第3次スーパーロボット大戦とは、1993年に発売されたスーパーファミコンソフトである。
概要
前作「第2次スーパーロボット大戦」の大不振を受け、「スパロボ」というシリーズの行く末を担って発売された。
プラットフォームはスーパーファミコンとなり、グラフィックやシステムはさらにブラッシュアップされた。
前作と比べると以下の点で大きく進化しており、現在のスパロボにまで引き継がれる要素が多数登場している。
- 戦闘時に背景が追加された。
- 戦闘時、攻撃側と防御側で画面が切り替わるようになった。
- アニメーションが大幅に強化された。
- カットインが採用された(ライディーンのゴッドバード)。
- ユニットが改造出来るようになり、自分の好きな機体を強くできるようになった(武器は不可)。
- パイロットのパラメータが一定値以上になると、敵味方とも2回行動ができるようになった。
- パイロット乗り換えシステムが実装。モビルスーツやマジンガー系、コープランダー隊のユニットを好きなパイロットで使用できるようになった。
- Gディフェンサーや地球製スペイザーが初登場し、分離・合体のシステムが実装された。またリ・ガズィも登場し、撃墜されても外装パーツを分離して復活するシステムも実装された。
- 前作ではシステムの都合上登場しなかった「剣鉄也」と「車弁慶」が初登場。その代り巴武蔵は原作通り戦死する。
- 敵(赤)・味方(青)に加えて「第三軍」(黄色)の要素が初登場した。本作では基本的にDC残党が赤、異星人が黄色のユニットとして登場する。ステージによっては赤軍と共闘して黄色軍を倒す展開もある。
一方で、以下のような注意点もある。
- 攻撃の際、武器を選択するとキャンセルできない。よってとりあえず命中率を確認してから武器を選択する、敵の反撃が何か確かめる、といった行動ができない。
- 反撃・防御・回避については部隊全員への大まかな指示しかできず、プレイヤーが武器を選択したりすることはできない。武器が全て射程外の場合は反撃も防御もしてくれない。
- その後の作品と比べると精神コマンドのSP消費量が2倍くらい高く設定されている。たとえば「ひらめき」が30、「気合」が80など。一方で「幸運」は20と激安で、この頃は資金だけでなく経験値も2倍になるため、初期メンバーで習得するカイや隼人は積極的に使っていきたい。
- 戦闘画面にダメージ量が表示されず、また最大でも一度に9999までしかダメージを与えられない。
- 序盤の難易度が高め。ジムが弱すぎてネモが神に見える。初期メンバーのリュウとハヤトはすぐに永久離脱してしまうので経験値は与えたくない。
- ようやく苦しい序盤を乗り切った辺りのシナリオ「うわさの破乱万丈」は、ギャプランに乗ったジェリド&カクリコンを筆頭に敵メカがこれまでより1ランク強いユニット(ガブスレイ、ドライセン、カプールなど)となり、その上に数も多いのでここで躓くプレイヤーも多い。
- 5機合体ロボの「コン・バトラーV」が新規参戦したが、分離状態は特定のステージに限られ、全編通して分離できない。その上、本作の精神コマンドはメインパイロット(コンバトラーなら葵豹馬)のものしか使えない為、後の作品のような複数人乗りの恩恵を受けられない(インターミッションではきちんと他4人も加入・成長しているのが確認できるが使用できない。例外的にゲッターロボに関しては変形することでメインパイロットと精神コマンドが変わり、変形しても効果が続くので問題ない)。
コン・バトラーVに関しては、他にも必殺技の超電磁スピンの消費ENが200ともはや燃費が悪いを通り越して逆に笑えるレベルであり、上述の通り本作は反撃が自動なので勝手にENを消費してしまい、肝心なところでスピンが撃てないという事態も多々発生する。 - 「御三家」以外で初参戦の「コン・バトラーV」と「ライディーン」は初登場シナリオで敵ライバルを倒して原作再現終了。残る「ダイターン3」は敵が出てこない所謂「いるだけ参戦」と、3作品ともシナリオ上では不憫である。
- ものすごく分岐が複雑で(プレイヤーが指定するものと、ターン数などの条件で分岐するものがある)それによってステージ数も変わる。ただし後の作品のように部隊が2分割されることはない。最短で34話、最長で43話になる。
