累進課税単語

ルイシンカゼイ

累進課税とは、税額を算出する上で基礎となる課税対が増えるほど、より高い税率を課する課税方式のことをいう。

日本においては所得税相続税贈与税に採用されている。
 

所得税の累進課税 最低税率5、最高税率45の7段階。

相続税の累進課税 最低税率10、最高税率55の8段階

贈与税の累進課税 最低税率10、最高税率55の8段階
  

累進性が極度に強い所得税制と、累進性が極度に弱い所得税の比較

所得税は累進課税の税制となっている。この累進性を極度に強くすると1970年代イギリスのようになる。累進性を極度に弱くするといわゆるフラットタックス(flat tax 一律課税)exitとなる。

いずれの方式も、問題がある。
 

累進性が極度に強いときの問題点

累進性が極度に強い所得税制度を持っていたの代表例は、1970年代イギリスである。最高税率は83、課税対が不労所得だった場合は98だった。

プロスポーツ選手が1億円を所属チームから支払われても、税引き後に残るのは1700万円だけである。1億円の不労所得を得ている人は、200万円しか手元に残らない。

こうなると持ちから財産を没収するのと同じことになる。私有財産の否定であり、財産権(所有権)の否定といえる。共産主義という社会思想があるが、あの思想は私有財産の否定を軸としており、持ちをこの世から一掃するのが的である。それと同じことになる。

共産主義では労働意欲の減退が問題となったが、1970年代イギリスも高額所得者の労働意欲が減退することになった。「こんなに税を取られるのでは、やってられない」というわけである。

1970年代イギリスでは、高額所得を獲得できるような人材が次々とアメリカ合衆国に逃げ出した。言うまでもなく英国米国の両方は英語国語としているので、英国人は気軽に米国へ移住できたのである。頭明晰で優秀な人材が続々と移住していったのでブレイン・ドレイン(brain drain 頭脳流出)exitと言われた。

労働意欲の減退とブレイン・ドレインによって英国が落ち、英国病exitと言われた。
 

累進性が極度に弱い時の問題点

累進性が極度に弱い所得税制度というと、フラットタックス(flat tax 一律課税)exitである。すべての人が所得の額に関わらず同一の税率になる。

新自由主義者の渡部昇一が「所得税を一10フラットタックスにせよ」とたびたびしていた。



俗に言う持ち優遇となる。この制度を続けると一部の権を持つ人のみが得をするようになる。一部の人が持ちになり、その他大勢の所得が減っていく現が起こる。

所得税を一10にしたの中に、ある中小企業があり、3億円の税引前当期純利益が発生する見通しとなった。そのままでは3億円法人税がかかってしまう。「どうせ法人税で巻き上げられるぐらいなら、社員の給料にしてしまおう」となった。そこで社員として雇っている社長さん1人の給料を3億円にすることにした。社員たちからは文句が出たが、で黙らせた社長さんは3億円のうち、103000万円だけを所得税で払い、2億7000万円を手にした。

これが、フラットタックス採用の一例となる。権を握りしめたごく一部の人が得をする。その他大勢は会社の利益が出ても恩恵にあずかれず、本来受け取るべき収入が減るのと同じになる。その他大勢の従業員たちの財産権(所有権)を緩やかに否定しているのである

 

現在日本所得税に累進課税がかかっている。その中である中小企業があり、3億円の税引前当期純利益が発生する見通しとなり、「どうせ法人税で巻き上げられるぐらいなら、社員の給料にしてしまおう」となった。社員として雇っている社長さん1人に3億円の給料を払おうとしたら、累進課税となって課税額が1億3020万円となるのである。社長は「こんな馬鹿なことは、やめよう」と思い、安給の社員たちのボーナスを少しずつ増やすことにした。

こちらが累進課税採用の一例であり、累進課税の良さを示している。累進課税を採用すると、権者の暴走自然に食い止め、広く多くの人に富が行き渡るようになる。
 

中庸が大事

所得税の累進性を極度に高くするのは駄だし、極度に低くするのも問題である。やはり、何事も中庸というのが大事である。極端に走ってはならない。仏教でもお釈迦様がそう説いているではないか。キリスト教でもそういう教義があるらしい。儒学でも言われているのである。
 

所得税累進課税の良いところ

所得税制における累進課税の良いところというと、以下の項が挙げられる。

  • 高額所得者の労働意欲が適度に減退し、働き過ぎや過労死が減る

累進課税だと高額所得者の労働意欲が確かに減るのだが、それが良い方向に向かう。「働き過ぎても、駄だ」と思うことで休息を取ろうと思うようになり、働き過ぎや過労死を未然に防止する効果がある。

高額所得者というのは働き者である。その働き者が「働けば働くほど、稼げる」と信じ込んで狂ったように働くと、過労死してしまう。優秀な人材を失うことになり、国家や地域にとって大いなる損失になる。

高額所得者が庭を顧みないことで庭が崩壊し、子供不良になるという悲劇もしばしば聞かれる。累進課税を組み込むと、高額所得者も「働き過ぎず、庭に帰る時間を作ろう」と思うようになる。高額所得者は優秀な人なので、そういう優秀な人が庭を大事にして子供とふれあい次世代の人材を育成することは、国家・地域の発展に直結するであろう。

以上の効果を論じている学者は、ダニエル・ハマメッシュexitジョエル・スレムロッドexit大竹文雄exitである。
 

  • 高額所得者の労働意欲が適度に減退し、消費意欲が適度に落ち、インフレが防止される

累進課税で高額所得者の労働意欲を失わせることで、「消費しすぎるのもちょっと疲れる、一休みだ」と思うようになり、消費意欲が適度に落ち、世の中のインフレ自然に防止される。

インフレーションの記事に「ビルトインスタビライザーexit」という言葉が出てくる。所得税制に累進課税を組み込んでおくだけで、好気時に高額所得者が休みたいと思うようになり、過度のインフレが抑止されていく。
 

  • 会社の中の権者の暴走を食い止め、多くの従業員に広く薄く富が分配されるようになる

先ほどの例え話でも出てきたように、少数の権者に富が集中する現を防止できる。
 

所得税の累進課税を敵視する新自由主義者

新自由主義者の中には、所得税の累進課税を敵視する人物が多く見られる。そのうち1人が先ほども挙げた渡部昇一で、累進課税の止すなわちフラットタックスexitしていた。

新自由主義者の典例である竹中平蔵マーガレット・サッチャーは、人頭税exitしていた。人頭税というのは持ちも貧乏人も全く同じ額の税を納める制度であり、累進性が全くないどころか逆進性が極めて強い。

ちなみに、フラットタックスも人頭税も、税の計算方法が非常に簡単で、税務署の人員が少なくて済む。政府支出を削減して『小さい政府』を新自由主義者にとっては、政府の人数が少なくて済むという点で大きな魅を感じるのだろう。

ちなみに、マーガレット・サッチャー1990年に人頭税を理矢理導入したが猛反発を浴び、それが原因で辞任することになった。
 

関連項目

【スポンサーリンク】

スマホ版URL:
https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E7%B4%AF%E9%80%B2%E8%AA%B2%E7%A8%8E

この記事の掲示板に最近描かれたお絵カキコ

お絵カキコがありません

この記事の掲示板に最近投稿されたピコカキコ

ピコカキコがありません

累進課税

1 ななしのよっしん
2019/09/07(土) 16:53:08 ID: OoGIZYlvt+
現政権は「年間売上1000万円以下の企業のみ増税対」という累進性がないどころか逆進性が極めて強いの方針
「税の計算方法が非常に簡単」というメリットすらない

急上昇ワード

2019/10/17(木)02時更新