『終末のワルキューレ』とは、現在コミックゼノンにて連載中の漫画作品である。作画はアジチカ、原作は梅村真也、構成はフクイタクミ。
概要
終末のワルキューレ | |
漫画 | |
---|---|
原作 | 梅村真也 |
作画 | アジチカ |
出版社 | コアミックス |
レーベル | ゼノンコミックス |
掲載 | 月刊コミックゼノン |
掲載号 | 2017年11月- |
巻数 | 既刊21巻 (2024年3月時点) |
漫画テンプレート |
作画担当であるアジチカ先生の言葉を借りるならば、「人類最強と神最強が闘いあう脳筋バトル漫画」とのこと。その言葉に偽りなく、あらゆる神話の神々と歴史の偉人、英雄の最強同士の対決ゆえにシンプルながらも胸熱バトルの連続となっている。その結果、宝島社による「このマンガがすごい!2019オトコ編」にて第五位にランクインするほどの話題作となる。
2020年12月19日、2021年にテレビアニメ化することを発表。併せてアニメ公式サイトが開設された。
2021年3月27日、同日開催の「AnimeJapan 2021」内の「ネトフリアニメ!AnimeJapan 202 メガ盛りステージ!」にて2021年6月よりNetflixにて全世界独占配信することが発表された。
あらすじ
1000年に一度、天界で開催される「人類存亡会議」に全世界の神々が集結した。次の1000年の人類の存続を許すか否かを裁決する会議の結果は、進歩もせず横暴の限りを尽くす人類を見限り全会一致で人類滅亡が決定。700万年に及ぶ人類史にピリオドが打たれようとする直前に、北欧神話の戦乙女(ワルキューレ)の一人であるブリュンヒルデが異議を申し立てる。と同時に神VS人類最終闘争(ラグナロク)による結果で人類の行く末を決定することを提案。当初は誰も聞き入れるつもりなどなかったが、彼女の挑発じみた言動に煽られる形で神VS人類最終闘争の開催を決定。
かくして、人類を滅亡させようとする最強の神々と戦乙女によって選定された最強の人類による、空前絶後のタイマン13番勝負が幕を開けた・・・・!
登場人物
戦乙女(ワルキューレ)13姉妹
北欧神話に名高き半神の13姉妹。来るべき天界の危機に備えて地上の人類を神兵として天に召すという使命を持つ「魂の運び手」とされている。この神VS人類最終闘争においては、人類側に立つことに。なお、ゲルによれば13人が一堂に会すことはこれまでになかったことらしい。
ブリュンヒルデ CV.沢城みゆき
「……それって~もしかしてビビッてるんですかァ?」
本作における中心的人物であり、この闘争の発起人たる戦乙女13姉妹長姉。彼女の異議申し立てにより神VS人類最終闘争が開催されることとなった。その動機は、半神ゆえに人類との結びつきも強く、自身もかつて人間にその身を落とした経験によるものであるらしいが……?基本的には凛とした佇まいの女性で、目的のためならば恐怖心も悲しみも押し殺すほどの覚悟と冷静さを持ち合わせているが、その一方で涼し気な顔をしつつ毒舌という言葉がまだ優しく聞こえるほどの乱暴すぎる口調の暴言を吐くばかりか、感情が昂ると顔芸粗暴な表情を見せることも。
フリスト CV.小林ゆう
「神(クソども)が…ッ仇は私が必ず取ってやる」
