紀伊半島大水害(きいはんとうだいすいがい)とは、2011年に台風12号の影響で発生した豪雨災害のことである。
概要
2011年8月30日から9月5日にかけて、台風12号(9月3日に高知県東部に上陸)の影響で紀伊半島を中心に記録的な大雨となり、各地で甚大な被害が出た。
台風12号はそれほど強い勢力ではなかったが、大型で動きが遅い台風であったため、台風周辺の湿った空気が長時間にわたって流れ込んだ。そのため各地で記録的な豪雨となり、紀伊半島の一部の地域では、8月30日17時から9月5日24時までの総降水量が2,000mmを超えた(解析雨量)。
台風12号に起因する豪雨により、各地で河川の氾濫や土砂災害などが多発し、近畿地方(和歌山県や奈良県、三重県など)を中心に甚大な被害となった。
台風12号は、風による被害は少ない割に雨による被害が大きい「雨台風」の典型例であったといえよう。
被害状況
人的被害
住家被害
余談
- 2011年の台風12号は紀伊半島に甚大な被害をもたらしたにも関わらず、気象庁はこの台風を命名していない。もしも仮に命名されていたとすれば「平成23年紀伊半島台風」という名称になっていた可能性があるが、そもそもこの台風の上陸地点は紀伊半島ではなく四国であったことに加え、台風銀座である紀伊半島への台風上陸は多数の前例があることから(1959年の伊勢湾台風が上陸したのも紀伊半島である)、気象庁が命名を躊躇した可能性がある。
- 2011年の台風12号の国際名は「タラス」であったが、11年後の2022年に発生した台風15号も同じ名前であった。この台風15号も弱い台風であったが、静岡県に記録的な豪雨をもたらして大きな被害を出した。そのため、「タラス」は2回も日本を襲った「雨台風」となった。
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