細谷真大(ほそや まお、2001年9月7日 - )とは、日本のプロサッカー選手である。
J1リーグの柏レイソル所属。サッカー日本代表。
茨城県牛久市出身。卓越したキープ力とスピードに乗ったドリブルを武器とするストライカー。U-23日本代表のエースストライカーとしてパリ・オリンピックに出場。
経歴
プロ入りまで
サッカーを始めたのは小学校1年生の時。きっかけは、サッカー好きの父親によるもの。学校が終わると父親に連れられてマンツーマンでトレーニング。リフティングやドリブルなど、サッカーの基礎となる部分を徹底的に叩き込まれていた。父親の指導は厳しかったこともあって当時は嫌々やっていたこともあったが、乗り越えた達成感を味わることができ、成長の糧となったと振り返っている。
小学校高学年になると、柏レイソルアライアンスアカデミーTOR'82に加入。自身初のクラブチーム加入となった。レベルの高い飛び級の子たちを追いかけながら必死に練習を続け、レベルの高い環境で揉まれていく。父親との練習ではそんなに走りは要求されなかったこともあり、走りの練習では苦労をしていたらしい。
クラブから推薦を貰い、中学生になると柏レイソルU-15に昇格。この頃はクラブが持ち味としているパスサッカーを学び、小学校の頃とは違う、新たなサッカーへの適応に苦戦しつつも、持ち味としていた推進力やドリブルを武器にサイドハーフとして活躍。それまで見聞きしなかったサッカー用語についても、ここで多くを学んでいる。
高校生になると、柏レイソルU-18に昇格。2年生のとき、高円宮杯JFA U-18プレミアリーグEAST第5節において強豪青森山田高校を相手にプレミアリーグでの初ゴールを決める。この活躍で自信を深め、クラブからの評価も上がり、プレー時間を増やすようになる。
3年生になった2019年3月には二種登録選手としてトップチームに登録される。3月20日のJ2リーグ第6節東京ヴェルディ戦に途中出場し、17歳でJリーグデビューを飾る。7月3日の天皇杯 いわてグルージャ盛岡戦でトップチームの公式戦初ゴールをマーク。公式戦8試合1得点という成績を残す。
柏レイソル
2020年にJ1リーグに復帰したばかりの柏レイソルのトップチームに昇格。しかしプロ1年目は試合に出場できない日々が続き、8月12日のルヴァンカップ第3節大分トリニータ戦で1ゴール1アシストの活躍を見せるが、当時のチームにはマイケル・オルンガという絶対的なエースがいたこともあって出場時間は伸びず。この年のリーグ戦は2試合にしか出場できなかった。
プロ2年目となった2021年は「自分の練習の質、全力さをうまく表現できた」こともあり、リーグ戦での出場時間を大幅に伸ばす。ネルシーニョ監督からも途中出場が多いながらも期待をかけられるようになり、7月3日の第21節横浜F・マリノス戦でJリーグ初ゴールを決める。9月12日の第28節FC東京戦ではチーム唯一のゴールを前半に決め、勝利に貢献。リーグ戦では28試合3得点という成績を残す。
2022年は背番号を19に変更。19番はかつて北嶋秀朗や工藤壮人らクラブを代表するストライカーが背負っていた番号であり、クラブからの期待が込められていた。この年は開幕スタメンの座を勝ち取ると、第2節の横浜F・マリノス戦でシーズン初ゴールを決める。前半戦快進撃を見せたチームにあって前線からの献身的な守備とアグレッシブさは重要な存在となっていた。U-21代表との兼ね合いもあって後半戦は失速したものの、初めてフル代表に呼ばれるなど大きく飛躍。目標としていた二桁得点には到達しなかったものの、8ゴール4アシストを記録し、シーズン終了後にはクラブ史上3人目となるJリーグベストヤングプレイヤー賞を受賞する。
2023年は柏のエースストライカーという立ち位置になり、開幕戦のガンバ大阪戦での初ゴールを皮切りに開幕からリーグ戦2試合連続ゴール、公式戦4試合で3ゴールというスタートを切る。だが、この年絶不調のチームの中で孤立する場面も多く、思うように結果を残せない時期も続いた。それでもJ1残留争いが佳境に入った後半戦に調子を上げ、9月17日の第27節横浜FC戦では残留を争うライバルとの直接対決で決勝ゴールを決める。9月30日の第30節北海道コンサドーレ札幌戦ではJリーグでは初となる1試合2ゴールを記録。同時にキャリア初のリーグ戦二桁得点を達成。最終的にチームトップとなる14ゴールという結果を残し、柏のJ1残留に貢献する。公式戦全体では17ゴールとエースと呼ぶにふさわしい活躍だった。
2024年シーズンは開幕から調子が上がらず、U-23アジアカップのためにチームを離脱するまでリーグ戦7試合連続ノーゴールと苦しむことになる。5月15日のJ1第14節湘南ベルマーレ戦でようやくシーズンの公式戦初ゴールが生まれる。
日本代表