- 出撃する機体を選択すると普通はそれらの機体がステージ上に出現するが、戦艦に格納された状態から始まるステージもある。
また、バンプレストオリジナルとして有名な「ヴァルシオーネ」の初登場作品であり、その姿は当時のプレイヤーの度肝を抜いた。
さらには「ネオ・グランゾン」も本作で初登場。ヴァルシオーネとは別の意味でプレイヤーの度肝を抜いた。
苦しい序盤を乗り越えて、アーガマと百式が加入するとゲームバランスが一変し、マップ兵器が猛威を振るう(現在では百式のメガバズーカランチャーは幅1列の事が多いが、本作で幅3列で射程も長い)。特にブライトは必中と幸運を覚えるので、上手く敵を誘導して一気に殲滅すれば、中盤でラスボスのレベルを超えることも可能。更に中盤からはZZガンダム、サイバスター、ヴァルシオーネといった機体も加入する。本作のマサキとリューネは必中も熱血も幸運も覚えないので削り役が無難。百式とZZは乗り換え可能なので様々なパイロットの育成に役立つ。マップ兵器は燃費が悪いが、カツをこの方法で育てれば補給を覚えるので便利なのだが、ルート次第では加入しない。
容量が三倍に増えたこともあり、参戦作品が大幅に増加。また、シリーズ初のルート分岐が採用され、さらには規定ターン数以内にクリアすることで隠しシナリオが発生するなど、やりこみ要素も増した。
BGMも定評があり、「時を越えて」「VIOLENT BATTLE」や「ARMAGEDDON」もこの作品が初登場となる。作曲者の田中伸一氏による原曲もニコニコ動画内で本人のアカウントで上がっているので、まだ原曲を聞いたことがない人は是非聞いてみよう(関連動画を参照)。
本作は当初売上が不振だったが、様々な媒体での宣伝が功を奏し徐々に売り上げが伸びていき、最終的には売り場から消えてしまうほどの人気となった。これを受けて「EX」「第4次」の製作が決定され、スパロボシリーズは命をつないだのである。
ストーリー
DC戦争終結から半年。国連に代わり新たに組織された「地球連邦政府」は、治安維持の為に戦争の英雄「ホワイトベース隊」を新たに「ロンド・ベル隊」へと再編成、任務にあたらせた。しかし、彼らの力は危険視され、大幅に戦力を弱体化させられていた。
ある時、連邦軍の部隊が突如失踪する事件が多発。調査を命じられたロンド・ベル隊は、DC残党との戦闘のさなか、謎の武装勢力と遭遇する。
彼らこそ「インスペクター」。ビアン・ゾルダーク博士が生前警鐘していた「異星人」であった。インスペクターは地球圏の調査をすべく、様々な地域に奪取した戦力を派遣していた。
地上では悪魔帝国などの新たな勢力も登場、再び地球圏に戦乱が巻き起こる。
ザビ家の元、体制を立て直したDCと、インスペクター。そしてロンド・ベル。三つ巴の戦いが今ここに始まる。
後に「インスペクター事件」と呼ばれる戦いの幕開けであった。
参戦作品
赤字が新規参戦作品。
- 機動戦士ガンダム
- 機動戦士Zガンダム
- 機動戦士ガンダムZZ
- 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
- 機動戦士ガンダムF91
- 機動戦士ガンダム0083 Stardust Memory
- マジンガーZ(劇場版を含む)
- グレートマジンガー
- UFOロボ グレンダイザー
- ゲッターロボ
- ゲッターロボG
- 勇者ライディーン
- 超電磁ロボ コン・バトラーV
- 無敵鋼人ダイターン3
リメイク版
1999年にプレイステーション用として「第2次スーパーロボット大戦」と「スーパーロボット大戦EX」と同時に収録された「スーパーロボット大戦 コンプリートボックス」として発売された。同年には単品版も発売されている。
他二作同様にシステムは「スーパーロボット大戦F」仕様となっており、またバランス調整などもなされている。ただし、BGMに関して言えば上記の通りなので、結構物足りないどころか一部では残念な仕上がりという声が多数あったりする。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- スーパーロボット大戦
- スーパーロボット大戦シリーズの一覧
- ヴァルシオーネ
- ネオグランゾン
- 田中伸一 … 本作の作曲担当
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