戦乙女13姉妹次女。その名には「震える者」と「轟く者」という二つの意味を持つように、穏やかで柔和な淑女の顔と荒々しくも猛々しい女傑の顔を持っている(ただし、どちらにおいても姉妹への情愛に変化はない)。物干し竿という呼び名で知られる佐々木小次郎の愛刀・備前長光三尺余寸へと神器錬成する。
スルーズ CV:三木晶
「それでこそあたいが惚れた漢(おとこ)だよ!」
戦乙女13姉妹三女。巨人さながらの体躯とサバサバとした性格はまさしく「強き者」という名が似合う女傑。一方では乙女チックな一面も。雷電為右衛門との混合神器錬成を果たして授けた力の名は超金外骨締廻。これにより筋肉の完全制御と筋肉操作を可能としたことで、雷電本来の全力が解放された。
戦乙女13姉妹四女。優しげな笑顔を浮かべる女性ではあるが、「盾を壊す者」という凄まじい意味の名を持つ。呂布奉先の持つ方天戟へと神器錬成する。
戦乙女13姉妹五女。名の意味は「槍を持ちて進む者」。レオニダスとの神器錬成により可変型の大盾(ホプロン)となる。
戦乙女13姉妹七女。知性的な印象の強いメガネ女子で、その名の意味は「神々の残された者」。メリケンサックへと神器錬成し、アダムと共に戦い抜く。
ゲンドゥル
ベタベタさわるんじゃねえ。
戦乙女13姉妹九女。「魔力を持つもの」という意味の名を持つ物静かな女性には違いないのだがなかなかアグレッシブな性格かつメンクイ。ヒルデ曰く「笑顔で人を刺すタイプです」だとか。ニコラ・テスラとの神器錬成により、彼の研究と彼女本人のイカツい性格を具現化したアイアンマン超人自動機械β(スーパーオートマトンベータ)となる。そして、同時にその動力源ともなっている。
戦乙女13姉妹十女で、先に登場したフレックとほぼ瓜二つの見た目をした少女。「軍勢の守り手」を意味する名の持ち主だが、相棒となる闘士に待ちぼうけを喰らわされてしまい泣きを見てしまう羽目に。しかし惚れっぽい性格なのか、相手の顔面偏差値もとい説得によりあっさり陥落。その相手である始皇帝と神器錬成を果たし、神羅鎧袖なる鎧と化す。これにより、ある事情から防御に難のある彼の守りの要となる。ただし、その力の本質は攻撃にある。
戦乙女13姉妹十一女。「武器をガチャつかせる者」という名を持つ、ややツンデレ気味なワガママ娘。ジャック・ザ・リッパーと強引に神器錬成させられたことで、触れた物を神器へと変える手袋となってしまった。この特性をジャックは第四回戦後半まで隠し通すことに成功。戦いの後は、ジャックのことを気にかけるような言動を掛けるようになる。
ゲル CV.黒沢ともよ
「この13対13が全てを決める人類滅亡を賭けたカウントダウン…」
戦乙女13姉妹末妹。常に姉のブリュンヒルデと行動を共にする見習い戦乙女。語尾に「っス」と付けるボクっ娘であり、ぶっ飛んだ状況や言動が乱れ飛ぶ本作における数少ない常識人枠。読者の感想を代弁している存在。
人類代表
ブリュンヒルデが「神殺しの13人(エインヘリャル)」と呼ぶ、人類史最強の13人の闘士。ちなみに、人類側の観客席では彼ら縁の人物たちに焦点が当てられる(例えば、呂布であればかつての腹心であった陳宮や鎬を削った劉備ら蜀漢三英傑など)
呂布奉先 CV.関智一、矢野奨吾(幼少期)
「お前、なかなかいいぞ」
人類側先鋒。「三国志最強」の二つ名をほしいままにしている武人。強敵との戦いを求め、数多の戦場を駆け抜け、その度に屍の山を築き上げてきた傲岸不遜な危険人物。とはいえ、その圧倒的すぎる武威に惚れ込む者たちがいるのもまた事実。当然ながら、愛馬である赤兎馬も健在。