2021年にパリオリンピック出場を目指すU-21日本代表に選出。10月のAFC U-23アジアカップ予選では2試合連続でゴールを決める。2022年3月のドバイカップU-23では、決勝のサウジアラビア戦で決勝ゴールを決め、日本の大会優勝に貢献している。
2022年6月にウズベキスタンで開催されたAFC U-23アジアカップ2022では、初戦のUAE戦で決勝ゴールを決めると、鈴木唯人と共に前線の核として活躍。準決勝の韓国戦ではチームの2点目を決め、3-0の勝利に貢献。
7月には国内組のみの招集となったEAFF E-1サッカー選手権2022に出場する日本代表に初めて選出される。7月24日の中国戦にスタメンで起用され、代表デビューを果たす。
その後はU-22代表での活動がメインとなっていたが、2023年11月当初はU-22アルゼンチン代表との国際親善試合に向けたU-22日本代表メンバーに招集されていたが、怪我のため辞退した古橋亨梧の代替選手としてフル代表に追加招集される。海外組を中心としたフルメンバーとプレーしたのはこれが初となるが、11月21日の2026 FIFAワールドカップ・アジア2次予選第2戦のシリア戦で途中出場し、後半37分に代表初ゴールを挙げる。
2024年1月にカタールで開催されるAFCアジアカップ2023のメンバーに選出。初戦のベトナム戦で1トップに抜擢されるが、前半のみで交代となる。その後準々決勝のイラク戦で1分ほど出場したのみとなった。
2024年4月にはカタールで開催されるAFC U-23アジアカップ2024に出場するU-23代表メンバーに選出。エースとして期待されながらもJリーグでの不調を引きずり、精彩を欠いたままグループリーグは3試合ノーゴールに終わる。だが、準々決勝のカタール戦では延長戦に値千金の勝ち越しゴールを決め、勝利に貢献。さらに準決勝のイラク戦でも2試合連続となる先制ゴールを決め、日本の8大会連続のオリンピック出場権獲得をもたらす。
2024年7月に開催されたパリオリンピックのU-23代表メンバーにも選出され、1トップのファーストチョイスとして起用される。グループリーグ第2戦のマリ戦では右サイドからの突破から山本理仁の決勝ゴールをアシスト。第3戦のイスラエル戦では試合終了直前に大会初ゴールとなる決勝ゴールを決め、日本のグループリーグ3連勝に貢献。準々決勝のスペイン戦ではパウ・クバルシを背負いながら反転しての同点ゴールを決めたが、縦パスを受けた際につま先がわずかに出ていたという不運すぎる判定でオフサイドを取られ、ゴールは取り消しに。この判定は非常にレアなケースであることもあり、物議を醸すことになる(細谷の1mm)。その後もマッチアップしたクバルシ相手に優位に立ち、スペインにとってもっとも脅威を与えた選手となるが、チームは敗れ、ベスト8で敗退となる。
個人成績
シーズン | 国 | クラブ | リーグ | 試合 | 得点 |
---|---|---|---|---|---|
2019 | 柏レイソル | J2リーグ | 6 | 0 | |
2020 | 柏レイソル | J1リーグ | 2 | 0 | |
2021 | 柏レイソル | J1リーグ | 28 | 3 | |
2022 | 柏レイソル | J1リーグ | 33 | 8 | |
2023 | 柏レイソル | J1リーグ | 34 | 14 | |
2024 | 柏レイソル | J1リーグ |
個人タイトル
プレースタイル
センターフォワードとして上背は高い方ではないが、体格ががっしりしており体感が強く、フィジカルの強さと重心のしっかりしたドリブル、そして裏へ抜けるスピードが武器。日本人ストライカーとしては数少ないパワフルさが魅力で、オフ・ザ・ボールの質とボールを持ったときのキープ力と強引さでシュートまで持ち込むことができる。シュートも体重を乗せたパワフルなシュートを打つことができ、ダイナミックなゴールが特徴的。
スピードとアジリティも持ち合わせており、瞬発力と俊敏性により、相手ディフェンスの間をかいくぐり裏へと飛び出し、ゴールを狙う。スペースを見つける能力も優れており、敵陣に進入した際には冷静さを保ちながら最善のプレーを選択できる。足元の技術もしっかりしていて、ポストプレーも年々安定してきている。
守備での貢献度も高く、反応の速さと素早いフィートワークによって相手に対しアグレッシブなプレッシャーをかけることができる。
弱点はゴールのパターンが少ないことで、ヘディングや利き足の逆である左足でのゴールは少ない。まだまだ粗削りなところもあり、経験不足の部分は否めないが、日本では少ないタイプのストライカーということもあり、今後の成長が期待されている。
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関連項目
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