糖質ブームとは、統合失調症患者の動画に端を発した、一連の奇人動画晒しブームである。
概要
陽性症状を示す統合失調症患者は、しばしば自分が嫌がらせや攻撃を受けている、集団ストーカー被害に遭っている、誰かが自分の悪口を言っているなどの妄想を抱くことがある。 youtubeをはじめとした動画サイトには、以前よりこれらの症状を示す患者が電車内や公共の場所で大声を上げたり暴力を振るうなどの迷惑行為を撮影した動画や、患者自身が集団ストーカー被害の証拠などと称して、無関係の通行人や車などを撮影してアップロードした動画が存在していた。
ニコニコ動画においても、電車内で周囲に因縁を付けて暴れ電車を止める女性(その心笑ってるね)の動画や後に糖質四天王と呼ばれる妄想戦士さゆり、安達真、寺井ネキ、そしてブームの発端となるaiueo700など統合失調症患者にまつわる動画の存在が恒心教徒や淫夢厨などの一部で話題となっていたが、ランキングに登場することは稀であった。
集団ストーカーに狙われていると主張して通行人に因縁をつけて撮影したり、時には暴行に及んだり、近隣住民とトラブルを起こすなどする様子をyoutubeに投稿していたaiueo700の動画は、2015年12月頃からニコニコ動画にも転載され初めていた。次第に、その悪質さに目を付けたネット住民たちにより、パンフレットを送り付ける、着払いの荷物を送り付けられるなどの嫌がらせを受けるようになっていったが、2016年8月頃から、とうとう直接aiueo700宅に凸する者たち(岩倉使節団)が現れた。エアガンで狙撃される、ドアにトラップを仕掛けられる、ネットに強い弁護士のビラを撒かれる、大物youtuberが紹介した商品を紹介されるなど、彼の妄想上の存在だった集団ストーカーが現実のものとなった様子は彼自身の手によりすぐさまyoutubeにアップロードされ、ニコ動に転載されたそれらの動画や、MAD作品が次々とランキングを埋め尽くし、aiueo700は一躍時の人となった。
あわせて他のaiueo700以外の糖質四天王や電車内やバス内などで奇声、奇行を発したり常軌を逸した言動をとる人物達の動画が、「ゲームのカード落としちゃった」や「ドラえもん のび太の沖縄ヘリパッド」「性の喜びを知りやがって」など、統合失調症とは直接関係がないと思われるものを含めて、ランキングに登場するようになり、糖質ブームともいわれる一種のムーヴメントが発生したのである。
批判
今回のような統合失調症患者がネット上でネタにされ、コンテンツ化されることに関しては批判が少なからず挙がっている。統合失調症を扱う上で問題になりやすいのは、このような陽性症状に対する社会の無理解や偏見であるという。統合失調症は100人に1人がなる病気であり、症状自体も深刻なものでありながら、治療に際しても肉体的・精神的、そして時間的に多大な負担を患者に強いるものである。さらに、自殺を遂げる患者の割合はうつ病よりも多いが、その原因は妄想そのものではなく、職業に就けないことや偏見を受けることなど社会的地位に関わることが多いという。
さらに今回のブームにより、統合失調症という言葉そのものが注目を浴びた一方で、統合失調症という概念自体をよく理解しないまま「糖質」、「統合失調症」という言葉を乱用する者が現れ、統合失調症とは明らかに異なる人物の動画まで糖質ブームに含められる事態に発展していることに、違和感を感じている者も少なくない。
ネットで見かけた「変な人」「ちょっとおかしいんじゃない?この人」という動画に、すぐ統合失調のタグを固定して晒す流れがあるが、医師の診断や本人の自称などがない場合は第三者視点の素人判断であり、実在の病名をレッテル貼りに使うのは危惧すべき問題である。生活習慣病などのように本人自身の行動責任が大きな要素として絡んでくる病気(もちろん生活習慣病にも外的要因や先天的な要因でなるケースもあるわけだが)ではなく、近親者の死や失職・離婚・受験失敗など、外部環境の激変により、誰にでもなりうる病気であり、いつ自身や身内が発症するともわからないのだから。いらぬ風評被害を広めるのは自重しよう。
関連動画
関連項目
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