ブリュンヒルデ曰く、戦場で出会った戦士の中で最凶かつ最狂の戦士。
後に、彼を主役に据えたスピンオフ作品『終末のワルキューレ異聞 呂布奉先飛将伝(作画:オノタケオ 全7巻)』が連載された。
アダム CV.斉藤壮馬
「子供達を守るのに理由なんているのかい?」
人類側次鋒。聖書伝説にて語り継がれる「原初人類」。見た目はまんまはっぱ隊で呑気そうな若者だが、「全人類の父」とも称されるだけあり、あらゆる人類から尊敬の念を向けられている。そして本人も計り知れない父性の持ち主でもある。ヒルデ曰く最高の精神力を持った漢。
神を真似て作られた最初の人類だけあって、神の繰り出す技も簡単に見切ってコピーすら可能な能力「神虚視」を持つ。
佐々木小次郎 CV.山路和弘、寺島拓篤(幼少期、青年期)
「岩流の進化未だ止まず。すなわち今刻が小次郎の全盛期なり」
人類側第3鋒。時代が江戸に移り変わろうとする日本に名を馳せた剣客。剽軽な性格ながらも、その技量はまさしく達人の域。であるにもかかわらず「史上最強の敗北者(ルーザー)」という一見すると不名誉極まりない称号が与えられている。これは単に宮本武蔵との決闘に敗れただけではないようだが……。死後も研鑽を重ねたため、老年の外見となっている。
ヒルデ曰く、アダムが最強の後だしなら小次郎は最強の予測とのこと。
ジャック・ザ・リッパー CV.杉田智和、海弓シュリ(幼少期)
「ああ、失敬。少々はしたなかった・・・なにせ初めてなんですよ、神様は」
人類側第4鋒。ヴィクトリア朝大英帝国のお膝下であるロンドンを恐怖に陥れた「史上最悪の殺人鬼」。かのシャーロック・ホームズすら解決できなかった事件をおこしたようだ。その外見も言動も英国紳士そのもののナイスミドルだが、その本性は対戦相手であるヘラクレスどころか、彼とぶつけるためにその途方もない悪意に目を付けたブリュンヒルデですら嫌悪を隠さない悪辣な外道。
ヒルデ曰くクソの中のクソ。ゲボカス野郎。当時のロンドンを再現した闘技場にて、狡猾な罠を幾重にも張り巡らせて迎え撃つ。
この度、外伝作品第2弾の主人公に抜擢。『終末のワルキューレ奇譚 ジャック・ザ・リッパーの事件簿(作画:イイズカケイタ)』の連載が開始される。
人類側第5峰。江戸日本どころか、大相撲の歴史にその名を刻んだ「無類力士」。伝え聞く通りの巨躯と怪力を有した、己の欲望に忠実な益荒男。それでいて相撲にも色恋にも裸一貫で臨む好漢でもある。ヒルデ曰く人類史上最強の筋肉を持つ漢(おとこ)。しかし、その筋肉は自身の命を奪いかねないものであるため「百閉」と呼ばれる筋肉にて抑え込んでいた。
始皇帝 CV:石川界人
「惑わず」「曲げず」「頼らず」
「常に民の先頭(まえ)に立ち続ける」
「それが“王”である」
人類側第7回戦出場者。戦乱に明け暮れる古代中華文明圏の統一を果たした秦朝初代にして、中華最初の皇帝。ヒルデ曰く「すべての始まりの王」。王らしからぬフランクな性格と王たる決意と覚悟を併せ持った覇者。それ故か、他の出場者に負けず劣らずのゴーイングマイウェイぶり。戦闘においては、魔神・蚩尤との闘いにて体得し、その名をあやかった武技「蚩尤」を振るう。まさかのカンフー枠。だが、これ以外にも隠し玉があり・・・・・・。
漫画本編登場以前に、『呂布奉先飛将伝』第3巻にてそのビジュアルが明らかとなる。
ニコラ・テスラ
「さあ・・・」
「科学(われわれ)が」「神を超える番(とき)だ」
