糸魚川-静岡構造線とは、新潟県糸魚川市から静岡県静岡市駿河区までを縦貫する構造線(地質が大きく異なる境界)である。糸静線と略される場合もある。
概要
糸魚川-静岡構造線はフォッサマグナと呼ばれる大きな溝の西縁を担っており、東縁を柏崎-千葉構造線が担っている。なので、糸魚川-静岡構造線は線であり、フォッサマグナは面である。
もともと日本列島は北東-南西に直線的な地形であったが、南海トラフと日本海溝と、向きの異なる二つの大きなプレート沈み込み帯の押す力により、現在の関東付近は真っ二つに折られ大きな溝を作る形となった。その真っ二つに折られる際に誕生したのがフォッサマグナであり、その西縁が糸魚川-静岡構造線である。因みにその溝は一旦は完全に海になり日本海と太平洋を繋いだものの、太平洋プレートによる火山山体の形成や火山噴出物などにより埋まった(これが関東平野や越後平野などである)。また、関東山地や丹沢山地はフォッサマグナ内に位置しているが、これはフォッサマグナの応力が、フィリピン海プレート上の伊豆半島の本州への衝突によって引張から圧縮に転じた際できたものとされている。
糸魚川-静岡構造線は北アメリカプレートとユーラシアプレートの境界線とも考えられており、特に長野県と山梨県の部分の断層は日本の内陸では屈指に活発であるとされている。また、糸魚川-静岡構造線の北側は日本海東縁変動帯につながっているとも考えらている。
糸魚川-静岡構造線断層帯
糸魚川-静岡構造線断層帯は長野県北部から山梨県西部までを結ぶ全長150km程度の活断層である。主に、北部、中部、南部と分けられており、この項目ではその詳細を記述する。(以下は産業総合研究所 活断層データベースなどより引用。)
糸魚川-静岡構造線断層帯北部
神城断層
- 一般走向:N 10°W
- 一般傾斜:45°E
- 長さ:64km
- 断層型:東側隆起の逆断層
- 平均変位速度:3.7m前後/千年
- 単位変位量:6.4m
- 平均活動間隔:1700年
- 前回活動:762年または845年と推測
- 地震後経過率:0.60
- 将来活動確率(BPT分布):0.7%/30年内
- 備考:南へ行くほど一般傾斜が高くなる。また、北から活動が停止してきている。
糸魚川-静岡構造線断層帯中部
牛伏寺断層
- 一般走向:N 20°W
- 一般傾斜:90°V
- 長さ:29km
- 断層型:左横ずれ断層
- 平均変位速度:9.1m前後/千年
- 単位変位量:6.3m
- 平均活動間隔:700年
- 前回活動:762年または845年と推測
- 地震後経過率:1.59
- 将来活動確率(BPT分布):25%/30年内
- 備考:平均変位速度が日本の内陸の活断層で一位。将来活動確率が日本の内陸の活断層で一位。
茅野断層
- 一般走向:N 40°W
- 一般傾斜:90°V
- 長さ:36km
- 断層型:左横ずれ断層
- 平均変位速度:3.5m前後/千年
- 単位変位量:4.2m
- 平均活動間隔:1200年
- 前回活動:762年または845年と推測
- 地震後経過率:0.97
- 将来活動確率(BPT分布):8%/30年内
糸魚川-静岡構造線断層帯南部
白州断層
- 一般走向:N 20°W
- 一般傾斜:45°
- 長さ:17km
- 断層型:西側隆起の逆断層
- 平均変位速度:0.6m前後/千年
- 単位変位量:3.4m
- 平均活動間隔:5600年
- 前回活動:-577~227年
- 地震後経過率:0.39
- 将来活動確率(BPT分布):ほぼ0%/30年内
- 備考:北へ行くほど一般傾斜が高くなる。
下円井断層
- 一般走向:N 20°W
- 一般傾斜:30°W
- 長さ:15km
- 断層型:西側隆起の逆断層
- 平均変位速度:0.3m前後/千年
- 単位変位量:1.9m
- 平均活動間隔:6300年
- 前回活動:-448年~517年
- 地震後経過率:0.31
- 将来活動確率(BPT分布):ほぼ0%/30年内
市之瀬断層
- 一般走向:N 10°W
- 一般傾斜:30°W
- 長さ:13km
- 断層型:西側隆起の逆断層
- 平均変位速度:3.1m前後/千年
- 単位変位量:8.7m
- 平均活動間隔:2900年
- 前回活動:784年~947年
- 地震後経過率:0.40
- 将来活動確率(BPT分布):ほぼ0%/30年内
- 備考:単位変位量が日本の内陸の活断層で二位。
想定(糸魚川-静岡構造線断層帯北部・中部が活動した場合)
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関連項目
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