錬度の高い駆逐艦であり、瑞鶴と共に最終決戦を戦い抜く。
艦隊これくしょん -艦これ- 陽炎、抜錨します!
直接の登場はないが、主な舞台が横須賀鎮守府ということもあり、しばしば第六駆逐隊について触れられる部分がある(提督が雷に甘えに行く、電と深雪の演習中の事件、横須賀の駆逐隊として最優秀etc.)。
あとがきによれば、第六駆逐隊も主役候補に挙がっていた(他作品とのネタ被りでお流れとなった)。
艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 一航戦、出ます!
“一航戦”赤城・加賀が主役…と思いきや、強力な姫級深海棲艦の登場による提督の苦悩と決断を描いたある意味ゲーム準拠の小説。
鼠輸送を行う遠征艦隊として、天龍・龍田と共に第六駆逐隊が登場。作戦中に敵水雷戦隊と遭遇し、夜戦に突入するか離脱して任務を続行するかの判断を迫られる。
関連動画
史実の境遇も相まって、タグ「泣ける艦これ」の良作動画も数多く投稿されている。
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関連項目
第六駆逐隊(暁型姉妹) / 吹雪型駆逐艦 |
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1.暁 - 2.響 - 3.雷 - 4.電 吹雪型姉妹 - 綾波型姉妹 |
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- ページ番号: 5142120
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