人類側第8回戦出場者。20世紀アメリカより、電気工学に多大な貢献を残したセルビア(出身国は当時領有していたオーストリア帝国表記)が生んだ天才「稲妻博士」。またの名をヒルデ曰く「人類史上ただひとりの魔法使い」。だが、本人はその呼び名を嫌っており、むしろ科学に対して絶大な信頼を寄せる、いつ如何なる時でも知的好奇心と学究意欲を忘れない自信家。それはエジソンをはじめとする古今東西の天才たちが認めるほどの知の巨人。ただしネーミングセンスに関してはその限りではない。戦いにおいては、自身の研究の集大成を形にして挑む。
レオニダス王
「戦う時は必ず自分の意志で戦う」
「それが『スパルタ』だ」
人類側第9回戦出場者。ペルシャ戦争はテルモピュライの戦いにて、古代ギリシャ中に勇名を轟かせた大英雄。本人はのんびりと過ごすことを好んでおり、天界での生活も満喫していたようだが、作中にて史上最強の民族と称されるスパルタの王に相応しい漢気を迸らせる豪傑。対戦相手であるアポロンに対しては、スパルタを堕落させた存在として激しく忌み嫌っている。故に、その凄まじい反骨精神と相まってヒルデ曰く「人類史上最強の叛逆者」。
沖田総司 CV:代永翼
「みんなで遊ぶなら僕もまぜてくださいよ」
幕末日本を駆け抜けた新選組の天才剣士。見た目こそあどけない少年そのものだが、その目には狂気の如き血の色を宿した鬼子。早い話が『ちるらん 新撰組鎮魂歌(漫画:橋本エイジ)』からのゲスト参戦。同じ原作者かつ同じ掲載誌だからこそ成立した飛び道具である。
ミシェル・ノストラダムス
「えへへへへあんまり褒めないでよ」
「大げさだって☆」
「世紀の予言者」として知られる、フランス・ルネサンスの賢人。その外見は天使のような、という形容詞が似合いそうな美男子。だが、自身の好奇心のみを行動原理とするばかりか、人をおちょくるのを好む、なかなかイイ性格の持ち主。このため、ゲル曰く最凶の愉快犯でありヒルデ曰く人類史上最高に不愉快な漢(おとこ)。しかし、同時に人類で唯一冥界に堕とされた人間であり、人類のジョーカーでもある。
御伽話「金太郎」の主人公でもある、平安日本の守り手たる源頼光四天王の一人。金髪と顔の大きな傷、そして気持ちのいい笑顔を持つ気風の良い大男。釈迦とは顔見知りであるようだ。
フィンランド冬戦争にてソ連を震え上がらせた狙撃手「白い死神」。彼もまた漫画本編には未登場だが、公式ツイッターにてキャラデザインが先行公開されている。
神代表
あらゆる神話・伝説の頂点に立つ天界最強の13神。人類が生み出した武具=人器では、神の肉体に傷一つつけることはおろか、その神の持つ武具=神器の一撃に耐えることすらできないという。
神側先鋒。自身の持つ神器ミョルニルと共に語り継がれる雷神にして戦神。「北欧神話最強」の看板に偽りなく、近くにいる者を恐怖で震わすほどの威圧感を放つ、口数の少ない赤髪の美丈夫。しかし、その一方で自身に匹敵する相手に巡り合えず、退屈を持て余している。
ゼウス CV.高木渉
「じゃが・・・まさかワルキューレ共が本気で・・・我らに刃を向けるとは・・・
こんなの・・・こんなのォ~~~~~ッッ
全宇宙創造(ビッグバン)以来の興奮(ドキドキ)じゃわい!!」
神側次鋒。ギリシャ神話に君臨するオリンポス12神の長たる最高神にして「全知全能の神」。見た目は枯れ果てたかのような老人だが、絶大すぎる力を誇る。神話では基本的に性欲を持て余すエロジジイ扱いをされているが、本作においては戦闘意欲を持て余しまくっている「戦闘愛好変態爺(エロジジイ)」となっている。そのため、自身が強引に次鋒に名乗りを上げる。その老獪なまでの強かさやその威厳から来る貫禄など、やはりギリシャ神話の頂点に相応しいもの。
ポセイドン CV.櫻井孝宏
「神は群れぬ・・・神は謀らぬ・・・神は頼らぬ・・・それこそが神」
神側第3鋒。ゼウスの兄であり、オリンポス12神の一角を担う海洋神。見た目はゼウスより若い金髪碧眼の青年だが、孤高を旨とする傲岸不遜なる「大海の暴君」。そして、己の信条に反するならば、たとえ身内でも一切の容赦はしない苛烈な性格の持ち主でもある。それ故に、他の神々からも畏怖される最恐神。神器トライデントによる攻撃はまさしく怒涛の如く。他の神々とは違い、最後まで対戦者を認めなかった。
ヘラクレス CV.小西克幸
「だが・・・それでもオレは人間を愛している」
神側第4鋒。ギリシャ神話最大の英雄。筋骨隆々とした体躯に爽やかな性格のヒーロー然とした快男児。その強きを挫き弱きを助ける「不撓不屈の大英雄」としての在り方は「正義の使者」と称するに相応しい勇者。同時にその高潔さは大勢からの信頼を勝ち取っている。また、戦乙女らと同じく自身も半神であり、彼女たちからは兄のように慕われている。そんな彼も人類滅亡には反対であり、この闘いに勝利して人類存続を願い出るつもりらしい。
自慢の剛力と不屈の闘志を武器とする他に、かつて己に課された12の試練に由来する力を宿す。
ちなみに、伝承ではゼウスの子とされているが、本作においてはゼウスとの血縁関係もないテーバイ出身の元人間アルケイデス。神罰が下されようとしたときにゼウスの血(アンブロシア)を口にしたことで神に堕ちた。
シヴァ CV.鈴木達央
「なんか数千年ぶり(ひさびさ)に血が騒いできたわコレ!!」
印度神話の最高神の一人である破壊神。その言動は軽薄な印象を与えるが、インド神話最強に位置するその威圧感は本物。本来の次鋒は彼だったのだが、そこにゼウスが割り込もうとしたため、一触即発の状況に。しかし、最終的には「貸し一つ」として自ら譲り、そして闘いの際にはゼウスに叱咤激励を送るなど、律儀かつ生真面目な面も。
そしてついに満を持して神側第5峰として出陣。「最強破壊神」として決戦の舞台にて荒々しく舞う。シヴァといえば様々な武器を持つことで知られているが、本作においては「踊りの王(ナラタージャ)」としての舞踏を主軸とした戦闘スタイルで戦う。
釈迦 CV.中村悠一
「・・・オレを動かすことができるのは・・・この・・・天上天下で・・・
唯---・・・我独(オレだけ)だ」
元々は古代インドの王族の出身で、後に出家して悟りを開いた仏教の開祖「覚者」すなわち「仏陀」。ストリートファッションじみた着こなしをした不敵な態度の聖者。どうやら、何やら秘密を握っているようだが・・・?
毘沙門天 CV:田島章寛
「裏切者には天誅を・・・努忘れるな」
インドの財宝神を起源に持つ、四天王の「多聞天」である仏教の勝利神。本作においては七福神の一角を担う、物々しい雰囲気を放つ武神として登場。釈迦を天界の裏切り者として付け狙う。
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その釈迦が人類側に寝返ったことで、彼が神側第6峰として出場。これで何者にも憚ることなく釈迦に天誅を下せるようになったが・・・?
零福(ゼロフク)
「今までで・・・一番・・・ボクは最高に・・・
不幸だ」
毘沙門天ら七福神の正体とも呼ぶべき厄神であり、本作オリジナルの神(強いて言えば七福神そのもの)。禍々しい雰囲気を放つ瘦身の少年神。自他問わず不幸を吸い上げる権能の持ち主ではあるが、かつてはその力で人類を幸福にしようとした無垢な心の持ち主であった。しかし逆に救ったはずの者たちが堕落してしまったことや、神ならぬ身で正しく人々を救っている釈迦への逆恨みから、今のような陰湿な悪神、すなわち伝説の凶神と成り果ててしまった。とはいえ、その善性が完全に失われたわけではないようだ。
戦いを通して釈迦と和解を果たすが・・・・・・。
自身の権能により吸い取った不幸を攻撃力に変換する斧の神器斧爻が彼の武器だが、これを媒介として釈迦との神器錬成を果たす。釈迦の慈愛を吸い上げて七支刀の神器大円寂刀・零(ゼロ)を完成させた。
波旬
「最高の土と巡り合った今の我は」
「至高の存在ーーー」
「過去の我を」「遥かに凌駕する!!」
仏教伝承にその名が残る第六天魔王・・・なのだが、その開祖である釈迦はおろか主神格の神々、そしてヒルデやヘルメスにロキといった本作屈指の曲者たちですらその存在を知らぬ怪物。それもそのはず。かつて冥界を半壊させたことで伝説となった冥界の狂戦士。しかし、その極大そのものの力に耐えきれず自壊してしまったのだが、その残穢をベルゼブブが回収・培養した後に零福に移植したことで復活を果たしてしまった。よって、ハデスたち冥界の関係者たちさえも、この戦いにおいて初めて目にすることとなった。そして、闇同然の魂を宿した変幻自在の肉体にて釈迦を追い詰める。
ベルゼブブ CV:浪川大輔
「人類をーーー」
「鏖にしてやりたい・・・」
「その衝動を・・・」「抑えられないのはね・・・」
神側第8回戦出場者。聖書伝説にて広く知られる呪われた蝿の王。全身黒ずくめの昏い瞳をした青年。その学者然とした見た目そのままに、何らかの実験を行っている。その一環として、零福を波旬へと変貌させた。
伝承では悪魔として知られているが、本作では紛れもない神として扱われている。にもかかわらず、悪魔の代名詞的存在であるサタンの名と影が見え隠れしているが・・・・・・?
振動を自由自在に操る権能を持ち、そしてアポミュイオスの杖と呼ばれる髑髏の杖の神器にて増幅させることで攻防一体の戦法を取ることができる。
アポロン
「かけられた期待には必ず応える」
「それが最高の存在ーーー」
「太陽神」「アポロン様だ」
神側第9回戦出場者。ギリシャ神話はオリンポス12神の一人である太陽神、人呼んで「ポイボス(輝ける)・アポロン」。見た目そのままのナルシストでアレスが苦手意識を持つほどだが、その美醜の基準は見た目によるものだけではなく、己独自の価値観に基づいている。そして同時に、途方もない自信家でもあるが、それはゼウスが認めるほどの実力に裏付けされたものである。
オーディン CV.速水奨
「我らすべての神を敵に回す---その覚悟があってのことか?」
北欧神話の最高神であり、ゼウスに比する威圧感の持ち主。また戦乙女たちにとっては主も同然の人物。滅多なことでは言葉を発さない厳かな雰囲気の隻眼の老人であり、会話は専ら白黒のカラス、フギン(CV.中野泰佑)とムニン(CV.山口智広)の二羽に任せている。本人はこの神VS人類最終闘争にて独自の思惑を持っているようだが・・・・・・?
北欧神話の悪神。パッと見は気さくな青年といったところだが、「狡知の神」に相応しい禍々しい笑みを浮かべる戦闘狂。神話最大のトリックスターらしく、その洞察力は他の追随を許さない。基本的には楽しく観戦しているものの、神の絶対性が揺らぐような事態は看過しない。
その他神々
ヘイムダル CV.野津山幸宏
「幾星霜オレは待っただろうか・・・この"終末の角笛(ギャラルホルン)"を吹く時を!!」
「終末の番人」と呼ばれる北欧神話の神の一人。神VS人類最終闘争における実況兼審判であり、ギャラルホルンを試合開始の合図として吹き鳴らす。段々とフリーダムさが増していく出場者の入場を前にしながらも、司会者としての矜持を貫く。
ヘルメス CV.諏訪部順一
「何万年ぶりでしょうね・・・ゼウス様出陣時に奏でられる---
この曲を弾くのは!!」
ギリシャ神話のオリンポス12神の一柱である伝令神。ゼウスたちに執事の如く恭しく仕える優男だが、どこか愉快犯じみた狡猾さを孕んだ喰えない男。
アレス CV.田所陽向
「闘いとはかくも---美しきものだったか・・・」
ギリシャ神話のオリンポス12神の一柱である軍神。筋骨隆々とした大男だが、凄まじい実力を振るう人類側の闘士に驚愕を露わにしてしまう場面が多く見られる。その一方で、自身が認めた相手に対しては強い信頼を寄せるなど、良くも悪くも真っ直ぐな心根の持ち主と言える。
アダマス
「オレを」「見ろぉ!!」
本作オリジナルの神。その存在を抹消されたオリンポスの13人目の神にして、ゼウスとポセイドンの兄である征服神。ゼウスが最高神の座を得たことに不満を見せ叛乱を起こそうとするも、ポセイドンに粛清されてしまう。後に、ハデスの命によりヘルメスやベルゼブブらの手で生き延びていたことが発覚(曰く、ケジメをつけた)。以降の彼は冥界の神アダマンティンと呼ばれている。
ハデス CV:置鮎龍太郎
「弟よ・・・誓おう・・・」
「余は誰にも負けぬ」
「お前たちの」「兄として」
ゼウスらの兄である冥界を統治する冥王。冥府を統べる絶対王だけあり、静かながらも他を圧倒する厳かな風格を有する。恐るべき存在であるだけでなく、それに見合った実力の持ち主であり、ゼウスをはじめとする多くの神々が信を寄せ、あのポセイドンやアダマスが敬意を示すほど。そして、一方では弟たちに対する深い情を寄せている。
釈迦が人類側に転向したことにより、神側第7回戦出場者として参戦。バイデントの槍より凄まじい一撃を繰り出す。
日本にて崇拝されている福徳の神々。しかし、本作におけるその実態は、天界に仇を成す裏切者に天誅を下す天界処刑人。そして同時に、七人全員が零福の分霊のような存在でもある。
メンバーは神VS人類最終闘争に出場する毘沙門天の他に、ずんぐりとした絡繰に身を潜める少年神の大黒天(CV:新谷真弓)や屈強な肉体の老神の寿老人(CV:最上嗣生)、しゃれこうべ同然の老人の姿の福禄寿(CV:蒼谷和樹)に筋骨隆々とした布袋尊(CV:濱野大輝)、そして任侠風の出で立ちの恵比寿(CV:大畑伸太郎)に紅一点の弁財天(CV:菊永あかり)。毘沙門天同様、釈迦を天界の裏切り者と見なし、その命を狙う。
用語
ヴァルハラ憲法第62項15条に記載されている超特別条項。神と人類それぞれから13人の闘士を選出し、1対1で闘わせる。先に7勝した側の勝利となり、神が勝てば人類は滅亡するが、人類が勝利すれば後の1000年の存続を約束される。ただし、基本的には人類が神に勝てるなどないはずだったので、ほとんど神の戯れ同然の条項であり、その存在はいつしか忘れ去られてしまった。なお、決着はどちらかが戦闘不能になることのみ。つまりは相手の死。天界での死は「魂の完全消滅(ニブルヘル)」と呼ばれ、たとえ神であっても永劫に復活することはない。
なお、北欧神話原典における本来のラグナロクが本作においてはどういう扱いになっているかは不明だが、少なくともトールとヨルムンガンドの対決はあった模様。
本作における世界の構造
本作においては、三つの世界による三層構造となっている。まずは、戦いの舞台となっている神々や魂魄の在る天界(ヴァルハラ)。様々な神話から成る神界によって構成されている。それと、人類や生物の暮らす地上界(ミズガルズ)。そして、魔界や地獄とも呼ばれるこの世ならざる存在が蠢く冥界(ヘルヘイム)。今のところは、ケルベロスやテュポーン、奈落(タルタロス)に幽閉されているティターン神族、その獄吏を務めるソロモン72柱などが確認されている。特に、ギガントマキアにおけるティターン神族の動きをはじめとして、天界と冥界は何度も激突を繰り返してきた。そうした背景もあって互いの侵略行動を禁ずるべく虹と闇の門(ビフレスト)が建造。ここを通れるのは神の中でも主神格やハデスのようにそれに比する存在のみとなっている。これをノストラダムスが興味本位で破壊しようとしたために冥界へ落されてしまった。どうやら未遂に終わったようだが、本人は全く懲りてない。
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神器錬成(ヴェルンド)
戦乙女たちが持つ固有の能力。戦乙女と人間の戦士が心を通わせることで、自身の肉体をその戦士に適した武具へと化身する。これによって、超越的な力を持つ神々やそんな彼らの持つ武具である神器と互角に打ち合うことができる。なお、武具が砕かれれば当然、その戦乙女は命を落とすし、仮に砕けなかったとしても、神器錬成自体は共鳴した人間と一蓮托生の運命。その人間が死ねば、戦乙女も消滅してしまう。
ただロキによれば、本来であれば神殺しを可能とするような力ではなかったらしい。
ちなみにヴェルンドとは、北欧神話やそれにまつわる神話・伝説に登場する鍛冶師の名。
釈迦が属する仏界に伝わる秘技。互いに生を託し一つの蓮の上に乗せるが如く、共に命を預け運命を同じくすることで全身全霊を出させるというもの。これを神器錬成に用いることで、戦乙女が命を懸けることにより神への対抗を可能とする。この秘法のために、ロキも七福神も釈迦を裏切り者と見なしている。
実のところ、人類存亡会議が開催するよりずっと前にブリュンヒルデが釈迦からこの秘術を得た、というのが真相。
ヘルメスのバイオリン演奏によるゼウス入場曲。演奏それ自体は弦楽器の発明者という逸話を残すヘルメスだけあって、音楽の父バッハが感涙するほど。この曲の演奏時にはバイオリンが複数展開されるのだが、同時に耽美系美青年の演奏に合わせてヨボヨボの爺様がハッスル全開で舞い踊る謎空間までもが展開。神々には大好評であるので、当然ながら人類には早すぎる光景。また、戦乙女らの感性も人類と同等である模様。
ブリュンヒルデが色々と追い詰められてしまった際にやけ食いするという悪癖にて、彼女が口にするもの。ただでさえ人を選ぶ食べ物のサルミアッキが、彼女の手製により激マズフードに仕上がっているらしい。ただ、現時点ではどれほどマズイのかは不明。というよりも、口にしているのが作った本人のブリュンヒルデと佐々木小次郎のみであり、二人とも平然と食している。とはいえ、落ちたヤツを拾い食いしている小次郎の様子を見たゲルは無論のこと、フリストからもドン引きされてしまっているため、ある程度お察しである。
関連静画
関連動画
テレビアニメ
第1期は2021年6月17日(木)よりNetflixにて全世界独占配信。
また2021年8月18日には第2期制作決定が発表され、併せて10月より第1期がTOKYO MX他にて順次放送されることが発表された。
第2期は第1~10話までの前編が2023年1月26日に、後編の第11~15話が2023年内にNetflixにて独占配信される。
スタッフ
- 原作:「終末のワルキューレ」(「月刊コミックゼノン」連載 / コアミックス)
- 監督:大久保政雄
- シリーズ構成:筆安一幸 → 筆安一幸、山田由香【2期】
- キャラクターデザイン:佐藤正樹
- サブキャラクターデザイン:赤堀重雄、川島尚
- 色彩設計:内林裕美
- 美術監督:山口忍
- 3D監督:竹山諒一
- 撮影監督:増元由紀大
- 編集:丹彩子
- 音楽:高梨康治
- 音響監督:えびなやすのり
- アニメーション制作:グラフィニカ → グラフィニカ×ゆめ太カンパニー【2期】
放送情報
放送局 | 放送開始日 | 曜日 | 時間 | 備考 |
---|---|---|---|---|
TOKYO MX | 2021年10月1日 | 金曜 | 24時30分~ | |
BS11 | ||||
MBS | 26時55分~ | |||
カートゥーンネットワーク | 2021年10月3日 | 日曜 | 22時00分~ | 再放送:金曜23時30分~ |
主題歌
- オープニングテーマ「KAMIGAMI-神噛-」
- 歌:マキシマム ザ ホルモン
関連リンク
- 終末のワルキューレ | コミックゼノン
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関連項目
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